C5病棟

  • 精神科(精神科身体合併症)
患者・家族と医療チームが一緒に考えるからできる看護実践

Q

病棟ではどのような看護ができますか?

A

基礎教育で学習する「問題解決型支援」に加え、精神科看護師に必要な「伴奏型支援」を行い、パーソナルリカバリーを大切にした看護を学習することができます。

ここに注目!

精神(こころ)は誰もが持つものです。こころの健康が脅かされると「自分の事は自分で決めたい」という当たり前のことができない状態になることがあります。「SOS」の出し方は人それぞれ違います。患者さんのこころの揺らぎを「クライシス・プラン-J」「ストレングスマッピングシート」などを用いて言語化することで患者さんも支援者も共通言語を持つことができます。これらができるのは多職種と協同し作成していく精神科看護師の力です。

看護体制(実際のPNS場面)

助けて~
先輩!

精神科? 一般科? 先輩! 患者さんがおこっています。どうしよう。
【先輩看護師】
Aさん。どうしたの?そんな困った顔をして…。
【新人看護師】
せんぱ~い。みてください。
先ほど入院した発達障害のある誤嚥性肺炎のBさん、ご飯投げちゃったんです。
お腹がすいていないんでしょうか?
【先輩看護師】
あらあら。どうして投げたのか聞いてみた?
【新人看護師】
聞いていませんよ。だって凄い怖い顔しているんですよ。すぐ退室してきましたよ。
【担当医】
ご飯食べられなさそう?投げたの?活動性が高いなぁ。
本当はしたくないけれど、行動制限考えた方がいいかな。
【新人看護師】
活動性が高い…?
【先輩看護師】
待って、先生。誤嚥性肺炎だからペースト食を提供したんです。
自宅とは違って混乱しているのかもしれないですね。
Aさん。まだ、Bさんのご家族いらっしゃる?普段の様子を聞いてみましょう。
【新人看護師】
はい…
(誤嚥なんだからこの間の研修で教わったマニュアルにそって飲水テストしたもん。ルールにあった指定の食事を出したのに。何で家族に聞くの?)
【先輩看護師】
ご自宅ではどのようなご飯を食べていましたか?
【母親】
看護師さんごめんね。家でも普通のご飯以外はたべないのよ。
息子(B)は昔からそう。困ったわ。
【先輩看護師】
では今回のようなペースト食はご飯だと思えなかったのかもしれませんね。
このままでは食事が摂れませんね。
STさんと協力して1品でも食事形態の変更が可能か確認してみましょう。
【新人看護師】
はい。
(へぇ。そんなことできるんだ。研修では言ってなかったな。)
【先輩看護師】
それと自宅では食事をどのようにセッティングしていましたか。
【母親】
拘りがあってね。
ご飯は右、おかずは左、水は左、お箸は右側に縦に置くのよ。
【先輩看護師】
Aさん。どうする?
【新人看護師】
やってみます!
「助けて~先輩!」からの「そうか! そう考え対応するのか!」へ
【先輩看護師】
固形物を食事と認識されていた方に「お食事です」とペーストを持って行っても認識できなかったのかもしれないね。
誤嚥性肺炎がある以上何でも食べて良いとは言ってあげられないから、Aさんの行なった評価は大切な結果ね。
同じくらい大切な事は、その方が何に困って行動を持ってこちらにSOSを出しているのかを知る努力ね。
ご家族は沢山工夫をしているの。聞くことはとても大切な事だと思うよ。
【新人看護師】
そう考えればいいんですね
学校で学習したことはとても大切。
学習した知識にその人個人の日常を足さなければ入院生活は支援できません。
先輩や多職種のスタッフはこんな感じで新人看護師の気づきを支援します。
C5病棟は医療チームで新人看護師を育成しています。