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ホーム  > 園長コラム  > 「子育てはコスパが悪い?」

「子育てはコスパが悪い?」

朝日新聞の土曜日版『be on Saturday』に「悩みのるつぼ」という欄があります。毎週色々な悩みの相談に社会学者の上野千鶴子(以下敬称略)や経済学者の金子勝、評論家の岡田斗司夫、歌手、俳優の丸山明宏などが回答している記事で、悩みの内容も多様で、その回答内容も回答者の個性が感じられるもので、「なるほどね」「そう考えればいいのか」など興味深く教えられることも多く、毎週楽しみに読んでいる記事の一つです。
10月21日の内容は「子育てはコスパが悪い?」というものでした。読んだ方もおられるのではないかと思いますが、30代男性からの『共働きで、3歳と0歳の双子を育て、毎日仕事に子育てにと夫婦で頑張っているが、夫婦喧嘩も多くなり「子どもがいてよかったことって何だろう」と考えたり、「子どもがいてよかった」と心から感じたことがない。また、頑張って育てても、将来こどもがいじめにあったり、罪を犯したり、引きこもりになったりしたら幸せな人生を歩めないことも・・と考えると子育てはコスパが悪いのではないか』というものでした。そして『心がくじけそうになった時「これがあるから子育てはやりがいがあるよ」というものを教えてほしい』という内容のものでした。
回答者は評論家の岡田斗司夫氏で、回答の内容はズバリ「手を抜けるところは抜きましょう」でした。
私は子育てに関係している仕事柄かこの回答には今回,、考えることも多く素直にうなずくことができませんでした。
まず、質問の「子育てはコスパが悪い?」というのも「子育てをコスパ(費用対効果)と考えるのか?」ということです。 
確かに、この時期の子育ては大変です。が、家庭に子どもがいることで子育てをしていない家庭にはない喜びを味わっているはずです。まずそれがあるから「がんばろう!」となるのです。しかし今は、それよりも日々の生活そのものが精一杯で、子どもがいる喜びを味わう余裕のない状態になっているから「子育ても社会の価値判断であるコスパでしか考えられなくなっている」ような気がします。
 コストパフォーマンス(費用対効果)とは、支払った、費やした費用(金銭・時間・労力・精神的負担)に対しての結果、性能、得られるもの等のことをいいます。
 結果を求めて、何かを得るために子育てをしているのでしょうか?
毎日が精一杯の中での子育てでは、回答者の岡田氏は「現状は大変だけれども他人から見たら贅沢で充実している人生」であるからこれを楽しめるように「子どもはガンガン託児所やシッターに預け、二人の時間を作り、子どものいない仲良し夫婦」と「子育てに追われる大家族」を味わう、これぞ妥協のないコスパ追及だとしています。
「子育てはコスパが悪いか?」の回答であるからこのような回答をされたとは思いますが、そもそも子育てをコスパから考えて良いものか、どうか。私はまずそこで????なのです。ですからこの回答については、いつものように「なるほど」「そう考えればいいのか」とはなかなかいきませんでした。かといって私ならどのように回答とするか、考えても答えは出てこないのです。皆さまだったらどのように回答されますか?