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がん・生殖外来



がん・生殖外来では、がん治療や造血幹細胞移植などによって妊孕性(生殖機能)の低下が予想される患者さんを対象に、妊孕性温存医療を行っています。精子凍結、受精卵(胚)凍結、未受精卵子凍結、卵巣組織凍結に対応し、将来の妊娠や家族形成の可能性を守るための支援を行っています。当院では1998年より医学的適応による精子凍結を開始し、2019年から未受精卵子凍結、2023年から卵巣組織凍結を導入しました。がん診療科と生殖医療チームが連携し、限られた時間の中でも迅速かつ安全な対応を心がけています。

妊孕性温存とは

近年、がん治療の成績向上により、多くの患者さんが治療後も長い人生を歩めるようになりました。一方で、抗がん剤治療や放射線治療、造血幹細胞移植などによって、生殖機能が低下したり失われたりする可能性があります。
妊孕性温存とは、がん治療開始前に精子・卵子・卵巣組織などを保存し、将来の妊娠の可能性を残す医療です。
現在では、妊孕性温存は「将来の選択肢を守るための医療」として国内外のガイドラインで推奨されています。

対象者

  • がん治療前に妊孕性温存を希望する方
  • 抗がん剤治療を予定している方
  • 放射線治療を予定している方
  • 造血幹細胞移植を予定している方
  • 性腺摘除を伴う治療を予定している方
  • 将来子どもを持つ可能性を残したい方

主な妊孕性温存方法

男性
女性
  • 受精卵(胚)凍結
  • 未受精卵子凍結
  • 卵巣組織凍結

がん・生殖外来の特徴

静岡県西部で男女双方の妊孕性温存に対応

男性では精子凍結、Onco-TESE(がん患者に対する精巣精子採取術)、女性では受精卵凍結、未受精卵子凍結、卵巣組織凍結に対応しています。患者さんの年齢や婚姻状況、原疾患、治療開始までの期間を考慮しながら最適な方法を提案しています。

未婚女性の妊孕性温存にも対応

従来は受精卵凍結が中心でしたが、当院では未婚女性に対する未受精卵子凍結を導入し、将来の妊娠の可能性を残す選択肢を提供しています。がん治療前の限られた期間の中で、婦人科腫瘍医や原疾患担当医と連携しながら治療を進めています。

卵巣組織凍結に対応

小児患者や、卵子採取のための時間を確保できない患者さんでは、卵巣組織凍結が唯一の妊孕性温存方法となる場合があります。
当院では関連施設との連携のもと、卵巣組織凍結を実施しています。卵巣組織凍結は高度な技術と体制を必要とするため、全国的にも実施施設は限られています。静岡県西部でこの選択肢を提供できることは当院の大きな特徴です。

がん治療と生殖医療の迅速な連携

妊孕性温存では、がん治療を遅らせないことが最も重要です。
当院は総合病院であり、
  • 血液内科
  • 乳腺外科
  • 婦人科
  • 泌尿器科
  • 小児科
  • 放射線治療科

などとの連携が容易で、迅速な診療体制を整えています。

妊孕性温存後の妊娠まで支援

妊孕性温存は保存して終わりではありません。
当院では、温存後に妊娠を希望された際の、
  • タイミング療法
  • 人工授精
  • 体外受精
  • 顕微授精

などにも対応しています。
妊孕性温存から妊娠・出産まで継続して支援できることが当院の大きな強みです。

医療機関の先生方へ

がん治療開始前のご紹介をお願いします
妊孕性温存は、がん治療開始前に検討することが最も重要です。
近年のガイドラインでは、将来の妊孕性に影響する可能性のある治療を行う際には、妊孕性温存に関する情報提供と生殖医療専門施設への紹介が推奨されています。
患者さんの年齢や婚姻状況にかかわらず、
  • 将来子どもを持ちたい可能性がある
  • 妊孕性温存について知りたい
という患者さんがおられましたら、ぜひ当外来へご相談ください。

がん治療と将来の家族形成を両立するために


がんと診断された患者さんにとって、まず最優先されるべきは原疾患の治療です。しかし同時に、治療後の人生について考えることも大切です。
私たちは、がん治療を妨げることなく、将来の妊娠や家族形成の可能性を守るための支援を行っています。
特に女性の未受精卵子凍結や卵巣組織凍結は、導入までに多くの準備と院内外の連携を重ねて実現した診療です。静岡県西部の患者さんが県外へ行かなくても相談できる環境を整えてきました。
妊孕性温存は「今すぐ妊娠するための医療」ではなく、「将来の選択肢を残すための医療」です。患者さん一人ひとりの人生に寄り添いながら支援してまいります。


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