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ホーム > Ⅰ疼痛  >  G.腎不全下におけるモルヒネの投与

G.腎不全下におけるモルヒネの投与

ページの目次


Overview

腎不全下ではモルヒネは有害な代謝産物(Morphine-3-gluclonides)が蓄積するので、せん妄やミオクローヌス(痙攀)などを起こしやすくなるため、eGFR30以下の場合使用は原則禁忌です。以下の対応をとってください。

少量(オプソ頓用数回~モルヒネ20mgくらい)なら…

症状に注意

せん妄やミオクローヌス(痙攀)を起こさないかどうかを注意深くみながら継続投与してください。


せん妄やミオクローヌスが生じたとき/モルヒネの投与量が多いとき

内服可能なら

定期投与分のモルヒネ量の3分の2量のオキシコドン徐放錠に変更してください。
(モルヒネ内服60mg=オキシコドン内服40mg)
頓用:1日量の6分の1量のオキノーム散を投与


内服不可能なら


フェントステープへ変更
頓用アンペック坐薬・オプソ・オキノーム散(1日投与量の6分の1)。
利点簡便。在宅可能
不利な点当初鎮痛が不安定になる可能性がある。
投与方法経口モルヒネ60mgをフェントステープ2mgに変更する。
モルヒネ1回分を内服すると同時にフェントステープを貼って、次回からなし。
疼痛悪化すれば3日後に50%ずつ増量。

オキシコドン注へ変更
頓用頓用指示は1時間分早送り。効果がなければ2時間分にしても良い[RR≧10回なら30分あけて反復可]
利点同じ薬剤
不利な点薬剤に慣れていない病棟がある。
投与方法モルヒネ30mg内服=オキシコドン徐放錠20mg=オキシコドン注15mg持続静注・皮下注
オーダーは麻薬注射薬フォルダから、指示例は症状緩和マニュアル「VII-B附録」をご利用ください。

フェンタニル注射薬へ変更
頓用頓用指示は1時間分早送り。効果がなければ2時間分にしても良い[RR≧10回なら30分あけて反復可]
利点精神症状発現リスク・催吐作用が低い
不利な点鎮痛効果が短い。
投与方法静脈モルヒネ30mg=フェンタニル600μgで置き換えて24時間投与。
オーダーは麻薬注射薬フォルダから、指示例は症状緩和マニュアル「VII-B附録」をご利用ください。