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4月 がんに克つ!11 脳腫瘍って「がん」ですか?



【特集】がんに克つ!11 脳腫瘍って「がん」ですか?

日本人の2人に1人が一生のうちに一度はなるといわれている『がん』。
シリーズ「がんに克つ!」では、日本人がかかりやすいがんを中心に、その特徴・最新治療・予防法などを紹介します。

「脳腫瘍」と聞くと、怖い病気だという印象を持つ方が多いのではないでしょうか?しかし、脳腫瘍すべてが「悪い腫瘍=がん」というわけではありません。脳腫瘍は一つの病気ではなく、たくさんの種類があり、良性の腫瘍や悪性の腫瘍もあるのです。

原発性腫瘍と 転移性腫瘍がある

頭蓋骨内の構造イラスト

頭蓋骨内の構造

脳腫瘍は、頭蓋骨の内部にできる腫瘍の総称です。頭蓋骨内にはじめからできる脳腫瘍を「原発性脳腫瘍」、頭蓋外(頭蓋(脳を取り囲む骨)の外側)のがんが転移してできる腫瘍を「転移性脳腫瘍」といいます。転移性脳腫瘍のほうが原発性脳腫瘍よりもはるかに多いといわれています。転移性脳腫瘍の治療は、基本的に放射線治療です。

原発性脳腫瘍は、発生頻度は少ないが 種類はとても多く、治療も異なる

部位別がん罹患率グラフ

部位別がん罹患率(全年齢 人工10万人対 2013年)
資料:国立がん研究センターがん対策情報センター

原発性脳腫瘍は、脳そのものにできる「脳実質内腫瘍」と、脳の周囲にある膜・神経・下垂体にできる「脳実質外腫瘍」に大きく分けられます。さらに細かく分けられ、全部で130種類ほどもあります。発生頻度は年間10万人に10人程度と少なく、  しかもその治療法は種類によって違うので、正確に診断する必要があります。MRIやCT・脳血管撮影などに加え、組織を少し採って調べる手術を行うこともあります。

悪性脳腫瘍の代表は「神経膠腫」、良性脳腫瘍の代表は「髄膜腫」・「下垂体腺腫」・「聴神経腫瘍」

これらの腫瘍で全体の8割を占めます。悪性といっても高悪性度から低悪性度まであり、稀ですが良性の神経膠腫もあれば、悪性の髄膜腫もあります。悪性腫瘍は、手術と放射線と抗がん剤を組み合わせて治療します。良性の腫瘍は、手術で治すことが基本ですが、大きくなるスピードが遅ければ様子を見ることもあります。つまり、良性の腫瘍でも、頭蓋骨内という限られたスペースで大きくなり、正常な脳を圧迫するため治療が必要になるのです。良性腫瘍は、手術ですべてとれば治りますが、大事な神経や血管にくっついているために残す場合があります。この場合、繰り返し再発すると、たとえ良性腫瘍でも臨床経過は悪性ということもあるのです。

脳腫瘍を疑う症状はさまざま

脳腫瘍を疑う症状は突然に症状がでる脳梗塞などと違い、徐々に出現し悪化し続けるのが特徴です。特に、朝起床時に強い頭痛を訴える場合や大人になってから初めてけいれん発作が生じた場合などは、要注意です。
脳腫瘍の疑いがあるといわれたら、しっかりと検査を受けて診断をつけることが最も大切です。

文責:脳腫瘍科 部長 稲永 親憲

2018年4月号(冊子)

2018年4月号「白いまど」表紙画像

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    がんに克つ!11 脳腫瘍って「がん」ですか?
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