主な検査項目について簡単に説明しています。
※基準値は検査結果報告書をご参照ください。
※検査結果の詳細につきましては主治医にご相談ください。
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生化学検査 | 全身状態 | TP(総蛋白) | 全身の栄養状態や健康状態をみます。蛋白質は主にアルブミンとグロブリンに分けられます。アルブミンは血液中の水分を一定に保つはたらきをしており、グロブリンは抗体をつくるなど免疫機能の主力となっています。 |
アルブミン | 蛋白質などから肝臓でつくられます。からだの中でいろいろな物質を運ぶ重要なはたらきをしています。アルブミンが少なくなると血液の浸透圧が保てず、むくみが出ます。 | ||
肝臓・胆道系 | T-Bil(総ビリルビン) | ビリルビンが増加した状態が黄疸です。赤血球は、寿命(約120日)がくると肝臓や脾臓で壊されます。ビリルビンは赤血球中のヘモグロビンが壊れてできる色素で、肝臓で処理され胆管を通って便へと排泄されます。肝臓で処理された後のビリルビンを直接ビリルビンといいます。赤血球がたくさん壊れたり、肝臓や胆管に異常があると増加します。 | |
D-Bil(直接ビリルビン) | |||
AST(GOT) | 蛋白質からアミノ酸をつくる酵素です。肝臓・心臓・骨格筋に多く存在しており、これらの細胞に障害があると血液中に増加します。 | ||
ALT(GPT) | AST同様、アミノ酸をつくる酵素です。肝臓に多く含まれています。 | ||
LDH | ブドウ糖がエネルギーに変わる時にはたらく酵素です。肝臓・腎臓・心臓・骨格筋に多く存在しますが、からだの広い範囲に存在するため様々な病気で血液中に増加します。 | ||
ALP(アルカリフォスファターゼ) | からだのエネルギーの代謝にかかわる酵素です。多くの場合、肝臓と骨の異常により血液中に増加します。ALPは肝臓から胆汁中に流れ出します。胆道系に異常があると逆流して血液中に増加します。 | ||
γ-GTP | 肝臓・腎臓に多く含まれている解毒作用に関係している酵素で、アルコールに敏感に反応します。肝臓や胆道系に異常があるときには、他の酵素より早く反応を示します。 | ||
Ch-E(コリンエステラーゼ) | 肝臓でつくられ、腎臓から排泄される酵素です。肝臓に障害があるとつくられる能力が低下し減少します。また腎臓に障害があると排泄されなくなり増加します。 | ||
心臓 | CK | 心臓をはじめ骨格筋など筋肉の中にある酵素です。これらの細胞に異常があると血液中に増加します。激しい運動などでも上昇します。 | |
膵臓 | AMY(アミラーゼ) | 食物から摂取したでんぷんを糖に分解する消化酵素で、主に膵臓に存在するため膵臓のはたらきがわかります。また、耳下腺にも存在するため耳下腺炎でも増加します。 | |
痛風・腎臓 | UA(尿酸) | 肉などに多く含まれるプリン体の老廃物で腎臓から排泄されます。プリン体の過剰摂取や腎機能に低下があると尿酸が結晶化して痛風や結石のもととなります。 | |
腎臓 | BUN(尿素窒素) | 血液中の尿素の値です。尿素は、体内で蛋白質が分解されてできる老廃物で腎臓から排泄されます。腎臓の機能が低下すると増加します。 | |
CRE(クレアチニン) | 筋肉運動のエネルギー源となるアミノ酸の老廃物で腎臓から排泄されます。腎臓の機能が低下すると増加します。クレアチニンの値は筋肉量に比例するので、男女によって差があります。また、筋肉量の少ない小児や高齢者では成人に比べ低値となります。 | ||
腎臓・ホルモン | Na(ナトリウム) | からだの水分を調節するはたらきがあります。ナトリウムが多すぎると、これを薄めるために体内に水がたまってしまい、むくみや高血圧の原因になります。 | |
K(カリウム) | 神経や筋肉のはたらきを調整しています。カリウムが低いと神経が麻痺し、高すぎると不整脈など心臓に悪影響があります。 | ||
Cl(クロール) | 体内の水分量の調節やPHの調節をしています。 | ||
Ca(カルシウム) | 骨や歯の形成、神経刺激の伝達、血液の凝固などのはたらきをしています。カルシウム濃度が低下すると骨や歯から溶け出して濃度を維持しようとするので骨がもろくなります。 | ||
IP(無機リン) | カルシウムとともに骨の重要な構成成分です。無機リンは、腎臓で調節され尿中に排泄されます。腎機能の低下で増加します。また、高値になる原因として副甲状腺機能低下症、低値になる原因として副甲状腺機能亢進症やビタミンDが欠乏していることが考えられます。 | ||
脂質 | 総コレステロール | 細胞膜の材料となったり、血管壁を構成する重要な役割を果たしています。また、脂肪の消化を助ける胆汁酸の主成分ともなっており、からだに大切な成分のひとつです。しかし増えすぎると動脈硬化の一因となります。 | |
TG(中性脂肪) | エネルギー源であるブドウ糖が不足してくると、貯蔵されている脂肪が分解されてエネルギーとして使われます。からだに取り込んだエネルギーが余った場合、肝臓で中性脂肪がつくられ皮下脂肪として蓄えられます。中性脂肪は、なくてはならないものですが、肝臓で増えすぎれば脂肪肝に、皮下組織で増えすぎれば肥満につながります。 | ||
HDLコレステロール | 善玉コレステロールと呼ばれています。動脈硬化を防ぐ作用があります。喫煙や運動不足で低下します。 | ||
LDLコレステロール | 悪玉コレステロールと呼ばれています。動脈硬化を引き起こす原因となります。 | ||
LDL/HDL比 | LDLが正常であってもHDLが低いと動脈硬化への危険度が高くなると言われています。2.0以下であれば健康な状態。2.5以上であれば要注意です。 | ||
※糖尿病や高血圧の患者さんでは1.5以下を目指します。 | |||
糖尿病 | 血糖 | 血液中のブドウ糖の濃度です。食物を摂取して血糖値があがると膵臓からインスリンが分泌されます。このインスリンの量が少なかったり、はたらきが悪いと高血糖の状態が続きます。これが糖尿病です。血糖は食事の影響を受けやすく、食後に高くなります。 | |
HbA1c(ヘモグロビンA1c) | 血糖値は、その時点の血糖の状態しかわかりません。HbA1cは、過去1~2カ月間の血糖の状態を知ることができます。血糖の異常は、いろいろな合併症の危険性があるので、早期発見・治療が大切です。 | ||
炎症 | CRP | からだの中に炎症が起きたり、組織の一部が壊れたりした場合に、すぐに血液中にあらわれる蛋白です。 | |
血液検査 | WBC(白血球数) | 細菌などの異物がからだに入ってくると、白血球の数が増加してからだを守ります。白血球の数が少ない場合は、からだの抵抗力がおちて感染症などにかかりやすくなります。 | |
貧血 | RBC(赤血球数) | 赤血球は骨髄でつくられ酸素を運ぶはたらきをしています。赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリットの3つの検査は、赤血球の状態を調べるもので貧血の診断のために行われますが、全身状態を把握する上でも有効なため、血液一般検査の基本項目のひとつとなっています。赤血球の数が増えすぎると血液が濃くなって流れにくくなり、血管が詰まりやすくなります。 | |
Hb(ヘモグロビン) | |||
Ht(ヘマトクリット) | |||
PLT(血小板数) | ケガなどをしたときに出血を止めるはたらきをします。血小板が少ないと血が止まりにくくなります。 | ||
MCV | 平均赤血球容積;赤血球1個の大きさです。 | ||
MCH | 平均赤血球ヘモグロビン量;赤血球1個に含まれるヘモグロビンの量です。 | ||
MCHC | 平均赤血球ヘモグロビン濃度;赤血球1個に含まれるヘモグロビンの濃度です。 | ||
血液 | 血液像 | 白血球の種類を顕微鏡で分類しバランスが崩れていないかを調べます。赤血球や血小板の形や異常のある細胞がないかもチェックします。 | |
尿一般検査 | 尿 | 色調 | 尿の色は、摂取した水分の量、運動、薬の服用などで変わります。膀胱炎などで膿が混じると白く濁ります。尿に血が混じる時は、腎臓か尿路の病気が考えられます。 |
混濁 | 尿に含まれる塩類が結晶化しているか、尿路が細菌などに感染しているか、血尿がある場合に濁ります。 | ||
比重 | 尿中の水分と蛋白や糖などの水分以外の物質の割合を調べます。 | ||
PH | 尿が酸性かアルカリ性かを調べます。 | ||
蛋白定性 | 腎臓に障害があると陽性になります。腎臓に障害がなくても激しい運動や強いストレスによって一時的に陽性となることがあります。 | ||
糖定性 | 血糖値が約170mg/dlを超えると尿に糖が漏れ出てきます。妊娠をすると腎臓でろ過される血液量が増加し、腎臓の糸球体に負担がかかり、また尿路での再吸収機能が低下し尿に糖が出やすくなります。 | ||
ケトン体 | ブドウ糖をエネルギー源として使えないとき、ブドウ糖の代わりに脂肪が分解された廃棄物です。インスリンが不足している場合や過激なダイエットなどで陽性となることがあります。 | ||
潜血 | 血尿を発見することができます。腎炎や結石、膀胱炎などで陽性となります。 | ||
ウロビリノーゲン | ビリルビンが腸内細菌によって変化したもので、正常な人でも尿に少し出ます。 | ||
ビリルビン | 肝臓・胆道系の障害や黄疸を呈する疾患の鑑別に有用です。 | ||
尿沈渣 | 尿中の赤血球、白血球、細胞、細菌を顕微鏡で調べ、数や形態の異常を調べる検査です。 |