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生物学的モニタリングとは、どういうことですか?


生物学的モニタリングは、鉛・有機溶剤などの有害物質の取扱いまたは作業環境中への発散により労働者がばく露された状況を知るための検査です。
血中鉛や尿中デルタアミノレブリン酸、あるいは馬尿酸・メチル馬尿酸・マンデル酸・総三塩化物などの尿中代謝物の検査がこれに該当します。ヒトの体内に取込まれた有害物質は、時にはそのままの形で、あるいは体内で代謝され異なった物質になって血液中に存在したり、尿へ排出されたりします。
それらの物質を含む血液や尿を検査することにより、①有害物質の労働者へのばく露状況 ②有害物質から受けた生体影響の程度が把握できます。

しかし、生物学的モニタリング検査は、疾病の診断や治療のために実施する臨床検査とは異なります。労働者の健康状態を診るものではありません。
ばく露された有害物質の体内への取込みの状態や生体影響の程度を把握することにより、適切な作業環境管理・作業管理を行い、健康障害の発現を予防することに役立ちます。

しかし、検査の正確さを期すためには、適切な時間帯に検体を採取する必要があります。有機溶剤健康診断の適正な尿採取は「作業日の業務終了時前後」です。臨床検査の尿蛋白・糖検査のように、いつ採尿してもよいというものではありません。

有機溶剤中毒予防規則に基づく尿中代謝物の量の検査は、尿中メチル馬尿酸、尿中N-メチルホルムアミド、尿中マンデル酸、尿中トリクロル酢酸または総三塩化物、尿中馬尿酸、尿中2,5-ヘキサンジオンです。
鉛中毒予防規則では、血中鉛、尿中デルタアミノレブリン酸、赤血球中プロトポルフィリンの量の検査が規定されています。