地域の方々とのつながり
日本一温かい地域医療を共に創り上げる
一人残らずファンにする

病院長 小谷俊明[ 医師プロフィール ]
かつて江戸時代の佐倉は、「西の長崎、東の佐倉」と称され、西洋医学の拠点として多くの志ある医師が集い、日本の医療を牽引してきた歴史ある地です。私は、先人たちが築いたこの伝統を受け継ぎ、現代において再びこの佐倉を、活気あふれる「医療の拠点」として蘇らせたい。その強い想いを胸に、新たな一歩を踏み出しました。
しかし、私たちの歩みは決して平坦なものではありませんでした。2004年、国立佐倉病院が民間に移譲され、聖隷佐倉市民病院として再出発した際、私はその現場に立ち会っていました。当時、直面した現実は「患者さんが少ない」という厳しい状況でした。「地域から必要とされていないのではないか」。そんな不安と葛藤を抱えながらの日々でした。
だからこそ、私たちには揺るぎない信念があります。それは、「地域の方々に必要とされ、信頼される病院でなければ、存在意義はない」ということです。あの時の悔しさを原動力に、私たちは「地域を大切にし、患者さんを大切にする」という姿勢を軸に、独自の病院づくりを一歩ずつ積み重ねてきました。
私たちが特に大切にしているのが、地域の医療機関との強固な連携です。その象徴的な取り組みが、骨粗鬆症リエゾンサービス(OLS)です。骨折の連鎖を防ぐため、医師だけでなく多職種がチームとなって患者さんを支えるこの仕組みを、私たちは院内で完結させることなく、地域へと広げてきました。
地域の医療機関の先生方を一軒一軒訪ね、膝を突き合わせて信頼関係を築くことから始め、「手術や専門的な評価は当院で、その後の継続治療は地域の医療機関で」という明確な役割分担を徹底しました。こうして構築された切れ目のない連携体制は「さくらモデル」として結実し、国際骨粗鬆症財団(IOF)から日本で3番目となる最高位の「ゴールド評価」を受けるなど、世界からも高く評価されています。
この経験を通じて私が強く実感しているのは、「病院だけの力で地域の健康を守ることはできない」という事実です。高度な医療が必要なときは当院が全力を尽くし、日常の診療は地域の医療機関に委ねる。この二人三脚の関係があってこそ、地域医療は成り立ちます。地域の医療機関の先生方は、私たちにとってかけがえのないパートナーであり、心より感謝申し上げます。
今後の連携で私が大切にしたいのは、医師同士のつながりにとどまりません。看護師、薬剤師、事務職員など、地域の医療機関で働くすべての皆さまとも、顔の見える関係を築いていきたいと考えています。スタッフ同士が気軽に連絡を取り合える温かなネットワークこそが、患者さんの安心につながると信じています。
また、病院は「病気になったときだけ訪れる場所」であってはなりません。市民公開講座や各種イベントを通じて、健康づくりや交流の場として、皆さまにより身近に感じていただきたいと願っています。
「何かあったら聖隷佐倉市民病院があるから安心だ」。そう信頼されるだけでなく、「この病院があって良かった」と心から思っていただける病院へ。地域の医療機関の皆さま、そして市民の皆さまと手を取り合い、この歴史ある佐倉の地で、日本一温かい地域医療を共に創り上げていきたいと考えています。
地域の方々とのつながり
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