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生き生きと学ぶ子どもたちのために

園長  冨永 裕美
ようやく長かった梅雨が明け、まぶしい程の日差し、まっすぐに伸びたヒマワリ、にぎやかなセミの鳴き声等に本格的な夏の訪れを感じます。交代で入っているプールからも子どもたちの歓声が聞こえてきます。
新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が解除されてから、こども園でも新しい生活様式を取り入れながら過ごしています。少しずつ日常の生活に向かっていってほしいと願っていましたが、先日からの浜松市内での感染拡大を受け緊張感が高まっています。園としてできることとして園内の衛生管理、職員の体調管理等徹底して行っていきたいと思います。保護者の皆様におかれましても、引き続き感染予防へのご理解・ご協力をお願いいたします。また水分補給や、室内の温度調節、活動時間や活動内容を検討しながら熱中症対策に配慮しながら、過ごしていきたいと思っています。 
さて先日私たち職員は感染症対策を図り3密を避けながら、浜松地区の聖隷のこども園・保育園を対象とした分散型研修を行いました。聖隷クリストファー大学の非常勤講師であり、聖隷保育園の職員でもある坪川紅美氏が講師となって「論理的思考の芽生え~生き生きと考える子どもたちのために~」と題しての講演は、スイスの心理学者ジャン・ピアジェの構成論を基にしたお話でした。子どもは、人的環境・物的環境との相互作用を通して、知的な側面や道徳的側面を発達させる、考えることを通して子どもが知識を構成するという考えです。知識には教えられる知識と、教えられない知識があるとも言われました。大人が子どもに教えなければならないことはもちろん多くあります。しかし、子どもは赤ちゃんの時から知的な能力を持っており、乳幼児期を通してその力が豊かに発達していきます。「子どもは考えることが好きなんですよね、色々なことを試します。大人にとって困るようなことも試します。」と坪川氏はおっしゃられていました。子どもの生活そのものが考えることの宝庫、日常の中で生き生きと考える子どもたちのために私たち大人の関わりはとても大切になってきます。子どもたちは、環境に関わって遊び、生活する中で、知的な関係づけをしながら主体的に学んでいるということを意識して、子どもの知的好奇心を伸ばしていくような関りをしていくことの大切さを改めて感じます。
最後に先日行われた年長児クラスでお泊まり保育について紹介します。お泊り保育は、親の元を離れ、身の回りのこと等、自らで取り組み心身の自立を促し、また、友達や保育者と生活を共にし、関わりを深めながら協力することの楽しさや大切さを学ぶ、そして家族と離れて過ごすことによって改めて家族の大切さを感じる等のねらいを持って行っています。コロナ渦の中で一つひとつの行事の開催について見直しを行っていますが、基本的に日常の園生活の延長ということで無事に開催することが出来感謝しています。大型バスに乗って出かけたウオットでの活動、園に戻り行った宝探しではヒントを基に考え友達と協力して取り組みました。夕食のカレー作り、キャンドルサービス、どれも楽しい経験でした。その中で家族からの手紙をグループごとに一人ずつ読んでもらう場面での子どもたちの表情は忘れられません。ニコニコ頷きながら聞いている子や、思わず泣き出してしまう子など様々でした。どの手紙からもご家族の子どもへの溢れる愛情を感じそのことが子どもたちにも、しっかりと伝わっていることを感じました。夜眠るときにも大切な手紙をそばに置いて安心して眠る子どもたちでした。自分は愛されている、大切な存在であると実感できる日々が子どもたちの心の成長の土台となっていることを改めて感じました。お泊り保育での経験が子どもたちの自信となり、今
後の成長に繋がっていくよう見守っていきたいと思います。