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研修を希望される皆さんへ

研修医へのメッセージ

脳神経外科は、様々なsubspecialityがあるため、専門医を取得するためには、それぞれのsubspecialityを勉強する必要があります。当院では、脳腫瘍、血管障害、てんかん、脊椎脊髄、小児(奇形)、外傷と脳神経外科領域のほぼすべての領域をカバーし、研修できるシステムを有しています。また、治療では、顕微鏡手術の他に、神経内視鏡手術、外視鏡手術に対応でき、手術室にも術中CTが撮影できることで、患者の安全と術者の安心の両者を得られるようになっています。また、術中CTを使用することで、経験の浅い術者の教育にも役にたっています。手術の経験を徐々に積み上げていき、脳神経外科専門医となってくれるのを期待しています。

プログラムの概要と専門医取得まで

当研修プログラムの特徴は大学医局には属さずに脳神経外科専門医取得を目指すものです。従って医局人事にともなう研修先の移動はありません。
聖隷浜松病院での研修を中心に行っていただきますが、連携施設である聖隷横浜病院や多数の関連施設での研修も可能です。関連施設での研修は1年間に限定されますが、施設については現在登録されている施設以外に関しても個別に相談にのります。以下にプログラムの例をお示しします。

聖隷横浜病院

基幹施設:聖隷浜松病院

連携施設: 聖隷横浜病院

関連施設:
  • 浜松医科大学脳神経外科
  • 東京慈恵会医科大学脳神経外科
  • 中村記念病院脳神経外科
  • 総合病院国保旭中央病院脳神経外科
  • 長崎医療センター脳神経外科
  • 国立循環器病研究センター病院脳神経外科
  • 聖隷三方原病院
  • 聖隷沼津病院脳神経外科
  • 浜松市リハビリテーション病院

研修期間中に国内留学や大学院への進学も可能です。大学院に関しては近隣の浜松医科大学大学院にこれまで2名の研修医が進学し博士号を取得しています。
  • Potent tumor tropism of induced pluripotent stem cells and induced pluripotent stem cell-derived neural stem cells in the mouse intracerebral glioma model [ International Journal of Oncology 2015 Tomohiro Yamazoe ]
  • Nicotine does not affect stem cell properties requisite for suicide gene therapy against glioma [ Neurological Research 2020 Hiroaki Kenmochi ]

臨床研究について

当院は市中病院ですが積極的に臨床研究を行っており脳神経外科もその一つです。
これまでに当科で研修した初期・後期研修医も多くの学会発表ならびに学術論文を作成しています。
学会発表 (過去4年間)
演題名学会発表年筆頭演者
Double catheter technique 時におけるcoil assist techniqueの経験 第38回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術集会 2022年後期研修医佐藤史崇
側頭葉遅発性放射線壊死に対する内視鏡手術第29回一般社団法人日本神経内視鏡学会 2022年後期研修医佐藤史崇
頭蓋内圧亢進に対する内板骨削除により減圧を得られ視機能が改善したカムラチ・エンゲルマン症候群の一例
第102回日本脳神経外科学会中部支部学術集会 2022年後期研修医佐藤史崇
外傷による妊娠後期に発症した胎児期頭蓋内出血の1例第29回日本神経内視鏡学会2022年初期研修医中野謙
成人期にはじめて診断された脊髄脂肪腫の1例第101回日本脳神経外科学会中部支
部会
2022年初期研修医仲村友博
くも膜嚢胞に合併していた視床下部過誤腫を摘出した1例第49回日本小児神経外科学会学術集会2021年初期研修医齋藤 孝司
ナビゲーションと術中CTにおける合併症回避への工夫第100回日本脳神経外科学会中部支部会2021年初期研修医齋藤 孝司
進行性頭蓋骨骨折に対する修復術の工夫第48回日本小児神経外科学会2020年初期研修医井川 杏奈
視神経から発生した退形成性星細胞腫の1例第18回関東小児脳腫瘍カンファレンス2020年後期研修医東本 杏一
孤立性水頭症を呈した松果体周囲類上皮腫の一例第26回一般社団法人日本神経内視鏡学会2019年後期研修医東本 杏一
内頚動脈ステント留置術(CAS)後にDOACとアルガトロバンを併用し輸血を要する皮下出血を認めた一例第35回日本脳血管内治療学会学術総会2019年後期研修医荒川朋弥
経時的な経過観察のみで縮小した手術適応のない未破裂脳動脈瘤の検討Stroke 20192019年初期研修医中嶋 広太
当院における来院時心肺停止患者におけるくも膜下出血患者の検討Stroke 20192019年初期研修医荒川朋弥

論文
演題名掲載雑誌発表年筆頭著者
EPA大量療法におけるくも膜下出血後脳血管攣縮の予防効果脳血管攣縮2020年後期研修医東本 杏一
シャントバルブ設定圧による3T MRIアーチファクト変化についての検討脳神経外科ジャーナル2017年後期研修医内田 大貴
MRIロック圧可変式シャントバルブのアーチファクト3.0 Tと1.5 T MRIの比較脳神経外科ジャーナル2018年後期研修医天野 裕貴
先天性眼窩海綿静脈洞巨大血管腫の1例脳神経外科ジャーナル2013年初期研修医藤森健司
エイコサペンタエン酸投与量の差異によるくも膜下出血後の遅発性脳血管攣縮予防効果について脳卒中2009年後期研修医中戸川裕一
Intracranial Multiple Pseudotumor Due to Immunoglobulin G4-Related Disease without Other Lesions: Case Report and Literature ReviewWorld Neurosurgery2019年後期研修医Naoto Kuroda
Unexpectedly Smaller Artifacts of 3.0-T Magnetic Resonance Imaging than 1.5 T: Recommendation of 3.0-T Scanners for Patients with Magnet-Resistant Adjustable Ventriculoperitoneal Shunt DevicesWorld Neurosurgery2019年後期研修医Yuki Amano

過去の研修医からのメッセージ

2004年の臨床研修制度導入以降、当研修プログラムを経て、これまでに7名の先生方が脳神経外科専門医を取得されました。専門医取得後は、当院のスタッフとして診療を継続されている方と、各々のサブスペシャリティに磨きをかけるため全国に羽ばたいて行かれた先生方がいらっしゃいます。
その中の一部の先生方から、現在研修プログラムの選択を考えていらっしゃる初期研修医の先生方や学生の方々へ向けてメッセージを頂戴しました。皆様にとって今後の研修プログラム選択の一助となれば幸いです。

札幌禎心会病院 脳神経外科  太田仲郎先生

2005年~2006年 聖隷浜松病院 初期研修プログラム
2007年~ 聖隷浜松病院 脳神経外科 後期研修プログラム
2010年~ 網走脳神経外科・リハビリテーション病院 脳神経外科
2012年~ 札幌禎心会病院 脳神経外科
聖隷浜松病院では2005年~2年間の初期研修と3年間の脳神経外科後期研修を研修しました。当時は田中篤太郎先生が部長でおられ、現部長の稲永先生、てんかんセンターの山本貴道先生はじめ現在もいらっしゃる渡邊先生、山添先生、同期の中戸川先生のメンバーでの後期研修を開始しました。私と中戸川先生は初期研修からそのまま後期研修に移った、当時としては稀なケースで医局とは関係しない人事でした。
後期研修を聖隷浜松病院に決めた理由は専門医になるために必要な経験を多く積めるだろうと考えたことです。周産期・新生児センターがあり小児脳神経外科が経験できること、有名なてんかんセンターでの機能的外科、そして症例の多い血管障害や脳腫瘍などが理由として挙げられます。
当時はとにかく忙しく、文字通り休む暇がないほどでしたが(今後は医師の働き方改革も義務化されるため負担は減っていくのではないでしょうか)脳神経外科医としての基本姿勢や地力はここでつけさせてもらったと思っています。ここで多くの症例を経験し、その中で問題意識も出てきた結果、血管障害を勉強したいと考え6年目から北海道に渡って現在に至っています。人手が足りないにも関わらず気持ちよく送り出してくださった先生方に本当に感謝しております。そういう意味でも懐の深い先生方が今の主要メンバーです。
とにかく膨大な症例と幅広い経験ができるという意味で聖隷浜松病院での研修はとても意義あるものになると思います。そこで次の自分のサブスペシャリティを選び取り、次のステップへ踏み出してください。助け合える同期や歳の近い先輩などの存在が実は研修を意義あるものにするポイントだったのかなと思っています。

聖隷三方原病院 脳神経外科  釼持博昭先生

2010年~ 聖隷浜松病院 脳神経外科 後期研修プログラム
2014年~ 浜松医科大学 脳神経外科 大学院
2018年~ 聖隷三方原病院 脳神経外科
後期研修でどのように経験を積み、脳神経外科医としての基盤を築くのか、個人の努力ももちろん重要ですが、努力を支え成長へ導く環境も重要です。聖隷浜松病院では市中病院としては珍しく、豊富な脳血管障害や神経外傷などの救急症例に加え、様々な手術手技・技術を駆使した脳腫瘍の手術や小児脳神経外科の症例、てんかんセンターでのてんかん外科の症例に直接携わることができます。脳神経外科専門医を目指す上で十分な知識や技術を、実践を通して学ぶことができるだけでなく、将来的なサブスペシャリティーの道も多岐に広がっており、将来的なプランをお持ちの先生はもちろん、これから将来を考えていこうとする先生にとっても充実した後期研修が期待できます。私自身、重症患者の急性期管理から手術手技まで、優しくも厳しい指導を毎日受け、現在の脳神経外科の臨床の基盤となっています。学術的な面に関しても国内、海外での発表をすることができ、先輩に支えられながら無事発表を終えられた時の達成感は忘れられません。また、研修後は大学院にも進学し博士号も取得することができました。脳神経外科医としての第一歩を、ぜひ聖隷浜松病院で踏み出してはいかがでしょうか?

ウェイン州立大学客員研究員  黒田直生人先生

2014年~2015年 聖隷浜松病院 初期研修プログラム
2016年~ 聖隷浜松病院 脳神経外科 後期研修プログラム
2019年~ Wayne State University Department of Pediatrics Research Fellow
聖隷浜松病院脳神経外科の研修プログラムは、①指導医からの教育、②同世代からの刺激、③主治医として主体的に患者さんとかかわる点、④各サブスペシャリティ分野の網羅、⑤他診療科/他職種との垣根の低さ、⑥経験できる圧倒的症例数、⑦豊富な学術的活動の機会、の7つの魅力があります。聖隷浜松病院は、臨床と教育にとても力を注いでいる病院で、後期研修医は、あらゆる場面で指導医の指導の下、主体的に動き主治医として関わり、手術手技においても率先して経験することができます。市中病院では珍しく各サブスペシャリティ(血管障害/腫瘍/血管内/脊椎・脊髄/機能/小児)がそろっているため、専門性の高い疾患や手術を経験でき、経験できる症例数の圧倒的な多さも大きな魅力の一つです。具体的には、脳神経外科専門医取得のために4年間で経験するべき症例をわずか2年間で経験出来ました。さらに、市中病院での研修であるにもかかわらず、学術的活動においても、国際学会発表3回、全国学会発表13回、筆頭著者英語論文7本と、豊富な経験をさせていただきました。また、同期や初期研修医の先生たちのモチベーションが非常に高く、医師以外の職種の方々もとても患者想いで勉強熱心なので、周りの方々からとても刺激をもらえました。振り返ってみると、とても素晴らしい環境で研修させていただけたと思います。日本には他にも素晴らしい研修施設がたくさんあるかと思いますが、この記事を見られた学生や初期研修医の先生方は、試しに一度見学に行ってみると思わぬ素敵な出会いがあるかもしれません。

研修の様子

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