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5月 こどもと感染症/小児科



【特集】こどもと感染症

今年の冬はインフルエンザの話題をほとんど聞きませんでした。公の機関が行っている調査を見てみると、実際にこの冬にインフルエンザにかかった人がほとんどいなかったことがわかります。

インフルエンザ罹患数グラフ

元気に遊ぶ子供のイラスト

同様に、こどもたちがいつもならよくかかっている病気もほとんど流行しませんでした。たとえば、あかちゃんがかかると重い呼吸の症状が出ることがあるRSウイルス感染症に関しても、昨年一年を通じて流行に至ることはありませんでした。これは、調査を開始してから初めてのことです。手足口病やプール熱、ヘルパンギーナと言った、「夏かぜ」としてよく見られる病気も昨夏はかなり少なかったのです。これは、多くの人が感染症に興味を持ちその予防に注意を払った結果かもしれません。こどもたちが感染症にかかる機会が減ったことは喜ばしいことです。しかし、この状況には少しだけ気を付けておく必要もあります。
人間の免疫の働きは生まれたときから十分に備わっているものではありません。生後、かぜを引いたり予防接種を受けたりすることで徐々に培われていくものです。こどもたちはこのようにして免疫の働きをトレーニングして完成させていくのですが、十分なトレーニングを受けられないと感染症が再び流行したときにかかりやすかったり、症状が重くなってしまったりすることが危惧されます。

重い症状や合併症が心配になるいくつかの病気には予防接種があり、その病気がひどくならないようにあらかじめトレーニングしておくことができます。しかし、予防接種で防ぐことのできる病気は限られています。
症状の軽いかぜを何度か引きながら免疫の働きを高めていくことも、こどもの成長には必要となる側面もあるように思います。
予防接種で防ぐことのできる病気はきちんと防ぎながら、こどもたちが感染症にかかった時には、早めにかかりつけ医を受診するなど、私たち大人も適切な対応が取れるように準備しておくことが大切です。

文責:小児科 部長 大呂 陽一郎

こどもの健康をさまざまな面からサポート

【診療科・センター紹介】小児科

小児科メンバー写真

小児科は主に中学生までのこどもたちを対象とした診療科です。こどもには成長、発達という大きな特徴があります。それは、単純に身体の大きさやこころの発達だけにとどまらず、いろいろな身体機能を成熟させていく過程です。そのため、発熱や咳、痛みなどの症状の対応や、家族が抱く育児の悩みや不安、気になる身体の問題などの相談だけではなく、予防接種や健診を通じて、病気の予防や健康状態の維持にも配慮しています。さらに、慢性疾患を抱えたこどもたちが少しでもよりよい成長や発達を遂げられるように専門的な医療にも取り組んでいます。
小児科は、さまざまな側面からこどもたちの健康を支え、順調な成長や発達を遂げさせることを大きな目標にしています。心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
文責:小児科 部長 大呂 陽一郎(写真前列左から2番目)

2021年5月号「白いまど」表紙画像

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2021年5月号(冊子)

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