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人との関りの中で育つ

園長  冨永 裕美
暦の上では「立春」が近づいてきました。少しずつ春の訪れを感じていく季節ですが、先日は雪がふるような寒い日もあり、まだしばらくは厳しい寒さが続きそうですね。様々な感染症が流行しやすい時でもあります。また、新型コロナウイルス感染症の扱いが今後変わっていくことになりそうですが、感染のリスクはいまだ変わりません。保護者の皆様にも心配な日々が続くことと思いますが、今後もお子さんそして保護者の皆様ご自身の体調管理に十分留意してお過ごしください。園では園としてできる感染対策を今後も続けていきたいと思っています。引き続き毎日の検温等ご協力をお願いいたします。
さて、朝の挨拶をしようと各クラスを回っていると、様々な子どもたちの姿に出会います。最近幼児クラスに行くと「私のペアのお兄さんまだ来ないかな」「ぼくのペアのお姉さんのマラソン応援するんだよ」と話しかけてくれる子どもたちがいました。話を聴いていていると周囲の子どもたちも「ぼくも、私も」とペアのお友達のことを次々と得意げに報告してくれました。日頃は各クラスごとの活動が主ではありますが、年間を通して異年齢での活動も計画し行っています。くじら・いるか・ぺんぎん組の子どもたちでペアが組まれているので、ペアの友達により親しみを持っているようです。お互いに関心を寄せているようで、私にも教えてくれたのだと思います。1月に行っていた交流では戸外遊びやお正月遊びをペアの子どもを中心とした異年齢のグループで楽しんでいました。年長クラスの子どもたちの姿はいるか組やぺんぎん組の子どもたちにとっては憧れの的で、コマを回したり、けん玉を披露してくれる様子を食い入るように見て真似しようと挑戦する子どもたちもいます。また大きい子は小さい子を優しくリードしていたり、手伝ったりと張り切っている姿もたくさん見られます。こうした交流を続けていく中で、日常的にも関りが広がっていることを感じます。こども園めぐみは定員216名ととても大きな集団ではありますが、ふとした場面で年齢を超えた子どもたち同士の出会いが繰り広げられています。送迎時間帯がよく一緒になる子どもたち、兄弟関係を通して知っている子どもたち、偶然園庭で顔を合わせた子どもたちなどいつの間にか大きい子は小さい子の名前を覚え、親しみを込めて呼んでいます。小さいクラスの子どもたちから「にいに、ねえね」と呼ばれ大きいクラスの子どもたちも笑顔が膨らみます。階段から降りてきた子どもたちの手をとって一緒に玄関まで連れて行ってあげたり、靴を履く様子を見ながらそっと手伝ってあげていることもあります。このような年齢を超えた関りの一つひとつが、相手を思いやったり、相手の気持ちに寄り添ったりする子どもの心の育ちにつながっているのだと思います。一方で同年齢の子どもたちの中でのけんかや、けんかにはならないけれど思いのすれ違いなども子どもたちは日々経験しています。自分の思いと相手の思いは違うこともある、違ってもいい、けれどどうすればお互いに心地よくいられるかも経験していく中で学んでいます。また、園では子ども同士だけではなく保育者と子どもとの関り、コロナ禍の中で制限がありますが和合せいれいの里のスタッフ・利用者の方との関り、実習・ボランティアで園を訪れる学生との関わり等、家庭ではご家族の皆さんとの関りこうした様々な人との関りの中で育つ子どもたちです。人は他者との関係を通して自分の存在を実感していきます。人との交わりに喜びを感じる力を子どもたちに育んでいきたいものです。
早いもので今年度も残すところ、2ヶ月となりました。年度末に向け、どのクラスでも子どもたち一人ひとりの成長発達をしっかりと押さえ、次のクラスへとつないでいけるよう、園生活の充実を図っていきたいと思っています。そして保護者の皆さんと一緒に私たち保育者も、子どもたちの成長、特に目には見えないような心の成長をも喜び合っていきたいと思います。