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令和5年度 浜松市医療奨励賞 受賞(肝胆膵外科・外科・救急科・看護部)


2024年1月30日
このたび、肝胆膵外科・外科・救急科・看護部(代表:伊良部 真一郎医師)が、急性期外傷に対する当院の新たな外傷診療体制について論文発表を行い、令和5年度 浜松市医療奨励賞※1を受賞しました。

1月22日(月)に浜松市役所で行われた授与式では、受賞者へ賞状と楯が贈られました。
今後も、多職種診療チームによる迅速で高度な診療体制の構築により、重症外傷患者の救命率向上に努めてまいります。

代表:伊良部 真一郎医師(前列中央)

【受賞者】
肝胆膵外科・外科・救急科・看護部(代表:伊良部 真一郎医師)
【論文名】
既存のER型救命救急センターにおける外科 Acute Care Surgery チームの稼働とトラウマコード※2導入による外傷診療体制の構築
【概要】
軽症者から重症者まで幅広く受け入れる救急外来では、多くの診療科の医師が当番で診療を行っており、一刻を争うような重症の外傷患者に対して必ずしも専門の医師が即座に対応できているとは限らない。そこで、①急性期外傷治療チーム:Acute Care Surgery (ACS) チームの立ち上げ ②チームの一斉招集システム:トラウマコードシステムの導入と治療体制の整備 の2つの対応を行った。
この結果、2020 年3 月のトラウマコード開始から2023 年9 月までに、99 件のトラウマコードが発動した。緊急手術開始までの所要時間は117分から10 分以内に大幅に短縮され、予測生存率が50%以上で死亡した症例をゼロにすることができ、10%以下の超重症例に対する救命例もみられるようになった。急性期外傷に対し院内専門チームを立ち上げ、新たな体制を整備することで救命率を向上させることに成功した今回の事例は、一施設に留まらず広く医療現場に影響を与えるものであり、その意義は高く評価された。

【受賞コメント】肝胆膵外科 主任医長 伊良部 真一郎医師
重症外傷で生命の危機に瀕した患者さんを一人でも多く救うために、当院では多部署・多職種が力を合わせて、ドラマで観るような劇的な救命が現実のものとなるような体制作りに取り組んできました。その結果、上記のように助かる可能性が高い命を確実に救い、極めて救命率が低い重症の患者さんも救命できるケースが認められるまでになりました。こうした結果をまとめた報告が評価され、令和5年度 浜松市医療奨励賞を受賞したことを大変光栄に思うと同時に、浜松市の人々の期待に応えられるように更なる努力を重ねようと決意を新たにしています。今回の受賞は論文の共著者である肝胆膵外科・外科・救急科・看護部の連名となっていますが、迅速な緊急手術に特に多大な協力をいただいた外来および手術部の看護師の皆様や麻酔科の先生方、一分一秒を争う状況でもそれぞれの専門性を発揮して診療をサポートしていただいた放射線部や輸血部、臨床工学部の方々、そして当院を支える多くの診療科の先生方やスタッフの協力無しではこのような成果を出すことはできませんでした。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。これからも浜松市の全ての人々が安心して暮らせるように、地域のセーフティーネットとしての救急・外傷診療の充実を図っていきたいと思います。
※1 浜松市医療奨励賞・・・ 本賞は、医療の振興を目的として、医療の普及と向上に貢献したと認められる市内の医療機関に従事する医師・歯科医師の個人又は団体に授与されるもので、今年度で49回目を迎えます。

※2 トラウマコード・・・ 救急隊からの要請で重症外傷患者が当院へ搬送されることが決定すると、救急医・外科医・整形外科医・麻酔科医をはじめ、手術室看護師や輸血部・放射線科に一斉コールを流し、患者が病院に到着した段階で、直ちに輸血や手術を含めた治療介入を可能とする体制のこと。

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