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Onco-TESE



Onco-TESEとは?

Onco-TESE(Oncological Testicular Sperm Extraction)は、がん治療前の妊孕性(生殖機能)を残すために、精巣から直接精子を回収し凍結保存する手術です。
通常は精液を採取し、精子を凍結保存しますが、以下の理由で一般の精子凍結が難しい場合に行われます。
  • 精液中に精子が認められない無精子症
  • 重度の乏精子症
  • 射精が困難な場合
  • 緊急にがん治療を開始する必要がある場合

なぜ妊孕性(生殖機能)温存が必要?

近年、がん治療の進歩によって、多くの患者さんが治療後も長い人生を送れるようになりました。
一方で、以下の治療によって精子形成機能が低下し、将来の妊娠が難しくなる場合があります。
  • 抗がん剤治療
  • 放射線治療
  • 造血幹細胞移植
そのため、がん治療前に精子を保存しておくことが推奨されています。

対象者

  • 精液中に精子が認められない方
無精子症でも精巣内には精子が存在している可能性があります。

  • 精巣腫瘍の患者さん
精巣腫瘍では、手術前から精子の状態(数や動き)が低下していることがあります。
しかし、摘出予定の精巣から精子回収を行える場合があります。

  • 白血病・悪性リンパ腫などに対する化学療法を予定されている方
化学療法開始前の妊孕性(生殖機能)温存として検討することがあります。

  • 射精による精子採取が困難な方
神経疾患や重度の射精障害などで精液採取が難しい場合にも適応となることがあります。

Onco-TESEの手術方法

1.陰嚢を小さく切開し、精巣組織を採取します。
2.採取した組織を培養士が直ちに観察し、精子の有無を確認します。
3.精子が確認できた場合は、将来の顕微授精(ICSI)に備えて凍結保存を行います。
患者さんの状態によっては、TESE(精巣内精子採取術)またはMicro-TESE(顕微鏡を使った手術)のいずれかを選択します。

精子は必ず回収できますか

残念ながら、すべての患者さんで精子を回収できるわけではありません。
原疾患や精巣機能によって回収率は異なります。
当院では、事前にホルモン検査や超音波検査などを行い、精子回収の可能性を評価したうえで治療方針をご提案しています。

当院の特徴

当院は、がん・生殖医療と不妊診療の両方を行っている施設です。
そのため、がん治療担当医師、泌尿器科医師、生殖医療専門医師、胚培養士が連携しながら、限られた時間の中で妊孕性(生殖機能)温存を進めています。
また、精子凍結からOnco-TESE(TESE, Micro-TESE)そして妊孕性温存後の生殖補助医療まで一貫して対応しています。

将来の選択肢を残すために


がんと診断されたとき、多くの患者さんはまず治療のことを考えます。 しかし、治療後の人生はその先も続いていきます。 Onco-TESEは「今すぐ子どもを持つための治療」ではありません。 将来、「子どもを持ちたい」と思ったときの選択肢を残すための医療です。 当院では、がん治療を最優先に考えながら、将来の家族形成の可能性を守るための支援を行っています。まずはお気軽にご相談ください。


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