Webマガジン「白いまど」
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医療情報や病院紹介を中心に、当院を身近に感じてもらえるような旬な話題を毎月1日にお届けします。
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【特集】がんに克つ!29 乳がんの治療と予防
女性の9人に1人がなる時代
世界的に、女性がかかるがんのなかで最も多いものが乳がんです。日本も同様で40~60代を中心に発症し、9人に1人がかかるといわれている一方、死亡数は第4位で比較的予後が良好なことも特徴です。
乳がん罹患の年齢分布と経年変化(日本乳癌学会・全国乳がん患者登録調査報告より)
適切な治療(標準治療)とチーム医療
乳がんと診断されたら適切な治療を受けましょう。診療ガイドラインによる標準化が進んでおり、当院でも初診時に視触診・マンモグラフィ・超音波検査などを行い、乳がんが見つかればMRIやCTで精査し、治療方法を選択します。治療は手術・放射線などの局所治療と、転移・再発を予防する薬物療法(全身療法)を組み合わせます。手術で乳房切除(全摘)をする場合は、形成外科と連携して乳房再建が可能です。部分切除でも放射線治療の併用によって全摘と同等の効果を確保します。
薬物療法ではがんの性質(生物学的特性)に合わせて効果的な薬剤を選択します。抗がん剤治療による脱毛などの外見の変化に伴うストレスには、多職種でサポートします。妊娠・出産を望む方には、リプロダクションセンターの専門チームが受精卵や卵子の凍結保存など妊孕性(妊娠する力)の温存をサポートします。 また、遺伝性のがんの1つである「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」の治療も2020年から保険適応になっています。発症した方やリスクの高い方に対して、知識と診療技術を有する専門医やスタッフがカウンセリングや診療を行います。
ブレスト・アウェアネス
がんの大きさが2cm以下でリンパ節転移のない場合は95%以上が根治可能です。2cmは1円玉の直径で、自分でもわかる大きさです。乳がんは早期に見つかれば治癒する可能性が高いため、早期発見・早期治療が大切です。自分の乳房の状態に日頃から関心を持ち、乳房を意識して生活することを「ブレスト・アウェアネス」といい、乳がんの早期発見・診断・治療につながるため、女性にとって非常に重要な生活習慣です。ぜひこの習慣を身につけ実践しましょう。
文責:乳腺科 部長 森 菜採子
【診療科・センター紹介】循環器センター
知って安心!心臓病の治療とリハビリ
胸の痛み、息切れ、動悸などの胸部症状や健康診断で心臓の異常を指摘されたことはありませんか。
3月16日(土)に開催する市民公開講座で、病気や治療について医師らがわかりやすく解説します。
3月16日(土)に開催する市民公開講座で、病気や治療について医師らがわかりやすく解説します。
心臓弁膜症って?
心臓には四つの弁があり、血液の流れる方向が一方向になるように逆流防止弁の働きをしています。これら逆流防止弁が機能不全に陥る状態を「心臓弁膜症」といいます。大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全症は代表的な心臓弁膜症です。
経カテーテル的大動脈弁置換術 TAVI(タビ)
高齢者に多い「大動脈弁狭窄症」に対する治療法です。足の付け根の血管や、胸の外からカテーテルを使って心臓に人工弁を挿入します。従来の弁置換術のように胸を開いて人工心肺を使用したり心臓を停止させたりする必要がないため、からだへの負担が少ない治療です。
経皮的僧帽弁接合不全修復術(マイトラクリップ術)
重症の僧帽弁閉鎖不全症に対する治療法です。足の付け根の静脈血管から、カテーテルを使って、心臓にクリップを挿入します。開胸手術が困難な患者さんにも条件が合えば行えるからだへの負担が少ない新しい治療です。
心臓リハビリテーション
心臓弁膜症や心筋梗塞などで心不全を発症した患者さんが、家庭生活や社会にスムーズに復帰し、心不全の再発を予防することを目指して行うプログラムです。
文責:循環器センター長 小出 昌秋
文責:循環器センター長 小出 昌秋
市民公開講座 みんなで健康ゼミ
胸の痛み、息切れ、動悸などの胸部症状や健康診断で心臓の異常を指摘されたことはありませんか。
3月16日(土)に、市民公開講座「みんなで健康ゼミ」を開催します。
心臓弁膜症ってどんな病気?どんな治療法があるの?など、医師らが詳しく解説します。
正しく学び、早期発見・早期治療につなげましょう!
3月16日(土)に、市民公開講座「みんなで健康ゼミ」を開催します。
心臓弁膜症ってどんな病気?どんな治療法があるの?など、医師らが詳しく解説します。
正しく学び、早期発見・早期治療につなげましょう!
2024年3月号(冊子)
- 表紙・特集
- インフォメーション
- 診療科・センター紹介
関連リンク
アーカイブ
- 3月 がんに克つ!29 乳がんの治療と予防/循環器センター
- 2月 骨盤臓器脱 どうすればいいの?/婦人科
- 1月 ヘルニアセンター
- 12月 心臓リハビリテ ーションってなに?/循環器科
- 11月 がんに克つ!28 頭頸部がんってなに?/耳鼻咽喉科
- 10月 脳動脈瘤に対する新しい血管内治療(フローダイバーター治療)
- 9月 てんかんセンター
- 8月 小児・先天性心疾患のカテーテルアブレー ション/小児循環器科・成人先天性心疾患科
- 7月 アイセンター
- 6月 がんに克つ!27 GIST(消化管間質性腫瘍)
- 5月 小児外科で「ダビンチ」を用いたロボット支援下手術を導入/小児外科
- 4月 骨粗しょう症 -注射で治療ができるようになった-
- 3月 てんかんセンター/臨床検査技師
- 2月 スポーツ復帰に必要なアスレティックリハビリテーション/スポーツ整形外科
- 1月 僧帽弁閉鎖不全症に対する新しいカテーテル治療/循環器科
- 12月 がんに克つ!26 結腸がん /大腸肛門科
- 11月 リンパ浮腫(ふしゅ)ってなに? /形成外科 リンパ浮腫ケア外来
- 10月 一生よく見える目」を つくる! /眼科
- 9月 教えて!管理栄養士さん 知って納得!みんなの栄養Q&A
- 8月 がんに克つ!25 がん治療に 欠かせない 化学療法/化学療法科
- 7月 人生会議って何だろう
- 6月 振り返りましょう! 新型コロナウイルス 感染症(COVID-19)/救命救急センター/救急看護認定看護師
- 5月 症状からわかる こどもの病気(けが)―小児脳神経外科が扱う疾患―/小児脳神経外科
- 4月 聖隷浜松病院60周年の軌跡
- 3月 がんに克つ!24 膵臓がん
- 2月 創刊500号記念 復刻版
- 1月 外反母趾と、よこ扁平足/足の外科
- 12月 がんに克つ!23 がんになっても、将来子どもが欲しい/リプロダクションセンター
- 11月 新生児科/新生児集中ケア認定看護師
- 10月 乳幼児から高齢者まで、誰でも起こりうる病気「鼠径ヘルニア(脱腸)」/ヘルニアセンター
- 9月 がんに克つ!22 前立腺がん
- 8月 CKD(慢性腎臓病)を知っていますか?/腎臓内科
- 7月 口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)ってなに?/形成外科
- 6月 呼吸器外科があつかう悪性腫瘍/手術室看護師
- 5月 こどもと感染症/小児科
- 4月 わが街で健康に暮らす16 ワクチン接種は誰のため?
- 3月 意識を失った経験はないですか? /てんかんセンター/臨床検査技師
- 2月 がんに克つ!21 食道がん/内視鏡センター/消化器内視鏡技師
- 1月 呼吸器内科/慢性呼吸器疾患看護認定看護師
- 12月 がんに克つ!20 乳がん/乳腺科
- 11月 リウマチなんて怖くない/リウマチセンター/認定薬剤師
- 10月 総合診療内科/診療看護師
- 9月 がんに克つ!19 血液のがん/血液内科
- 8月 奇異性脳塞栓と卵円孔開存症(PFO)/小児循環器科
- 7月 眼科/視能訓練士
- 6月 がんに克つ!18 腎細胞がん/泌尿器科/がん化学療法看護認定看護師
- 5月 痛くないからだにやさしい新たな放射線治療を開始!/腫瘍放射線科
- 4月 わが街で健康に暮らす12 良い健康習慣は、周りの人に良い影響を与える
- 3月 歩きにくいのは腰の病気?/せぼねセンター/磁気共鳴(MR)専門技術者
- 2月 リハビリテーション科/摂食・嚥下障害認定看護師
- 1月 がんに克つ!14 甲状腺がん/耳鼻咽喉科
- 12月 "薬食同源" 上手にサプリメントを活用しましょう!/眼科
- 11月 温かいものは温かく 冷たいものは冷たく 適温でおいしい 病院食
- 10月 がんに克つ!13 子宮体がん/婦人科
- 9月 膠原病リウマチ内科/リウマチケア看護師
- 8月 がんに克つ!12 からだに優しい胃がん手術
- 7月 成人先天性心臓病外来/臨床検査技師(超音波検査士)
- 6月 上肢外傷外科/ハンドセラピスト
- 5月 2018年5月7日から再診の受付方法が変わります
- 4月 がんに克つ!11 脳腫瘍って「がん」ですか?