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診療科・部門


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血管造影検査

1 血管撮影とは

 血管撮影とは、血管の中にカテーテルという細い管を入れて、造影剤という薬を流しながら
血管の写真を撮る検査のことをいいます。カテーテルは主に腕(腕頭動脈)、肘(上腕動脈)、
足の付け根(大腿動脈)のいずれかから挿入します。血管撮影ではカテーテルを用いるため、
血管撮影室のことをカテ室と言うこともあります。
 CTやMRIと比べて、より詳細な血管形状がわかるだけでなく、血管の中を造影剤が
どのように流れていくのかが動画でわかることも利点のひとつです。
 近年は撮影を行いながらカテーテルを用いて血管の治療を行うことが可能です。このことを
血管内治療、インターベンショナルラジオロジー(Interventional Radiology:IVR)などといいま
す。当院でも、心臓血管、頭頚部血管(脳血管)、胸部血管、腹部血管、上肢下肢血管領域の
IVRを数多く行っています。

2 当院の血管造影装置と血管撮影室の紹介

①Allura Clarity FD10(Philips社製)

撮影室の様子

10インチの検出器(Flat Panel Detector:FPD)を搭載した
心臓血管専用のシングルプレーンの血管撮影装置です。
こちらの装置は主に心臓血管センター内科の検査、治療で
使用します。
 この装置は従来の装置と比べてより低被ばくで、抹消の
血管まで描出することが可能です。撮影室内、操作室内には
それぞれ大型1面モニタを設置しており、その場の
状況に合わせて自由に画面レイアウトを変更可能です。      
さらに、Xperswing機能、StentBoost機能など、心臓血管に治療に
特化したアプリケーション機能も充実しており、これまで以上に心臓血管の検査、治療の
サポートが可能な装置で検査、治療を受けていただけます。

②Allura Clarity FD20/15(Philips社製)

撮影室の様子

20インチ、15インチの2つの検出器(Flat Panel Detector:FPD)を搭載した、頭頚部血管(脳血管)、心臓血管、胸部血管、腹部血管、上肢下肢血管など全身の血管に使用可能な汎用型のバイプレーンの血管撮影装置です。
この装置は従来の装置に比べて低被ばくであり、さらにバイプレーン装置であるために造影剤の使用量がシングルプレーン装置の半分で済む利点があります。一度に広範囲の血管を写すことが可能で、大血管から抹消血管まで幅広く対応可能です。
装置は従来の骨を引き算することで血管だけを写す撮影(Digital Subtraction Angiography:DSA)の他に、立体的に血管を撮影可能な3DRA撮影(3D Rotation Angiography)、CTのような画像を撮影可能なCBCT撮影(Cone Beam CT)など、多彩な撮影が可能です。
さらに、血流の流れを可視化する撮影(AneurysmFlow)、2次元の血流量を可視化する撮影(2D Perfusion)など、検査や治療に役立つ機能を多数搭載しています。

3DRA 画像の一例

・左内頸動脈(頚部)狭窄症

通常の撮影では血管はそれほど狭窄がないように見えますが、3D撮影を行うことで隠れていた狭窄部分が描出されているのがわかります。

・石灰化を伴う左内頸動脈(頚部)狭窄症

3D撮影を行うことで、血管のどの部分に石灰化があるかが一目でわかります。
骨との位置関係や、石灰化によって隠れている血管狭窄の様子なども描出することが可能です。

・左内頸動脈瘤(頭蓋内)

3D撮影を行うことで、動脈瘤を立体的に観察可能なだけでなく、動脈瘤周囲の細かい血管まで描出されているのがわかります。
動脈瘤の部位, 形状, 周囲の血管との位置関係を知ることは治療を行う上で極めて重要です。

・動静脈奇形

通常の撮影では正常血管と異常血管が重なってしまい、奇形部分への流入血管の判断が困難な場合があります。3DRA撮影を行うことで、奇形部分の詳細な形状はもちろん、立体的に全体像を把握可能で、さらにどこから流入しているかを一目で確認することが可能です。

3D撮影を行うことで奇形血管の詳細な形状が
確認可能です

薄めた造影剤を流した後に濃い造影剤を流す
ことで、動脈を濃く、異常血管や静脈を薄く
描出することが可能です。
全体像を立体的に把握できます。

奇形部分へ流入している血管に色をつける
ことで、どこから流入しているのかを一目で
確認することが可能です。

・左内頸動脈(頚部)狭窄症に対するステント留置術後の3DRA画像

3DRAを撮影することで、ステントという筒がどのように広がったのかを観察できます。
さらに石灰化との関係、ステントストラッド(ステントの網)からプラーク(血管壁の動脈硬化)が突出していないかなどを観察することが可能です。

・左内頸動脈(頚部)狭窄症に対するステント留置術後に再狭窄した状態の3DRA画像

ステント治療を行ったにもかかわらず、再びステントの中の血管が狭窄してしまった場合、3DRAを撮影することで、ステントの形状に加えてステント内のどの場所で どのように再狭窄を起こしているかを観察することが可能です。

・脳動脈瘤に頭蓋内ステントを併用してコイル塞栓術を行った際のCBCT画像


動脈瘤コイル塞栓術の際に使用するステントは、通常のX線透視画像や撮影でははっきりと描出されません。この場合にも、CBCTを撮影することで、ステントの観察が可能になり、ステントが血管壁にしっかりと密着しているか、ストラッドが不用意に動脈瘤内に入り込んでいないかなどを観察することが可能です。

・肺血管(気管支動脈)にできた動脈瘤のCBCT画像

気管支動脈は非常に細い血管のため、通常の撮影では詳細な観察が行いにくい場合があります。特に動脈瘤の場合、形状や大きさ、関係する血管を詳細に把握する必要があります。そのような場合にCBCTを撮影すると、周囲との血管の位置関係をはじめ、形状、大きさがわかりやすく描出されます。

・肝臓のがん(肝細胞癌)を栄養する肝動脈のCBCT画像

肝細胞癌の治療のひとつに、がんを栄養する血管に直接薬剤を流し、そのまま詰めてしまう治療があります(TACE:Transcatheter Arterial ChemoEmbolization)。
TACEの際にCBCTを撮影することで、どの血管を詰めればいいのかが立体的にわかるだけでなく、通常の撮影ではわかりづらい微小な肝細胞癌も描出することが可能です。さらに、AP Shuntと呼ばれる他疾患との鑑別にも有効です。

Aneurysm Flow 画像の一例

・動脈瘤に対して頭蓋内ステント留置前後で撮影したAneurysm Flow画像

解離性動脈瘤に対して、頭蓋内ステント併用でコイル塞栓術を行った症例です。
ステント留置前には血流が動脈瘤内へ入り込み渦上にベクトルが表示されていますが、ステントを留置した後では動脈瘤内へ入り込む血流量が減っていることが確認できます。

・脳動脈瘤コイル塞栓術前後で撮影したAneurysm Flow画像

コイル塞栓術前にAneurysm Flow撮影を行うことで、動脈瘤ネック部分のどの位置から 血流の流入があり、動脈瘤内の、どの壁に最も血流が集まっているのかがわかります。
コイル塞栓術後にAneurysm Flow撮影を行うことで、動脈瘤内へ向かって流入していた血流が、まっすぐな流れに変わったことを確認できます。

・左内頸動脈閉塞のため右内頸動脈から前交通動脈を介して体側への造影が認められる症例に対して撮影した2D Perfusion画像


脳血管、頚部血管に狭窄病変、閉塞病変があった場合、脳内の血流がどの程度落ちているのかを調べるには、核医学検査(脳血流シンチグラフィ), CT Perfusionなど別途検査が必要です。血管造影で行う2D Perfusion 機能がそれらの代わりになり得るのかはっきりとしたことはわかっていませんが、例えば画像に示した閉塞病変に対して2D Perfusion撮影を行い、左右の数値を比較してみたところ、血流量を表す数値に左右差が認められる(左側が右側に比べて低下している)ことがグラフからわかります。

3 血管造影における診療放射線技師の役割

血管撮影室での診療放射線技師の役割は、装置の安全管理、放射線被ばく管理、撮影画像の
管理、撮影をはじめとする患者様への説明の他に、血管計測や血管解析など、検査や治療に必要な画像情報の提供全般を担っています。
さらに、3DRA撮影やCBCT撮影を行う場合、最適な造影剤濃度や撮影タイミング、撮影角度を医師とディスカッションし、撮影後の画像処理はすべて我々診療放射線技師が行っています。
そのため、過去の検査履歴から検査や治療に必要な情報は何なのかを先読みする力が必要なことはもちろん、我々の撮影方法や画像処理が検査結果や治療方針に直結するため、責任は極めて重要であると考えています。
血管撮影だけでなく、レントゲンやCT, MRIの知識を持ち合わせたうえで最適な撮影を行い、診断や治療に直結する画像情報の提供(画像支援)を行うことが我々診療放射線技師の重要な役割であると考えています。

4 当院の装置稼働件数

当院では心臓血管領域、脳血管領域においてはホットラインを導入しており、24時間、検査および治療が可能な体制をとっています。下記は主な件数の一覧です。

5 検査、治療を受けられる患者様へ

(1)担当するスタッフ(職種)
医師、看護師、臨床工学技士、診療放射線技師で
担当いたします。

(2)検査、治療の流れ
①入室
・患者様ご本人確認のために氏名、生年月日を
口頭で言っていただきます。さらに、ネームバンドの
確認もいたします。

②寝台に仰向けに寝たら、心電図の電極や血圧計、血中の酸素飽和度を
測定するクリップを装着・貼付していきます。

③カテーテルを挿入する部位が手首、肘の場合、固定を行います。
脳血管造影の場合、頭が動かないように、おでこ, 顎も固定します。

④カテーテル挿入部位を消毒し、全身に清潔な布をかけます。
体の上に清潔な布をかけますが、お顔は見えます。ただし、透析シャントの治療、
心臓ペースメーカー植え込みを行う場合、お顔の上に清潔な布をかけることがあります。

⑤検査、治療
・検査、治療中は基本的には体は動かせませんので、困ったことがあれば声に出して
教えてください。
・造影剤を使用するため、過去に造影剤でアレルギーを起こしたことがある方や、
喘息、糖尿病、腎臓病などある方は事前にご相談ください。
・撮影の際に、必要に応じて息止めのご協力をお願いすることがあります。
(主に頸動脈、胸部血管、腹部血管の検査、治療時)
・時間の目安ですが、検査の場合は約1時間、治療の場合は1~3時間程度が目安です。
ただし、検査や治療内容により大幅に異なりますので詳細は担当する医師にご確認
ください。

⑥検査、治療終了後、担当医より結果についての説明があります。

⑦退室
・検査、治療後は安静が必要な場合があります。
詳細は担当する医師に確認してください。


その他、不安な点や不明な点がある場合は、些細なことでも構いませんので事前にご相談ください。

6 院外活動報告(2017年7月現在)

当院では血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師を含む複数の診療放射線技師で検査、治療を担当しています。
日々進歩していく医療技術に遅れをとることのないよう、また患者様へ技術を還元することができるように、スタッフ一同、院内外を問わず研究会や学会へ積極的に参加しています。

さらに万一の際に迅速な対応を行えるよう、日本循環器学会が開催するBLS ヘルスプロバイダー講習会(一次救命 BLS:Basic Life Support)、日本救急医学会が開催するICLS:Immediate Cardiac Life Supportなどにも参加しています。ご不明な点などありましたら、些細なことでも構いませんのでお気軽にお声かけください。

詳細につきましては「放射線課検査実績・取得専門資格」 「学術実績」をご覧ください。

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