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6月 てんかん・機能神経センターで 取り扱う病気/てんかん・機能神経センター


【特集】てんかん・機能神経セ ンターで取り扱う病気

当センターは従来よりてんかんに加えて、さまざまな機能的神経疾患の診療を行ってきました。そこで2024年4月から名称をてんかんセンターから「てんかん・機能神経センター」に変更しました。
てんかんは脳の電気的な活動の異常によって引き起こされる病気で、痙攣や意識の減損・消失などを引き起こすことがあります。また、てんかんだけでなく、痛み、不随意運動(体が自分の意思に反して動いてしまう症状)、痙縮(手足が動かしにくかったり勝手に動いたりしてしまう症状)など、さまざまな症状はこの異常な電気活動が過剰なことが原因である場合が多いです。
当センターでは治療が困難なてんかんの患者さんに対して、新たな治療法として脳深部刺激療法(以下DBS)を導入しています。この治療法は抗てんかん薬やてんかん外科手術で十分な効果が得られない、もしくはてんかん外科手術が対象でない場合に適用となります。DBSは脳の特定の部分に細い電極を挿入し、電気刺激を与え脳の過剰な電気信号をコントロールすることで、症状の改善を目指します。「脳深部」と聞くと非常に負担が大きい治療を想像するかもしれませんが、実際には患者さんへの負担を最小限に抑えた治療方法です。

脳深部刺激療法(DBS)

また最近では帯状疱疹後の痛み(神経性疼痛)など、さまざまな種類の痛みに対して脊髄刺激療法(以下SCS)を早期に導入することで、痛みの緩和が可能であるといわれています。SCSは小さな装置を体に埋め込み、脊髄に微弱な電気を流すことで痛みを和らげるという治療方法です。

脊髄刺激療法(SCS)

脊髄刺激療法に有効な痛み
  • 脳卒中後の疼痛
  • パーキンソン病による腰の痛み
  • 腰椎手術後の疼痛
  • 複合性局所疼痛症候群(CRPS)
  • 帯状疱疹後の神経痛
  • 末梢血管障害による痛み(閉塞性動脈硬化症、バージャー病、レイノー病など)
痛みは複雑な要素が関係していますが帯状疱疹以外にも軽くぶつけた程度なのに火傷のような痛みが出るカウサルギーや、手足を事故などで失った場合、失った手足の部分が痛む幻肢痛などがあります。これらにもSCSは効果があります。
神経が過剰になる状態による「てんかん」「痛み」「手の震え」から、逆に痛みや脳の問題で動きが悪くなってしまうような病態に対し、子どもから大人まで幅広い診療が可能です。
文責:てんかん・機能神経センター長 藤本 礼尚

【診療科・センター紹介】てんかん・機能神経セ ンター

てんかん・機能神経センターの役割

当センターは特に難治性のてんかん、痛み、不随意運動に対し、治療法として脳深部刺激療法(DBS)や脊髄刺激療法(SCS)をはじめとする先進的な治療法を用いて、患者さん一人一人の症状に合わせた最適な治療を提供しています。対象は小児から成人まで幅広く、小児神経科、神経内科、脳神経外科とチームで診療にあたり、患者さんやご家族が不安を感じないよう、治療内容をわかりやすく説明し、一緒に治療方針を決めていくことを心掛けています。私たちが目指すのは、患者さんがより良い生活を送るためのサポートをすることです。さまざまな神経疾患に対する包括的なアプローチを通じて、患者さんの健康と幸福に貢献していきます。
文責:てんかん・機能神経センター長 藤本 礼尚(写真左から3番目)

2024年6月号(冊子)

  • 表紙・特集
 てんかん・機能神経センターで取り扱う病気
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
 てんかん・機能神経センター
  • 診療を支えるスペシャリスト
 磁気共鳴((MR)専門技術者師

関連リンク

  • てんかん科 てんかん・機能神経センターは、こちら

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