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精路再建と精子回収術



無精子症の5つの治療法

無精子症と診断されても、治療法は一つではありません

まず大切なのは、「なぜ精液中に精子がいないのか」を正確に診断することです。
無精子症は大きくわけると「閉塞性無精子症(OA) 」「非閉塞性無精子症(NOA)」の2つのタイプに分けられます。
どちらのタイプかによって、選ぶ治療法が大きく変わります。

当院では、以下の5つの治療法の中から患者さんに最も適した方法を提案しています。
1.精路再建術
2.MESA
3.PESA
4.TESE
5.Micro-TESE

閉塞性無精子症(OA)の治療方針

閉塞性無精子症では、まず精路再建を検討します。
閉塞性無精子症は、精巣で精子は正常に作られていますが、精子の通り道が閉塞しています。
主な原因には、以下のようなものがあります。
  • 精管結紮術(パイプカット)
  • 精巣上体閉塞
  • 精路感染症
  • 先天性精管欠損
このような患者さんでは、まず精路再建が可能かどうかを検討します。

精路再建術

精路再建術は、閉塞している精路をつなぎ直し、自然な形で精子が精液中へ出てくるようにする手術です。
当院では原因に合わせて2つの手術を行っています。
  • 精管精管吻合術(Vasovasostomy): 精管結紮術後などに行います。
  • 精管精巣上体吻合術(Vasoepididymostomy): 精巣上体で閉塞している場合に行います。

メリット

手術が成功すると、次のような大きなメリットがあります。
  • 自然妊娠の可能性がある
  • 人工授精が可能になる
  • 複数回の顕微授精が不要になる

特に、以下に当てはまる方にとって、重要な選択肢となります。
  • 再婚後に挙児を希望する精管結紮術後症例
  • パートナーが若年の症例
  • 精巣上体尾部閉塞症例

MESA(顕微鏡下精巣上体精子採取術)

MESA(Microsurgical Epididymal Sperm Aspiration)は、顕微鏡下に精巣上体から精子を採取する方法です。

対象

閉塞性無精子症で、以下のようなケースに適しています。
  • 精路再建が難しい場合
  • 早期の妊娠を希望する場合

メリット

精巣上体内の精子は成熟しているため、採取したときに次のようなメリットがあります。
  • 精子数が多い
  • 運動性が良い
  • 凍結保存しやすい
  • 胚培養士による処理が容易
当院では典型的な閉塞性無精子症に対して、MESAを積極的に行っています。

PESA(経皮的精巣上体精子吸引法)

PESA(Percutaneous Epididymal Sperm Aspiration)は、メスを使わず、皮膚の上から細い針を刺して、精巣上体から精子を採取する方法です。
MESAより体への負担が少ないですが、回収できる精子数や安定性はMESAのほうが優れている場合があります。
当院では患者さんの状態に応じて選択しています。

TESE(精巣内精子採取術)

TESE(Testicular Sperm Extraction)は、精巣組織を少しだけ切り取り、その中から精子を探して回収する方法です。

対象

当院では、MESAやPESAが難しい場合に選択され、主に以下のようなケースが対象となります。
  • 射精障害
  • 精巣上体精子の状態が良好でない場合
  • MESAやPESAが適さない場合

Micro-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)

Micro-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)は、主に非閉塞性無精子症に対して行う手術です。
手術用顕微鏡を使って精巣内を細かく観察し、精子が作られている可能性の高い精細管を探して精子回収を行います。

対象

主に以下の患者さんが対象となります。
  • 非閉塞性無精子症
  • クラインフェルター症候群
  • 精子形成障害

当院の診療方針

無精子症の治療において最も重要なのは、まず原因を正確に診断することです。
当院では、以下の専門的な検査を行い、どの治療法が最も優れているかを総合的に判断します。
  • 精液検査
  • ホルモン検査
  • 陰嚢超音波検査
  • 染色体検査
  • Y染色体微小欠失検査

自然妊娠という選択肢も大切にしています

近年は顕微授精の発達により、無精子症に対する精子回収術が広く行われています。しかし、閉塞性無精子症の一部では、精路再建術によって自然妊娠を目指せる可能性があります。
当院では、精路再建術、MESA、TESE、Micro-TESEのすべてに対応しております。だからこそ、精子を採ることだけを目的とするのではなく、自然妊娠の可能性も含めて、それぞれの病態に応じた最適な治療法を患者さんと一緒に考えています。

一人で悩まずご相談ください


無精子症と診断されても、治療の選択肢は一つではありません。 自然妊娠を目指せる場合もあれば、自身の精子による顕微授精が可能な場合もあります。 当院では男性不妊専門医、生殖医療専門医、胚培養士が連携し、原因診断から治療まで一貫した診療を行っています。 まずはお気軽にご相談ください。


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