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腎盂・尿管がんのロボット支援手術


ロボット支援腎尿管全摘除術
腎盂・尿管がんは、尿の通り道である腎盂や尿管に発生するがんです。腎盂は腎臓で作られた尿が集まる部分で、尿管は腎臓から膀胱へ尿を運ぶ管です。腎盂・尿管がんは、膀胱がんと同じく尿路上皮から発生するがんであり、尿路上皮がんに分類されます。
腎盂・尿管がんでは、がんのある腎臓、尿管全体、尿管が膀胱につながる部分を含めて切除する「腎尿管全摘除術」が標準的な手術となります。
当院では、腎盂・尿管がんに対してロボット支援腎尿管全摘除術を行っています。


手術の方法

腎盂・尿管がんに対するロボット支援手術では、腹部に数か所の小さな創を置き、カメラや鉗子を挿入して手術を行います。お腹の中を炭酸ガスで膨らませ、拡大された3D画像を確認しながら、ロボットアームを用いて細かな剥離、切除、縫合操作を行います。
ロボット支援腎尿管全摘除術では、まず腎臓の周囲を剥離し、腎臓につながる血管を処理します。その後、尿管を膀胱近くまでたどり、尿管が膀胱につながる部分を膀胱の一部とともに切除します。切除した部分はロボット操作で縫合し、膀胱を閉鎖します。
腫瘍の部位や進行度によっては、周囲のリンパ節をあわせて切除する場合があります。当院では、がんの根治性と手術の安全性に配慮しながら、患者さん一人ひとりに適した手術方法を検討しています。

入院から退院までの流れ

ロボット支援腎尿管全摘除術では、通常、手術前日に入院していただきます。手術後は、状態を確認しながら翌日から歩行、飲水、食事を再開します。
この手術では、尿管が膀胱につながる部分を含めて膀胱の一部を切除し、膀胱を縫合します。そのため、尿道カテーテルは術後6日目頃に抜きます。傷付近の管(ドレーン)は排液の状態を確認しながら抜き、術後7日目頃の退院を目指します。

※1 硬膜外チューブ
手術中の痛みを軽減するために麻酔時に使用し、手術後も麻酔薬を持続的に投与するために用いられる管
※2 尿道カテーテル
体の外に尿を排出させるために尿道から膀胱まで挿入する管
※3 ドレーン
体内に溜まった水分や血液・リンパ液などを体外に排出するために用いられる管

ロボット支援手術による腎盂・尿管がんの治療成績

当院では、2023年からロボット支援腎尿管全摘除術を導入し、2025年までに23例を施行しています。近年は年間7〜8例程度の手術を行っており、腎盂がん、尿管がんのいずれに対しても、手術適応となる症例では原則ロボット支援手術で行っています。
腫瘍の悪性度や進行度、腎機能、全身状態などを総合的に評価し、必要に応じて、手術前に薬物療法を行うことがあります。
以下に、当院におけるロボット支援腎尿管全摘除術の治療成績を示します。

治療成績 詳細

①患者さんおよび腫瘍データ

  • 年齢:中央値 71歳(47-85歳)
  • 患側:右 7例、左 15例
  • リンパ節郭清を行った症例:4例
  • 術前化学療法を行った症例:1例

②手術データ

  • アプローチ:経腹膜アプローチ 23例
  • 手術時間:中央値 210分(142-285分)
  • コンソール時間:中央値 141分(79-221分)
  • 出血量:中央値 20mL(3-300mL)
  • 輸血を要した症例:0例
  • 術中合併症:0例

③術後データ・病理結果

  • 病理病期:pTa 7例、pTis 2例、pT1 3例、pT3 9例、pT0 2例
  • 切除断端:全例で断端陰性
  • リンパ節転移:1例

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