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「繰り返してはならない‘戦争’」

毎年8月は長崎、広島への原爆投下、そして迎えた8月15日の終戦のこと私たちは忘れてはいけない、また語り継いでいかなければならない大切な出来事だと誰もが思っています。
 私は今までに、戦争体験した方々から直接その時の様子を聞く機会は何回かありました。それを聞いて、そのつど「絶対、戦争はしてはいけない!」と強く思ったのです。しかし、戦後72年たった今、考えてみれば、その時に生まれた方でも72歳です。毎年そうして戦争を体験された方は高齢になり、語り継ぐこともだんだん忘れられてしまうのではないかと心配になります。
 それでも、子どもたちには戦争の怖さ、苦しさ、辛さ、悲しさ、不安などを私たちは伝えていかなければなりません。
先日礼拝で、長崎、広島に原爆が落とされて多くの人々が死んだこと、そして死んだのは人間だけでなく動物園の動物たちも戦争によって殺されることになった(絵本「かわいそうなぞう」)お話をしました。戦争は、子どもたちにとっても身近な出来事であることを伝えたかったからです。また同時に、今は動物園の動物たちも守られ、私たちを楽しませてくれている平和な社会であることを子どもたちと確かめ合いました。
私たちは「楽しい」「うれしい」「安心」「好き」等の気持ちと「悲しい」「怒ってる」「怖い」「辛い」等の気持ちがあり、こうした気持ちは誰もが感じる気持ちであり、「楽しい」「うれしい」「安心」「好き」等は平和なきもち、また「悲しい」「怒ってる」「怖い」「辛い」等は戦争のきもちであると子どもたちといっしょに分けてみました。
「戦争のきもちの時は、どうしたらいいかな?」と問うと、子どもたちから「やさしくしてあげる」「『どうしたの?』って聞く」などの返事が返ってきました。
子どもは、きもち(感情)は成長するに従って未分化から細かく分化していきますが、表現の仕方は、成長に従って個々に違い、場合によっては内に秘めて他者にはわからない時もあります。
そんな時、戦争のきもちの時は、誰に慰められ、声かけしてもらえたらいいのでしょうか?
「戦争のきもち」の時、お友達からやさしく声かけられたら、だんだん「平和なきもち」になっていくことは、こどもたちは知っていました。
「誰にもやさしく声かけられなかったら、どうする?」の質問に、「神さま(がしてくれる)」と3歳児のDくん。
祈りによって、自分が今どんな気持ちであるのか、少しずつ客観的に自分自身を知っていくことで、、神さまからの声かけが聞こえ、「平和なきもち」になっていくのではないでしょうか。祈りは、私たちができる「繰り返してはならない戦争」を子どもたちに伝えていく方法でもあるのです。