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12月 がんに克つ!20 乳がん/乳腺科



【特集】がんに克つ!20 乳がん

どれくらいの人が乳がんになるの?

日本では乳がんにかかる人は増え続けており、生涯で乳がんになる確率は11%で、9人に1人の女性がかかるといわれています。乳がんになりやすい年齢をみると40代後半と60代前半にピークがあります。
乳がんになる人は多いものの、死亡率は第5位であり比較的予後が良好ながんです。早期に見つかれば、治癒する可能性が高いため、早期発見・早期治療が大切です。

乳がん罹患分布グラフ

ブレスト・アウェアネスを心掛けましょう

ブレスト・アウェアネスイメージイラスト

日頃から自分の乳房の状態に関心を持ち、乳房を意識して生活することを「ブレスト・アウェアネス」と呼び、乳がんの早期発見・診断・治療につながるため、女性にとって非常に重要な生活習慣です。これを身につけるために、以下の4つの項目を実践しましょう。

乳がんと診断されたら適切な治療(標準治療)を受けましょう

サイズが2cm以下でリンパ節転移のない乳がんは、95%以上が根治可能です。2cmは1円玉の直径で自分で
もわかる大きさです。乳腺科外来では、初診時に視触診・乳房超音波検査・マンモグラフィを行います。良悪性の鑑別が必要なときは針生検を行います。
乳がんと診断されたらMRIやCT検査を行い、治療方法を選択します。治療は手術・放射線などの局所療法と、転移・再発を予防する薬物療法(全身療法)を組み合わせます。部分切除は乳房に放射線を照射し、乳房切除(全摘)と同じ効果を確保します。乳房切除は乳房再建を追加して行う方法もあります。
転移・再発予防の薬物療法にはホルモン療法、化学療法、抗体療法などがあり、がんの性格(生物学的特性)に合わせて効果的な薬剤を提案します。また抗がん剤治療による脱毛などの外見の変化に伴う本人のストレスを軽減するため多職種でサポートし、妊娠・出産を望む女性が化学療法(抗がん剤治療)を受けるときには、不妊対策(妊孕性温存)の専門チームがサポートします。

文責:乳腺科 主任医長 森 菜採子

【診療科・センター紹介】乳腺科

確かな治療で変わらぬ日常生活を

乳腺科メンバー写真

当科は乳がんを含め乳腺に起こるさまざまな疾患に対応します。乳がん治療の一つである手術に関しては、年間約250例を行っています。おひとりおひとりに最適の手術をご提案し、乳房全切除が必要な方には希望により同時乳房再建も行います。
当院は2020年4月から総合診療基幹施設に認定され、遺伝性乳がん卵巣がん症候群の遺伝子検査は一定の条件のもと保険適用となりました。さらに、遺伝子変異陽性の方は、がんができる前に乳房や卵巣を切除する“予防切除”も保険適用となり、健康保険が使えるようになりました。
科学的根拠のあるガイドラインに沿った治療を乳がんのタイプ・進行度に合わせてご提案し、治療することで、社会生活に支障をきたさないように多職種による多方面からのサポートを心がけています。
一人で抱えずなんでも相談してください。

文責:乳腺科 主任医長 森 菜採子(写真中央)

2020年12月号(冊子)

2020年12月号「白いまど」表紙画像

  • 表紙・特集
  •  がんに克つ!20 乳がん
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
  •  乳腺科
  • 診療を支えるスペシャリスト
  •  マンモグラフィ認定技師

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