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肝胆膵外科・外傷救急外科


肝胆膵領域、救急外科、外傷外科領域のあらゆる疾患・外傷に対応できる体制を整え、地域医療に貢献します。


肝胆膵外科部長:山本 博崇
外傷救急外科部長:伊良部 真一郎

肝胆膵外科では、主に肝臓、胆道(胆嚢と胆管)、膵臓、十二指腸、脾臓の良性および悪性疾患に対する治療を担当しています。肝胆膵領域の疾患は診断や治療が難しいことも多く、肝胆膵外科だけでは診療を完遂することはできません。消化器内科やコメディカルと密に連携し、開腹手術・腹腔鏡手術・抗がん剤治療・放射線治療といったさまざまな選択肢を備え、個々の患者さんに合った治療を提供できるよう、心がけています。
また地域の幅広いニーズに対応すべく、救急・外傷診療にも力を入れています。交通事故や腹膜炎などの重篤な患者さんを一人でも多く救命するために、救急科や看護部とともにチームとして診療に当たっています。そういった取り組みを通じて、この地域の救急外傷診療に少しでも貢献できればと考えています。

特色ある診療

チーム医療に基づいた、がんに対する集学的治療

集学的治療とは、手術や抗がん剤治療、放射線治療など、様々な選択肢を組み合わせて行う治療を指します。当院では、肝胆膵領域のがんが疑われて紹介になった患者さんはまず、消化器内科で精密検査を受けていただきます。その検査結果を基に、消化器内科、肝胆膵外科、病理医、放射線科医と適宜協議を行い、個々の患者さんに合った治療の組み合わせを検討・実施します。
膵がん 胆管がん 胆嚢がん 肝がん(原発性) 肝がん(転移性)

低侵襲手術

肝胆膵領域の手術は腹部手術の中でも侵襲が大きな手術です。当科では適応となる症例に関しては積極的に腹腔鏡手術を取り入れ、患者さんの負担軽減に努めています。2022年度は肝部分切除の約8割、膵体尾部切除の約9割を腹腔鏡下に実施し、術中トラブルなどによる開腹移行症例はありませんでした。

Acute Care Surgery

Acute Care Surgeryとは、外傷外科・救急外科・外科的集中治療を包括した診療領域を指し、近年全国でも注目されています。肝胆膵外科のスタッフは2名とも一般社団法人日本Acute Care Surgery学会認定外科医の資格を有しています。
救急外科に関しては、虫垂炎や胆嚢炎などに加え、上腸間膜動脈(SMA)血栓症や 非閉塞性腸管虚血(NOMI)など、これまで救命が困難であった疾患に対して迅速かつ適切な治療を提供し、救命率の向上に努めています。
外傷に関しては2020年3月からトラウマコードの運用を開始しました。トラウマコードとは、重症外傷患者への迅速な対応を目的とした診療システムです。救急隊からの要請で重症外傷患者が当院へ搬送されることが決定すると、関連診療科や部門に一斉コールが流れ、患者搬入の段階で直ちに輸血や手術を含めた治療介入が開始できる体制を整えます。こうした体制を確立することにより、重症外傷患者の救命率向上を図っています。

主な対象疾患

肝臓 肝がん(肝細胞がん、肝内胆管がん、転移性肝がん)
肝良性疾患(肝内結石、良性腫瘍、巨大肝嚢胞など)
胆管胆嚢 胆管がん(肝門部領域胆管がん、遠位胆管がん)、胆嚢癌、乳頭部癌
胆道良性疾患(胆石、胆嚢炎、胆嚢腺筋腫症、胆嚢ポリープ)
膵臓 膵臓がん、膵低悪性度腫瘍(神経内分泌腫瘍、IPMN、MCNなど)
膵良性腫瘍、膵炎
脾臓 脾腫瘍、脾腫、脾機能亢進症
小腸 十二指腸がん、十二指腸神経内分泌腫瘍、小腸腫瘍
外傷 重症多発外傷
その他 救急疾患(SMA血栓症、NOMI、絞扼性イレウス、虫垂炎等)、一般外科症例
一般外科以外は消化器内科を先に受診していただくことを原則としていますが、消化器内科外来の予約がタイムリーに取れない場合、当科に直接ご紹介ください。消化器内科と連携し、検査/治療を進めていきます。

膵がん

最近は抗がん剤の進歩により、膵がんの治療は大幅に変化しています。最近の研究では手術で切除可能な膵がんであっても、手術前の抗がん剤治療が推奨されています。
当院でも精密検査で膵がんと診断されたら、消化器内科と肝胆膵外科で協議し、がんの進行度に応じて術前抗がん剤治療の内容、期間、ならびに抗がん剤治療終了後の手術のタイミングを決定します。消化器内科と密に連携し、診断から手術まで遅滞なく診療を進めるよう、心がけています。

膵頭十二指腸切除術:膵臓の右側にできたがんを取り除きます。

図1

図2

膵体尾部脾臓合併切除術:膵臓の左側にできたがんを取り除きます。

図3

図4

一方、膵がんが発見された時には、残念ながらすでにかなり進行していることもあります。特に、がんが膵臓の近くの主要な血管に広がっている場合や、他の臓器に転移が見つかった場合は、「切除不能」に分類され、全身化学療法(抗がん剤)や放射線療法の方がお勧めされます。しかしながら、最近では抗がん剤の進歩により、がんの縮小が期待できるようになってきています。初めは手術適応ではない進行した状態で見つかった膵がんでも、抗がん剤や放射線治療の効果によって小さくなって、手術によって摘出できるようになる場合もあります。
胆管がん(肝門部領域胆管がん、遠位胆管がん)

胆管とは、肝臓で作られた「胆汁」と呼ばれる消化液を十二指腸に流す管を指します。肝臓の中に細い胆管が木の枝のように張り巡らされており、それらが互いに合流し太い胆管になって十二指腸につながります。ちょうど木の枝がつながって、1本の太い幹になるイメージです。

図5

胆管がんの治療は手術が基本となりますが、その発生部位や広がりによって、手術の内容が異なります。胆管の周りには血管や肝臓、膵臓、十二指腸といった臓器が密集しているため、術前検査でがんの進展をしっかりと把握し、手術内容を決定することが重要です。消化器内科と肝胆膵外科で十分な検討を行い、安全かつ確実な手術を行うよう、心がけています。

遠位胆管がん…膵頭十二指腸切除術

図6

図7

肝門部領域胆管がん…肝切除+肝外胆管切除

図8

原発性肝がん

肝臓から発生したがんは原発性肝がんと呼ばれ、大腸など他の臓器がんが転移したもの(転移性肝がん)と区別されます。原発性肝がんは主に以下の2つに分けられます。
  • 肝細胞がん…肝細胞から発生したもの。
  • 肝内胆管がん…肝臓の中の胆管から発生したもの
肝細胞がんの治療法は、肝臓の予備能と腫瘍の状況(大きさと個数)の双方を踏まえ、一般社団法人日本肝臓学会の「肝癌診療ガイドライン」(図9)に準じて行います。手術以外にも腫瘍を穿刺して焼灼する方法や、カテーテルで塞栓術を行う方法、薬物治療(分子標的薬)などがあり、消化器内科医や放射線科医と連携し、個々の患者様に合った治療法を選択します。

図9

肝内胆管がんも同様に、肝臓の予備能と腫瘍の個数、遠隔転移やリンパ節転移の有無によって治療方法を決定します。肝内胆管がんはカテーテル治療や移植の適応にはならず、その点が肝細胞がんと異なります。

図10

Webマガジン

Webマガジン「白いまど」 2022年3月号「がんに克つ!24 膵臓がん」

学会認定

  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 消化器がん外科治療認定医
  • 日本救急医学会専門医
  • 日本Acute Care Surgery学会認定外科医
  • 日本腹部救急医学会認定医
  • 日本外傷学会外傷専門医
  • 日本肝臓学会認定肝臓専門医

医師紹介/実績紹介

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