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6月 がんに克つ!18 腎細胞がん/泌尿器科/がん化学療法看護認定看護師



【特集】がんに克つ!18 腎細胞がん

腎細胞がんってなに?

腎細胞がん(以下腎がん)は腎実質(血液をろ過し、尿を作るところ)の細胞が、がん化して悪性腫瘍になったものです。腎がんにかかる割合は10万人に約10人で、がん全体の約1%を占め、男性がやや多い傾向にあります。腎がんの発生する要因としては喫煙と肥満があります。また関連する疾患として、遺伝子が原因で発症するフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病や後天性嚢胞腎が知られています。

どのようにして発見(診断)するの?

腎細胞がん(以下腎がん)は腎実質(血液をろ過し、尿を作るところ)の細胞が、がん化して悪性腫瘍になったものです。腎がんにかかる割合は10万人に約10人で、がん全体の約1%を占め、男性がやや多い傾向にあります。腎がんの発生する要因としては喫煙と肥満があります。また関連する疾患として、遺伝子が原因で発症するフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病や後天性嚢胞腎が知られています。

どんな治療をするの?

薬物療法イメージイラスト

治療方法は、がんの進行の程度(ステージ)や体の状態などで決定します。標準治療は手術による切除で、その多くは腹腔鏡手術を行います。大きな腫瘍の場合は腎臓を摘出しますが、小さな腫瘍の場合は腎機能を温存する目的で、部分的に取り除く腎部分切除術が推奨されます。しかし、精密検査で転移が発見されたり、肺・脳・骨に転移したがんが先に見つかり、結果として腎がんが見つかることもあります。このように転移のある進行がんには薬物療法を行います。

薬物療法ってなに?

薬物療法の原理解説イラスト

現在の薬物療法の主流は分子標的治療やがん免疫療法が標準治療となっています。分子標的治療は腫瘍への血管を遮断することで腫瘍を小さくする治療法 [図1]で、がん免疫療法は免疫細胞を活性化させる物質を投与することで自分の免疫サイクルを活発にしてがん細胞を攻撃する治療法[図2]です。現在は1つの薬剤で治療を行うよりも2つの薬剤を併用した治療法が推奨されています。皮膚・消化管・呼吸器・内分泌系など全身のあらゆる臓器に副作用が出現するので注意が必要です。担当医から十分に説明を受けてから治療を開始しましょう。
文責:泌尿器科 部長 米田 達明

【診療科・センター紹介】泌尿器科

進行性腎細胞がんに対する薬物療法

泌尿器科メンバー写真

当科は尿路・性器の悪性腫瘍に対して積極的に手術、放射線療法、薬物療法を行っています。2016年10月に導入したロボット支援手術「ダビンチ」を用い、前立腺がんに対して現在までに150名以上に手術を行ってきました。がん制御・尿失禁・性機能の3つの要素で治療成績は良好で、手術件数は年々増加しています。
また薬物療法では数年前から進行性の腎がんや尿路上皮がん(腎盂尿管がんや膀胱がん)に対するがん免疫
療法を行っています。2つの薬剤を用いた複合治療により治療効果が高まった反面、副作用の頻度も増していますので、注意しながら最大の治療効果を引き出すよう日々診療にあたっています。転移があって根治が難しい
場合でも、がん免疫療法や化学療法などライフスタイルにあった最適な治療を提供していきます。
文責:泌尿器科 部長 米田 達明

【診療を支えるスペシャリスト】がん化学療法看護認定看護師

がん化学療法看護認定看護師写真

腎細胞がんなど、がんの免疫療法で使用する薬剤(免疫チェックポイント阻害薬)は、治療効果が認められる一方で副作用があります。湿疹など軽度のものから、1型糖尿病や重症筋無力症など頻度は少ないですが重症化するものもあり、早期発見が必要となります。そのためには患者さん自身が副作用の症状を観察し、私たち医療スタッフに伝えていただくことが重要です。当院では医師以外に薬剤師も副作用の説明をし、副作用カードをお渡ししています。

文責:看護部 柴﨑 幾代(写真)、奥田 希世子

病室写真

がん化学療法看護認定看護師は化学療法室で、患者さんに問診票の記入をお願いしたり、副作用の観察や日常生活の指導をしています。副作用などでお困りの場合はご相談ください。患者さんが安心して治療を受けられるように、チーム一丸となってサポートいたします。

2020年6月号(冊子)

2020年6月号「白いまど」表紙画像

  • 表紙・特集
    がんに克つ!18 腎細胞がん
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
    泌尿器科
  • 診療を支えるスペシャリスト
    がん化学療法看護認定看護師

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