グローバルナビゲーションへ

本文へ

フッターへ

  1. 聖隷浜松病院トップ
  2.  >  Webマガジン「白いまど」
  3.  >  2023年度
  4.  >  6月 がんに克つ!27 GIST(消化管間質性腫瘍)

6月 がんに克つ!27 GIST(消化管間質性腫瘍)


【特集】がんに克つ!27 GIST(消化管間質性腫瘍)

GIST(ジスト) とは、Gastrointestinal Stromal Tumorの略で、「消化管間質性腫瘍」と呼ばれます。
10万人に1~2人位のまれな病気ですが、口から肛門まで、食べ物の通る消化管にはどこにでもできます。このうち、胃が60~70%を占めていて、ほとんど症状がなく、胃の検診(バリウムや内視鏡検査)で「粘膜下腫瘍ですね」と言われて発見されることが多いです。また、胃潰瘍などの他の病気で内視鏡検査を受けて偶然発見される方、時には突然腫瘍の内部が破れて出血し、救急車で病院に搬送されて診断される方もいます。GISTは、「がん」という名前こそつきませんが、がんと同じように無症状のうちに静かに大きくなり、どんどん仲間を増やして他の臓器に転移したり、命を奪ったりすることもあります。
胃がんは胃の表面の粘膜(胃独自の働きである胃酸や消化酵素を分泌する実質)から発生しますが、GISTはその地下にある筋肉や骨組みの部分(=間質)から発生します。
内視鏡で見ると、きれいな皮(粘膜)をまとっている(粘膜下腫瘍)ので、おいそれとは診断がつきません。この正体を見破るには、内視鏡を用いた専門的な検査(切開生検法やエコー内視鏡ガイド下生検:原則として1泊2日入院)を行います。組織を採取して、その正体をあぶり出します。
GISTと診断がついた際には、基本的に手術をお勧めしています。
胃がんのように胃の広い部分を切除することなく、部分的に切除することがほとんどですので、術後も胃の働きはそのまま残ります。

「粘膜下腫瘍」の中には治療を要しない「平滑筋腫」や「異所性膵」などといった良性のものもあり、その場合は定期的に様子を見ることになります。しかし、時間を追って大きくなる、あるいは最初から一定の大きさ(2cm以上)がある粘膜下腫瘍は、精密検査が望ましいとされています。お心あたりの方は、かかりつけの先生や検診の先生と相談のうえ、必要に応じて専門的医療機関を受診してください。
文責:消化器内科 部長 細田 佳佐

2023年6月号(冊子)

  • 表紙・特集
 がんに克つ!27 GIST(消化管間質性腫瘍)
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
 病理診断科 
  • 診療を支えるスペシャリスト
 細胞検査士

関連リンク

  • 消化器内科・肝臓内科・肝腫瘍科・内視鏡センターは、こちら

PAGETOP