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【特集】定期的に歯医者に行こう-虫歯菌と腎臓の意外な関係-
健康診断で「蛋白尿」や「血尿」を指摘され、IgA腎症と診断された方、あるいはその可能性を伝えられた方は少なくないのではないでしょうか。
IgA腎症は蛋白尿や血尿があっても自覚症状がなく、健診ではじめてみつかることが多い病気です。放っておくと10年~20年の経過で慢性腎臓病が進行し透析が必要になることがあります。(特にeGFRが60mL/min未満の方は腎機能が低下してきていますので注意が必要です。)原因はまだ完全には解明されていませんが、私たち腎臓内科が近年注目しているのが、口の中の細菌、特に虫歯菌との関係です。
IgA腎症は蛋白尿や血尿があっても自覚症状がなく、健診ではじめてみつかることが多い病気です。放っておくと10年~20年の経過で慢性腎臓病が進行し透析が必要になることがあります。(特にeGFRが60mL/min未満の方は腎機能が低下してきていますので注意が必要です。)原因はまだ完全には解明されていませんが、私たち腎臓内科が近年注目しているのが、口の中の細菌、特に虫歯菌との関係です。
虫歯菌が腎臓に関係?
虫歯の原因菌であるミュータンス菌の中には、コラーゲンに強く結合できる“悪玉”タイプが存在します。
私たちの研究では、IgA腎症患者さんは健康な方に比べ、この悪玉菌を口の中に保有している割合が高く、さらに保有者ほど「蛋白尿」が多い傾向があることが分かりました。
この悪玉菌は扁桃にも潜み、免疫を異常に刺激する可能性があります。動物実験でもこの菌を投与すると、IgA腎症に似た腎炎を発症することが確認されています。つまり、口の健康が腎臓病の発症や進行に影響している可能性があるのです。
私たちの研究では、IgA腎症患者さんは健康な方に比べ、この悪玉菌を口の中に保有している割合が高く、さらに保有者ほど「蛋白尿」が多い傾向があることが分かりました。
この悪玉菌は扁桃にも潜み、免疫を異常に刺激する可能性があります。動物実験でもこの菌を投与すると、IgA腎症に似た腎炎を発症することが確認されています。つまり、口の健康が腎臓病の発症や進行に影響している可能性があるのです。
12年以上の研究と医科歯科連携
腎臓内科ではIgA腎症の診療と研究に特に力を入れており、歯科医師と連携し、12年以上にわたって研究を継続しています。その結果、虫歯の数や悪玉菌の存在が病気に関連している可能性を示すデータを蓄積してきました。
口の健康は全身の健康につながる
糖尿病と歯周病が互いに悪化させ合うことが知られているように、口の健康が全身の健康と密接に関わっていることはIgA腎症に限りません。透析患者さんも虫歯が多いことが研究で分かってきており、定期的な歯科受診や丁寧な歯磨きといった口腔ケアは、将来の腎臓病予防や病気の進行抑制につながる可能性があります。
まとめ
- 悪玉虫歯菌がIgA腎症に関与する可能性があります
- 口腔ケアは腎臓病や他の病気の予防に有効である可能性があります
- eGFRが60未満、血尿・蛋白尿のある方は腎臓内科を受診してください
- 年1回の健診と定期的な歯科受診を習慣にしましょう
文責:腎臓内科 部長 三﨑 太郎
【診療科・センター紹介】腎センター

多職種が協力して患者さんと向き合っています
腎センターでは、慢性腎臓病(CKD)の進行予防から透析導入・維持透析まで幅広く対応しています。腎臓病は長くつきあう必要がある病気のため、一人ひとりに合わせた全身管理を重視しています。医師・看護師・臨床工学技士・薬剤師・管理栄養士など多職種が協力し、腎性貧血やカルシウム・リン管理を含む薬剤指導や栄養指導を行い、治療を継続しながら健やかな生活を送れるように支援しています。当センターは浜松地区で初めて透析を開始してから50年以上の歴史を持ち、現在は57台のベッドで同時透析が可能です。患者さんの生活の質を大切にし、安全で質の高い医療の提供に努めています。
文責:腎センター長 三﨑 太郎(写真前列左から4番目)
文責:腎センター長 三﨑 太郎(写真前列左から4番目)
【診療を支えるスペシャリスト】JHAT(ジェイハット)
災害時透析医療を支えるスペシャリスト

日本災害時透析医療協働支援チーム「JHAT(ジェイハット)」は、災害発生時に透析医療を継続可能にするために組織された医療チームです。当
院の3名の臨床工学技士がJHATに在籍しています。近年は地震以外に、集中豪雨による水害やこれらに起因する大規模停電、長期の断水など、透析医療を脅かすさまざまな災害が発生しています。
院の3名の臨床工学技士がJHATに在籍しています。近年は地震以外に、集中豪雨による水害やこれらに起因する大規模停電、長期の断水など、透析医療を脅かすさまざまな災害が発生しています。

しかし、たとえライフラインが途絶しても患者さんにとって血液透析を休むことはできません。我々JHAT隊員は、災害時に透析医療関連団体と連携して透析医療を支援します。被災地での活動が主な役割ですが、院内でも災害時対応に関する研修を行うことで、当院が被災した場合でも十分な対応ができるように日頃から備えています。
文責:臨床工学室 中島 俊一(写真中央)
文責:臨床工学室 中島 俊一(写真中央)
2025年12月号(冊子)

- 表紙・特集
定期的に歯医者に行こう-虫歯菌と腎臓の意外な関係- - インフォメーション
- 診療科・センター紹介
腎センター - 診療を支えるスペシャリスト
JHAT(ジェイハット)
アーカイブ
- 12月 定期的に歯医者に行こう/腎センター/JHAT(ジェイハット)
- 11月 放射線治療センター(腫瘍放射線科)/医学物理士
- 10月 がんに克つ!33 食道がんの手術について/内視鏡センター/臨床工学室
- 9月 聖隷浜松病院 新生児専用救急車/新生児科/新生児蘇生法(NCPR)インストラクター
- 8月 「より安全に、より快適に」/産科/骨盤底機能をみる理学療法士・作業療法士
- 7月 肝胆膵外科
- 6月 がんに克つ!32 遺伝性乳がん卵巣がん/臨床遺伝センター/がん病態栄養専門管理栄養士
- 5月 DX化で変わる外来受診/施設課/情報システム室
- 4月 第52回 聖隷浜松病院 病院学会 市民健康セミナー「おいしく食べて、健康イキイキ。腸がチョ~大事」
- 3月 突発性難聴に対する高気圧酸素療法/耳鼻咽喉科/臨床工学技士
- 2月 循環器センター
- 1月 もしものときに知っておきたい 眼窩骨折/眼形成眼窩外科/アイセンター医療秘書
- 12月 脳卒中の予防と早期発見/脳卒中科/医療ソーシャルワーカー(MSW)
- 11月 がんに克つ!31 膀胱がん/泌尿器科/排尿ケアチーム
- 10月 リハビリテーション科/mediVRカグラ認定セラピスト
- 9月 臨床研究・治験ってなぁに?/臨床研究センター/CRC(臨床研究コーディネーター)
- 8月 がんに克つ!30 悪性リンパ腫に対する 化学療法の進歩/血液内科/がん認定・専門薬剤師
- 7月 おとなからこどもまで、あらゆる消化器疾患を診療「消化器センター」/リウマチセンター「早期関節炎外来」
- 6月 てんかん・機能神経センターで 取り扱う病気/てんかん・機能神経センター
- 5月 神経内科/老人看護専門看護師
- 4月 わが街で健康に暮らす22 休むことで人は健康になるのか?~4月から「医師の働き方改革」が始まります~
- 3月 がんに克つ!29 乳がんの治療と予防/循環器センター
- 2月 骨盤臓器脱 どうすればいいの?/婦人科
- 1月 ヘルニアセンター
- 12月 心臓リハビリテ ーションってなに?/循環器科
- 11月 がんに克つ!28 頭頸部がんってなに?/耳鼻咽喉科
- 10月 脳動脈瘤に対する新しい血管内治療(フローダイバーター治療)
- 9月 てんかんセンター
- 8月 小児・先天性心疾患のカテーテルアブレー ション/小児循環器科・成人先天性心疾患科
- 7月 アイセンター
- 6月 がんに克つ!27 GIST(消化管間質性腫瘍)
- 5月 小児外科で「ダビンチ」を用いたロボット支援下手術を導入/小児外科
- 4月 骨粗しょう症 -注射で治療ができるようになった-
- 3月 てんかんセンター/臨床検査技師
- 2月 スポーツ復帰に必要なアスレティックリハビリテーション/スポーツ整形外科
- 1月 僧帽弁閉鎖不全症に対する新しいカテーテル治療/循環器科
- 12月 がんに克つ!26 結腸がん /大腸肛門科
- 11月 リンパ浮腫(ふしゅ)ってなに? /形成外科 リンパ浮腫ケア外来
- 10月 一生よく見える目」を つくる! /眼科
- 9月 教えて!管理栄養士さん 知って納得!みんなの栄養Q&A
- 8月 がんに克つ!25 がん治療に 欠かせない 化学療法/化学療法科
- 7月 人生会議って何だろう
- 6月 振り返りましょう! 新型コロナウイルス 感染症(COVID-19)/救命救急センター/救急看護認定看護師
- 5月 症状からわかる こどもの病気(けが)―小児脳神経外科が扱う疾患―/小児脳神経外科
- 4月 聖隷浜松病院60周年の軌跡
- 3月 がんに克つ!24 膵臓がん
- 2月 創刊500号記念 復刻版
- 1月 外反母趾と、よこ扁平足/足の外科
- 12月 がんに克つ!23 がんになっても、将来子どもが欲しい/リプロダクションセンター
- 11月 新生児科/新生児集中ケア認定看護師
- 10月 乳幼児から高齢者まで、誰でも起こりうる病気「鼠径ヘルニア(脱腸)」/ヘルニアセンター
- 9月 がんに克つ!22 前立腺がん
- 8月 CKD(慢性腎臓病)を知っていますか?/腎臓内科
- 7月 口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)ってなに?/形成外科
- 6月 呼吸器外科があつかう悪性腫瘍/手術室看護師
- 5月 こどもと感染症/小児科
- 4月 わが街で健康に暮らす16 ワクチン接種は誰のため?
- 3月 意識を失った経験はないですか? /てんかんセンター/臨床検査技師
- 2月 がんに克つ!21 食道がん/内視鏡センター/消化器内視鏡技師
- 1月 呼吸器内科/慢性呼吸器疾患看護認定看護師
- 12月 がんに克つ!20 乳がん/乳腺科
- 11月 リウマチなんて怖くない/リウマチセンター/認定薬剤師
- 10月 総合診療内科/診療看護師
- 9月 がんに克つ!19 血液のがん/血液内科
- 8月 奇異性脳塞栓と卵円孔開存症(PFO)/小児循環器科
- 7月 眼科/視能訓練士
- 6月 がんに克つ!18 腎細胞がん/泌尿器科/がん化学療法看護認定看護師
- 5月 痛くないからだにやさしい新たな放射線治療を開始!/腫瘍放射線科
- 4月 わが街で健康に暮らす12 良い健康習慣は、周りの人に良い影響を与える
- 3月 歩きにくいのは腰の病気?/せぼねセンター/磁気共鳴(MR)専門技術者
- 2月 リハビリテーション科/摂食・嚥下障害認定看護師
- 1月 がんに克つ!14 甲状腺がん/耳鼻咽喉科
- 12月 "薬食同源" 上手にサプリメントを活用しましょう!/眼科
- 11月 温かいものは温かく 冷たいものは冷たく 適温でおいしい 病院食
- 10月 がんに克つ!13 子宮体がん/婦人科
- 9月 膠原病リウマチ内科/リウマチケア看護師
- 8月 がんに克つ!12 からだに優しい胃がん手術
- 7月 成人先天性心臓病外来/臨床検査技師(超音波検査士)
- 6月 上肢外傷外科/ハンドセラピスト
- 5月 2018年5月7日から再診の受付方法が変わります
- 4月 がんに克つ!11 脳腫瘍って「がん」ですか?