このページの目次
- Q.どうして痛みがあるのですか?
- Q.変形性膝関節症とは何ですか?
- Q.痛みは自然にとれますか?
- Q.どのような治療方法がありますか?
- Q.手術をしたくない場合、それに代わる治療法はありますか?
- Q.手術をするとどのくらいで痛みがなくなりますか?
- Q.通院はどれくらいしなければなりませんか?
- Q.完治しますか?
A.本来の健康な膝は、向かい合う骨の各々に軟骨の膜があり、滑らかに動くようになっています。これが、加齢や肥満、重労働などのストレスで徐々にすり減ってくると、軟骨が薄くなってきます。更に進むと、軟骨が無くなり、骨同士が直接ふれあって削れるようになり、膝の曲げ伸ばしの際に強い痛みを感じるようになります。
A.膝の変性により関節の軟骨がすり減り、骨同士が擦れ合って変形した状態をいいます。一種の老化現象あり、髪が白くなったり、顔にしわが増えたりするのと同じです。決して特別な病気ではありません。ただ、関節の変性は、その使い方で変わってきます。具体的には肥満や重労働、過度のスポーツなどをされた方、過去に膝を傷めた事のある方では、膝の変性はより早く起こるかも知れません。
A.膝の変性が軽度のうちは、原因を取り除く(ダイエット、仕事を減らす)ことで痛みが消失することも有ります。また、痛み止めの内服や外用薬、関節の注射によって痛みを押さえることも出来ますが、これらの治療で膝が元に戻る訳ではありません。変性が進んでくると、注射でも痛みが押さえられなくなってきます。
A.初期の治療としては、シップや内服を用い、それでも痛みが取れない方には関節注射を用います。関節注射でも痛みを押さえられないほど変性が進んだ場合、人工膝関節置換術という手術によってこれを改善する方法があります。
A.先にも書きましたが、注射などにより痛みを和らげることはできます。ただしこれらの治療は痛みを抑えるものであり、関節の変形が治るわけではありませんので、効果にもおのずと限界があります。一方、これらの治療で効果的に痛みが抑えられるのであれば、手術を急ぐ必要はありません。
A.人工膝関節置換術手術では、痛んだ関節の表面を削り、金属で覆います。これにより、傷んだ骨同士が擦れ合うことで生じる痛みは、ほぼ消失します。ただし、手術自体の痛みがしばらく残ります。目安として、およそ数日から2~3週で痛みが落ち着くようです。
A.人工関節は、一種の機械です。ですので定期的にレントゲンで調べて、問題ないか確認することをおすすめします。こうすることで、人工関節に異常(ゆるみ、破損等)があった場合も速やかに対応できます。初期には1~2カ月毎、その後も半年~1年に1回は外来に受診してください。
A.皆さんが完治という言葉をどう捉えるかで返事が変わってきます。変形性膝関節症が老化の1つである以上、完全な元の膝に戻ることはありません。ですが、手術することによって痛みが大きく改善すれば、痛みによって制限されていた行動範囲も大きく広がるでしょう。