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遊びの中で育まれる力

遊びの中で育まれる力                    
園長  冨永 裕美
 暦の上では今日が春の訪れ「立春」になります。少しずつ春が近づいてくることを感じていく季節ですね。最近では暖かな日差しの日もあれば、雪が舞うような寒い日もあり、寒暖差が大きく、体調をくずしやすい時でもあります。一昨日、昨日と静岡県では食中毒警報が発令されました。ノロウイルス等の嘔吐下痢を伴う感染症や、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症も引き続き流行しているようです。手洗いうがいといった基本的な感染予防に加え、生活リズムを整え、健康に留意して過ごしていきましょう。
早いもので今年度も残すところ、2ヶ月となりました。子どもたちの成長を日々色々な場面で感じています。先日行ったクラス懇談会でも保護者のみなさまと子どもたちの成長の様子を分かち合えたのではないでしょうか。懇談会への沢山のご参加ありがとうございました。
 私たち保育者は専門職として、子どもたちの姿をしっかりととらえ、子どもたちの育ちを支えていくことが求められています。職員間では定期的に保育実践記録を持ち寄り、クラスを超えて子どもの育ちを共有する時間を作っています。今回の園便りでは先日の会議内で報告しあった一部を紹介したいと思います。  
2歳児とんぼ組の子どもたちは遊歩道奥のスペースで遊びました。そこには大小さまざまな石が転がっています。この石も子どもたちにとっては大切な遊びの道具です。石を使って遊びだす子どもたちの様子を紹介します。建物沿いの地面には大きめの石がゴロゴロ。どの石に足を乗せればいいかなと考えながら落ちないように慎重にわたり始めます。あえて少し難しそうなことに挑戦することも子どもにとってはワクワク感につながっています。アスファルトに描ける石を見つけた子もいます。また、石でマンホールをたたいてみるといい音がします。他の子も同じようにたたきはじめるとなんだか石によって音が違うことに気が付いたようでした。大きな石や小さな石で早速音の違いを試し始めていました。このように子どもたちは遊びの中で様々な発見をしています。そして興味をもったことにはじっくり関わり、試したり、考えたりしていきます。こうした経験を通して思考する力の基礎が育っていきます。
 3歳児ぺんぎん組の子どもたちが遊歩道で遊んだ時の出来事も紹介します。斜面下には、刈られた草がすっかり乾いて藁のようになっています。数名の子どもたちが藁の山を家に見立て遊びだすと、周囲にいた子どもたちも「おもしろそう」と集まってきました。「こっちが入口だよ」と教えてもらい仲間入り。なんだか楽しそうとさら多くの子どもたちも集まり、子どもたちの間で相談が始まりました。そして「みんなが入れるくらい大きくしよう」との提案にみんなも「いいね」と賛成し、せっせと藁を運び出していました。遊びを楽しむ中で友だちと一緒に遊ぶ楽しさを味わい、同じ目的に向けて力を合わせていく経験は協同性の育ちにもつながっています。
 このように保育者は子どもの姿をよく観察しながら子どもの育ちをしっかりと抑え、保護者の皆様にも伝えていくようにしています。毎日のコドモンでの発信も活動の様子をお伝えするだけでなく、子どもたちがどのような経験を通してどのような力が育まれているのかまで発信できるように心がけていきます。
子どもは生活・遊びを通して、環境に能動的に関わり日々多くの経験をし、学びを深めています。自分たちで創り上げる楽しさや達成感を味わったり、新しいことに挑戦したり、うまくいかないことに何度も取り組んだり、工夫したりと、年齢によって学びの様子は少しずつ違ってきますが、私たち大人は子どもを主体にして、子どもたちがやりたいと意欲的に取り組めるよう見守ったり、一緒に考えたり、褒めたり励ましたりしながら子どもたちの意欲関心を高めていきたいと思います。子どもたちの成長を共に喜んでいきたいですね。