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8月 がんに克つ!12 からだに優しい胃がん手術



【特集】がんに克つ!12 からだに優しい胃がん手術

日本人の2人に1人が一生のうちに一度はなるといわれている『がん』。
シリーズ「がんに克つ!」では、日本人がかかりやすいがんを中心に、その特徴・最新治療・予防法などを紹介します。

胃がんの標準的な治療は、「切除」

腹腔鏡下手術イメージイラスト

早期がんの中でも転移の可能性のない症例は、からだは切らずに胃カメラでがん病巣を切除する「内視鏡下切除」を行いますが、転移の可能性が少しでも疑われる場合は、からだにメスを入れて広い範囲の胃切除とともに周囲のリンパ節を摘出する「外科手術」が必要となります。
 外科手術は従来、みぞおちからおへそまで、おなかを大きく切開(図1)して行われてきましたが、最近では小さな切開(図2)で行う「腹腔鏡下手術」が登場し、当院でも胃がん手術の約6割が腹腔鏡下手術となっています。

腹腔鏡下手術

腹腔鏡下手術イメージイラスト

腹腔鏡下手術(図3)の良い点として、整容性がよい(大きなキズが残らない)、痛みや癒着が少ない(術後の回復が早い)、細かな血管や神経までよく見える(余分な出血や損傷を回避できる)などがあげられます。逆に、悪い点は、技術的な困難さやそれに伴って手術時間が長くなることがあげられますが、これらは経験を重ねることにより、ほぼ克服可能です。当科はこれまでに200例近くの腹腔鏡下手術を行い、現在では手術時間は開腹手術とほぼ同等で、出血や合併症は明らかに少なくなっています。

腹腔鏡下胃切除術イメージイラスト

現在、当科では、早期がんからそれを少し超える程度の進行がんの患者さんを対象として腹腔鏡下胃切除術を行っており、術式としては、胃の出口側約2/3程度を切除する「幽門側胃切除術」、胃の入り口側約1/2を切除する「噴門側胃切除術」、そして胃のすべてを切除する「胃全摘術」、すべての術式を腹腔鏡下手術で行っています。また、2018年4月からは、手術支援ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術が保険適応となりました。当科でもその実施に向けて、現在準備を進めているところです。

”からだにより優しい胃がん手術”を行うために

より早い段階でがんをみつけることがとても重要です。より早い段階でみつけることができれば、“より優しい治療”が可能となります。そのためにも、ぜひ、健診受診を習慣づけていただきたいと思います。
文責:上部消化管外科 部長 鈴木 一史

【診療科・センター紹介】上部消化管外科

上部消化管外科部長鈴木一史写真

 上部消化管外科は、消化管の入り口に近い食道及び胃の疾患の治療を行っています。主な対象疾患である食道がん、胃がんは、消化器内科と協力してがんの進み具合をよく調べ、患者さんにとって最善と考えられる治療法を選択しています。手術では、小さなキズで行う“からだに優しい”内鏡視下手術を積極的に行っており、食道がん手術のほぼ全例、胃がん手術の約6割を胸腔鏡や腹腔鏡下手術で行っています。胃がんに関しては、最先端のロボット支援下手術(ダビンチ)の導入に向けて、取り組んでいます。また、少し進んでしまったがんには、手術とあわせて抗がん剤治療や放射線治療を、各科の協力のもと、患者さんの苦痛をできるだけ少なくすることを考えながら行っています。患者さんにとって、“最善で優しい治療”を常に追求していきたいと考えています。
文責:上部消化管外科 部長 鈴木 一史

2018年8月号(冊子)

2018年8月号「白いまど」表紙画像

  • 表紙・特集
    がんに克つ!⑫からだに優しい胃がん手術
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
    上部消化管外科
  • 診療を支えるスペシャリスト
    外科専任看護師(手術室看護師)

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