エデンの園をみんなに

長谷川保

終わりよければすべて善し。人生の最後の行程を幸せに過ごすことの願い。
第一に心もからだも健康で豊かに過すこと。食べることに不自由をしないこと。愛情と善意につつまれて過せること。美しい自然と住まいの中で暮らすこと。一輪挿し。美しい花がいつでも手に入ること。病気になったら専門医に診てもらえること。入院もできて、やさしくきりっとした看護婦さんに看護してもらえること。腰や頭がいたくて動くことが困難になったらヘルパーさんに助けてもらえること。慕わしく、愛情を感じる異性とつきあえること。おいしいものがいつでも手に入ること。冬暖かく夏涼しく、梅雨時でもからっと生活ができること。余暇を持てあますことなく、働きたければ働け、さればと言って仕事に追われてせかせかすることもない。そして、最後には死ぬことが恐ろしくなく、他人の口や顔を気にすることなく楽しく暮らせる場所をつくってみよう。そう考えたのは十七年前のこと。

浜名湖エデンの園 15周年記念誌
「はじめの一歩」への寄稿から抜粋
(1988年5月1日発行)

聖隷福祉事業団機関紙 第18号(1968年8月発行)より

機関紙18号

聖隷福祉事業団機関紙 第67号(1973年8月発行)より

機関紙67号
装飾