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サステナビリティ

第5次隊


聖隷福祉事業団ではNPO法人静岡県ボランティア協会を通じ、2016年6月29日~7月2日の4日間で、「熊本地震災害ボランティア」第5次隊としていなさ愛光園より1名、森町愛光園より1名の職員2名を派遣いたしました。被災地での活動を終えた職員が、被災地の現在の状況や活動内容を報告いたします。

派遣概要

■派遣職員
(左) いなさ愛光園 下尾貴史(介護福祉士)
(右) 森町愛光園 森下裕己(介護福祉士)

■派遣期間
2016年6月29日~7月2日

熊本震災 被災地の様子

皆様ご存じの通り、熊本地震は2016年4月14日21時26分と4月16日1時25分に最大震度7の地震が発生し、その後も震度6の地震が発生しました。今回活動をした嘉島町では4月14日21時26分には震度6弱、4月16日1時25分には震度6強と発生し、2回目の地震で被害が大きくなったと町民の皆様は言われていました。
嘉島町での住家被害は全壊272棟、大規模半壊63棟、半壊269棟、一部損壊1,848棟、仮設住宅が徐々に建設されてきている状況でした。

避難所での活動

足湯やお茶の提供をしながら、被災者の方からお話を聞いたりしました。時間が日中だったこともあり、高齢者の方が多く、テレビを観て過ごされていました。
活動を行った嘉島町町民体育館ではお湯が出ないため、外で大型のガスボンベとコンロを使い、大きな鍋にお湯を沸かし、気持ちがいいと思える湯温で提供しました。足湯をしながら手足を揉み、日ごろ感じていることを聞くと、避難所にいても自宅の心配をされている方が多く、「何とかして自宅で生活を送りたい」という気持ちが伝わってきました。
人それぞれ抱いている思いや考え方は違いましたが、足手湯やお茶サロンの空間を楽しみにされている様子でした。「気持ちよかった」「また明日もやってね」と笑顔で声を掛けてくださる方が多く、必要な活動であると感じました。

足手湯に使用するお湯を沸かしています

足手湯の様子

仮設住宅の見学

嘉島町では仮説住宅の建設が進められており、7月2日現在で、3か所の仮設住宅が完成していました。避難所からも徐々に仮設住宅へ移住されている方々が増えていると聞きました。仮設住宅には、1DK、2DK、3Kと間取りの種類があり、世帯の人数によって決まります。住宅の中には、ユニットバスやエアコンも完備されており、体育館での仕切りのみの生活に比べ、プライバシーは確保されており、衛生面等の環境も整っているように感じました。

被災地の様子

嘉島町の避難所までの道のりの中で、瓦が落ちブロック壁が損壊した家屋が多くありました。益城町の現地調査へ行ったときに見かけた家は、道路を挟んで両側の家の被害が大きく、また道路もデコボコになっていました。

被害が大きい自宅にはこのような張り紙がされていました。倒壊の恐れがあるため、家に入ることができません。

支援活動を終えて

下尾貴史

今回初めて災害ボランティアに参加しました。自分自身がどのようなことができるのかを考え、「寄り添って心を落ち着ける場を提供できるように支援しよう」と思い、被災地へ行きました。

足手湯や仮設住宅の調査、また、体操をしているときに町民の方と話をしました。心の底にある気持ちを理解して会話ができていたかはわかりませんが、少しでも心が落ち着ける時間ができたかな、と思います。

益城町と西原町での現地調査では住宅の被害がとても大きく、テレビで災害の様子は見ていましたが、実際に見ると被害の大きさに言葉が出ませんでした。ビニールシートで屋根を被せている家も多く、ブロック壁は崩れ、車が下敷きになっている家もありました。電柱は斜めになり、道路も亀裂が入りマンホールはもり上がっている箇所がいくつもありました。あいにく天候も悪く、瓦礫撤去作業等はできませんでした。担当者の話によると、天候が悪い日が続いており、2週間ぐらい作業ができていない状態だそうです。早く自宅での生活を送れるよう支援していくことが今後も必要になってくると思いました。

今回のボランティアでは、避難所での活動や現地調査、今後支援するボランティアの活動の方向性を考えることができました。熊本県では余震が続いていますが、いつ震度6クラスの地震が東海地方で発生するかわかりません。そのためにも、備えは常にしておく必要があります。

どのようなときでも冷静に判断し、そのときに何ができるのか判断し行動できる職員でありたいと強く思いました。今回関わっていただいた方に感謝し、これからもボランティアに参加していきたいと思います。

森下裕己

5次隊として熊本地震災害ボランティアに参加させていただきました。被災地の状況は、家屋の修復が手付かずの状態でいる家が多く、体育館等の避難所での生活を余儀なくされている避難者の方々が未だ多く生活している現状でした。震災から3ヶ月近く経ちましたが、復興には時間が掛かると感じました。

今回、主に行った活動は、避難所で生活している方々に対し、温かいお茶の提供、足湯サービスの提供です。足湯サービスを提供している際、手のマッサージをしながら、被災者の方々の話を聞くことができました。やはり、自宅の様子が気になっている方が多く、「早く家に帰りたい」と言葉を漏らす方もいました。人それぞれ考え方や感じ方は違いますが、現状で最も必要とされているのは、家屋の修復や瓦礫の撤去作業等のハード面に対する支援かもしれません。

数日間の活動の中で、被災者の方々と触れ合うことで、少し見えてきたこともありました。被災者の方々は、毎回、お茶や足湯、私達と会話をすることをすごく楽しみにされていました。避難所に訪れる度に「待ってたよ」と笑顔で出迎えていただき、サービスを提供した後には、「ありがとう」と笑顔で言葉を掛けていただけました。私たちが提供するサービスが被災者の方々への癒しの時間になっていたのかもしれません。前述したようにハード面に対する支援を必要としている一方で、被災者の方々の心の拠り所になるようなソフト面の支援も必要なアプローチだと感じました。

月日が経つごとに、メディアで震災に関する情報を取り上げられることが少なくなっているのが現状です。人々の記憶の中から忘れられることが最も怖いことだと思います。他人事だと考えず、明日は我が身であると考え、震災に対して少しでも考えることが大切だと思いました。熊本県は離れた地域で簡単に足を運ぶことができませんが、今後も復興に向けて、私のできることで協力していきたいと思います。
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