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卒園を前に

園長  冨永 裕美
木の芽やつぼみが膨らみ始め、春の訪れを感じる頃となりました。気持ち良い戸外での活動が楽しくなっていきますね。早いもので、今年度も残すところひと月となりました。様々な場面で子どもたちの成長を実感しうれしく思う日々です。子どもたちはそれぞれの年齢・発達に応じて日々様々な経験をしてきました。この春こども園を卒園する年長くじら組をのぞいてみると、クラスの仲間みんなで行う活動を通して一体感を味わい、子どもたち自身が大きくなったことを実感しているような場面がたくさん見られます。また、子どもたち一人ひとりが興味を持ったことにじっくり取り組んでいる姿も多くあります。その中には廃材を使った表現遊びもあり、毎日繰り返されています。先日は楽器やマイクを作ってこどもバンドになりきっている子どもたちに出会いました。翌日になると、さらに発展しギターは音が鳴るように輪ゴムの弦がついていました。つい最近ではかき氷屋さんになってお買い物ごっこを楽しんでいる子どもたちに出会いました。「園長先生も食べる?」と声をかけられごちそうしてもらいました。空き箱で作られたかき氷の機械、様々な味のシロップ、お買い物に必要なお金なども工夫して準備されていました。このように自分で考え様々な素材を使いイメージを自由に表現している姿はとても生き生きとしています。イメージするものを形に表現していく中では、どうしたらもっと本物のようになるかなと工夫が重ねられていたり、友達とイメージを共有して役割分担しながら遊びを展開していく姿があり、子どもたちの成長を感じます。こうした自発的な遊びを思い切り楽しめるようにしていくことはとても大切です。自ら考え、判断し、行動する力はこうした経験の中で培われていくものだと思っています。大人から与えられたことを少しでも早く覚えていくといった早期教育的な目に見える成果を求めるのではなく、目には見えないものに目を注ぐことを大切にしていきたいと思っています。
私たちは、こども園めぐみの生活の中で子どもたちが“愛されて育つ”という経験を十分にしてもらいたいと思っています。子どもたち一人ひとりが自分はかけがえのない存在であり、周囲の大人から愛され受け入れられ、認められていることを実感し自己肯定感を育んでいくことができるように、そして安心できる関係のもとで、自分の気持ちを相手に表現しようとする意欲につなげていきたいと思います。こうした育ちは生涯にわたって重要な、人と関わりながら生きていくための基盤となるからです。1年のしめくくりの3月、子どもたちの中の心の育ちを確認し、保護者の皆さんにお伝えしながら成長を共に喜び合っていきたいと思います。
年長クラスくじら組では、卒園の準備が少しずつはじまり、37名の子どもたちが新しい一歩を踏み出そうとしています。子どもたちの心の中には期待と不安とが入り混じっていることと思いますが、新しい世界に飛び出していくその一歩を、自信をもって歩み出すことができるようご家族の皆さんと一緒に私たちも支えていきたいと思います。そして神様はそれぞれ皆に賜物をそなえてくださっています。神様の大きな愛の中で、守られ愛されて過ごす日々、そして家族や周りの人たちからも愛されて、成長する子どもたちです。これからもそれぞれにそなえられた賜物を信じ、それぞれの賜物を発揮し、その子らしく輝いていってほしいと思います。
最後になりましたが保護者の皆様には一年間、園の運営にご理解とご協力を頂きましたことを心から感謝申し上げます。至らぬことも多々あったかと思いますが、温かく見守っていただきありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。