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ホーム  > 園長コラム  > 子どものありのままの表現を受け止める

子どものありのままの表現を受け止める

園長  冨永 裕美
7月に入り気温もずいぶんとあがってきました。梅雨明けはもう少し先になると思いますが、季節の変わり目、また疲れもたまりやすい時期でもありますので体調を崩さないように生活リズムを整え、健康に過ごしていくことができるように注意しましょう。園でも水分補給、適切な室温管理、あわせて換気等に十分注意し熱中症予防、感染症予防に努めていきたいと思います。先日は、子どもたちが楽しみにしていたプール開きも無事に行う事が出来、プールからは子どもたちの歓声が聴こえてきます。各クラス交替でプールでの活動を行なう予定ですが、プール以外でも夏ならではの遊びを十分に楽しんでいきたいと思います。安全に十分配慮して、子どもの成長にとって有意義な活動となるようにしていきたいと思っています。毎日の体調管理、水遊びの準備等よろしくお願いいたします。
先月行われた「花の日」では、沢山の美しい花を囲んで礼拝を守ることができました。花の持ち寄りにご協力いただきありがとうございました。キリスト教の行事として行っている「花の日」は「こどもの日」ともよばれています。花には大きく華やかに咲く花もあれば、道端にそっと咲いているような小さな花もあります。色や形、香りなどもみんな違っていますが、どれも美しく人々を癒してくれます。花と同じように私たち人間も一人ひとり、みんな違っています。花の日の行事を通して、子どもたち一人ひとりかけがえのない存在であること、そしてどんな時も神様が私たち一人ひとりを愛してくださっている事を伝えていきました。礼拝後幼児クラスの子どもたちは、和合愛光園事務所、和合サテライト、チャレンジ工房、かるみあ和合、エームサービスにお花と子どもたちの手作りカードを届けてきました。施設の中までの訪問はまだできませんが、直接届けに行くことができることに感謝です。訪問を喜んでいただき子どもたちもうれしそうでした。園内でもクラス間で花を届けあいました。園内もあちらこちらきれいな花が飾られて、いい香りに包まれ神さまのめぐみを感じながら過ごすひと時でした。With・Afterコロナの時代になっていく中で、少しずつ施設間交流もできていく事を願いながら、様々な人との関りを大切にしていきたいと思います。
さて先日聖隷こども園・保育園では各園の研究を発表し合う「第16回聖隷保育学会」が開催されました。聖隷こども園めぐみでは“「やりたい!」「やってみたい!」を大切に〜子どもの表現〜 ” と題し、昨年からの取り組みを発表しました。その一部を紹介させていただきます。認定こども園教育保育要領(保育所保育指針・幼稚園教育要領と共通)のねらい及び内容の中の、感性と表現に関する領域「表現」では「感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする」と示されています。私たちは、子どもたちのやりたい、やってみたいという気持ちを大切にし、子どもが様々な体験を通して表現を味わえることを目的として研究に取り組みました。日々の子どもの姿を丁寧に見ていく中で、子どもが今どんなことに興味や関心をもっているのか、各クラスごとにエピソードを記録していきました。そして、職員間でディスカッションする中で子どもの姿を共有し合い、子どもの表面に現れている表現だけでなく内面にある表現を受け止められるように保育を振り返っていきました。1歳児クラスでは、ある一人の子どもが回転するものに興味を持っている姿から手作りの玩具(スロット玩具)を準備し、そこにその子どもがどのように関わるのか、子どもの気持ちを探っていきました。すると台をもってきて前に置き座って遊びだしたのです。座ったことで回転させやすく、見えやすい様子があり、小さいなりに考え工夫していると思考力の芽生えも発見しました。また、4歳児クラスでは廃材遊びを楽しんでいる子どもたちに対して、ちょっとしたきっかけを準備したことで、子どもたちが自分もやりたい、作りたいという気持ちが引き出され、材料を自ら準備したり、作り方を工夫したり、友達とイメージを共有して協力して取り組んだりと遊びがどんどん発展、継続して楽しでいきました。講師の聖隷クリストファー大学国際教育学部長の太田雅子氏の講評からも、子どもの姿を丁寧に見ていき、保育者がどのように環境にアプローチしていくか、子どもの表現したいこと、主体的にしたいことを突っついて引き出すことが保育者として求められるといった言葉を頂きました。子どもがありのままに表現し、その喜びが感じられるように、保育者はいつでも子どもの姿を受け止め、認める心もちでいること、大好きな大人や友達に自分の気持ちを伝えたいと思う気持ちが育っていくように関わっていきたいと、研究を通して改めて保育者の関りの重要性を再認識し、これからの保育に活かしていきたいと思っています。