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1月 僧帽弁閉鎖不全症に対する新しいカテーテル治療/循環器科



【特集】僧帽弁閉鎖不全症に対する新しいカテーテル治療

心臓には四つの弁があり、血液の流れる方向が一方向になるように逆流防止弁の働きをしています。その中の一つに僧帽弁(そうぼうべん)があります。僧帽弁は全身の臓器に酸素の豊富な血液を送り出すポンプの働きをする左心室と、その手前の部屋である左心房との間にあります。僧帽弁がうまく閉じないために、全身へ送り出されるはずの血液の一部が左心室から左心房に逆流する状態を僧帽弁閉鎖不全症(僧帽弁逆流)といいます。僧帽弁は前尖(ぜんせん)と後尖(こうせん)からできていますが、そのくっつき(接合)が悪くなり血液が逆流してしまうのです。

画像提供:アボットメディカル

僧帽弁閉鎖不全が進行すると心不全症状(息切れ、疲れやすい、足がむくむなど)が出てくることがあります。従来の治療には薬物治療と外科手術があり、まず、すべての患者さんに薬物治療を行ったうえで、手術の必要な患者さんには開心手術(胸を大きく開いて心臓を一時的に停止させて行う手術)を行います。ただし、心臓を止めて人工心肺を回して行うため身体への負担が大きく(侵襲が大きな治療法)、これまでは治療が必要なのに手術を行えない患者さんもいました。そこで登場したのが、マイトラクリップを用いた「経皮的僧帽弁接合不全修復術」です。「経皮的僧帽弁接合不全修復術(けいひてきそうぼうべんせつごうふぜんしゅうふくじゅつ)」は開心手術が困難な患者さんにも条件が合えば行える身体への負担が少ない、カテーテルを使う新しい治療法です。
実際には僧帽弁をつかむクリップのついたカテーテルを足の付け根の静脈から左心房に挿入し、クリップで僧帽弁の前尖と後尖をつまんで弁の閉鎖具合を良くして逆流を減らします。全身麻酔で行いますが、傷はカテーテルを挿入するところだけで、身体への負担が少ないことがメリットです。僧帽弁逆流の原因や程度、弁の形などによって治療の困難な場合もあることと、新しい方法なので長期成績が不明瞭なことがありますが、「経皮的僧帽弁接合不全修復術」は今後ますます盛んになると思われる治療法です。当院でも2022年7月から治療を開始しています。

文責:循環器科 後藤 雅之

【診療科・センター紹介】循環器科

心臓・血管の病気から皆さんを守ります

循環器科は、心不全、虚血性心疾患(狭心症/心筋梗塞)、不整脈、弁膜症などの心臓病や、閉塞性動脈硬化症などの血管疾患に対する診療を(必要な場合は夜間・休日の緊急対応も含め)行っています。外来診療では、心臓超音波検査やホルター24時間心電図検査などを迅速に行い、早期診断・治療に努めています。また入院診療では、虚血性心疾患に対するステント治療や不整脈に対する心筋焼灼術(しょうしゃくじゅつ)など、短期間で根治を目指しています。心不全に対しては、目覚ましく発展している新規心不全薬の積極的な導入を行っています。弁膜症に対する身体に負担の少ない新しいカテーテル治療も導入しました。
胸の痛み、息切れ、動悸などの胸部症状がある、あるいは健康診断で異常を指摘されるなど、心臓の病気が心配な方は当科にご相談ください。

文責:循環器科 部長 杉浦 亮

2023年1月号(冊子)

特集 僧帽弁閉鎖不全症に対する新しいカテーテル治療
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診療科・センター紹介 循環器科
診療を支えるスペシャリスト 心・血管カテーテル関連専門臨床工学技士

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