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4月 がんに克つ!15 目の周りのがん



【特集】がんに克つ!15 目の周りのがん

日本人の2人に1人が一生のうちに一度はなるといわれている『がん』。
シリーズ「がんに克つ!」では、日本人がかかりやすいがんを中心に、その特徴・最新治療・予防法などを紹介します。

目の断面図イメージイラスト

一般的に頻度は少ないですが、眼瞼(まぶた)、眼窩(目の奥)、涙道(涙の排水管)、結膜(白目の皮)にも
悪性腫瘍、いわゆる「がん」が発生することがあります。

眼瞼

目の周りのガン症例写真

眼瞼には、脂腺がんや基底細胞がんといったがんが発生します。脂腺がんは眼瞼にある油の分泌腺から発生し、同じ部位から発生する霰粒腫(いわゆる、ものもらい)と見た目が似ていることが特徴です。(図1)ものもらいが治りにくい場合やしこりがだんだん多くなってきている場合は受診が必要です。基底細胞がんは、ほくろに似ているため初期の段階では見分けがつきません。(図2)これも大きくなってきた場合や、中心部分がえぐれて出血する場合などは受診が必要です。

眼窩

眼窩に発生するがんで最も多いのは悪性リンパ腫です。悪性リンパ腫は血液の腫瘍ですが目の奥にしこりを作ることがあります。悪性リンパ腫にかかわらず、目の奥にできものがある場合、目を動かすと物が二重に見える、目が前に出てくる、視力が落ちるなどの症状がでます。外側からの見た目では目の奥の病気を判断することができませんので、CTやMRIなどの検査が必要です。
 涙道のがんは非常にまれです。ただ、目頭の部分にしこりができて大きくなる場合や涙に血が混じる場合は、涙嚢と呼ばれる涙の袋に腫瘍が発生している可能性があります。

結膜

結膜悪性リンパ腫症例写真

結膜に発生するがんは、扁平上皮がんや悪性リンパ腫が挙げられます。扁平上皮がんは黒目の横などから発生します。白目の一部分の充血がとれず拡がってきたり、盛り上がってきたりした場合は検査が必要です。また、結膜にも悪性リンパ腫ができることがあります。まぶたの裏に、サーモンのお刺身の様なピンクがかった色をしたできものが発生します。(図3)
 今回ご紹介した以外にも目の周りにはさまざまながんが生じます。気になる症状があればご相談ください。

※図1~3は患者さんの承諾を得て、掲載しています。
眼形成眼窩外科は、目の周りの疾患「眼瞼、眼窩、涙道、結膜疾患」を専門とする日本における唯一の診療科として誕生した診療科です。30年以上、眼科や形成外科などの専門知識・技術を生かした診療を行っています。

文責:眼形成眼窩外科 主任医長 上田 幸典

2019年4月号(冊子)

2019年4月号「白いまど」表紙画像

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