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泌尿器科


高度な専門治療と幅広い泌尿器診療を提供します


主任医長:藤﨑 明

前立腺がん・膀胱がん・腎がん・精巣がんなどの泌尿器がんを中心に、専門性の高い診療を行っています。ロボット支援手術をはじめ、内視鏡手術、薬物療法、放射線治療などを組み合わせ、病状や全身状態に応じた治療方針を検討します。進行がんに対しては、薬物療法や放射線治療を中心に、病状や全身状態に応じて手術も含めた集学的治療を行い、診断から治療、その後の経過観察まで継続して支援します。また、尿路結石、前立腺肥大症、排尿障害、尿失禁、尿路感染症などの泌尿器疾患にも幅広く対応しています。良性疾患から悪性腫瘍まで、年齢や併存疾患にも配慮し、患者さん一人ひとりの病状やライフスタイルに合った最適な治療を提供します。

特色ある診療

前立腺がん・腎がん・腎盂・尿管がん・膀胱がんに対するロボット支援手術

©インテュイティブサージカル合同会社

前立腺がん、腎がん、腎盂・尿管がん、膀胱がんに対して、からだへの負担をできるだけ抑えたロボット支援手術を行っています。2016年に前立腺がんの手術から開始し、その後、腎がん、腎盂・尿管がん、膀胱がんへと治療の対象を広げてきました。

ロボット支援手術では、小さな創で精密な操作を行うことができ、出血量や術後の痛みを抑え、早期回復を目指すことができます。2025年までに累計683件のロボット支援手術を行っており、近年は年間100件前後の手術を実施しています。
詳しくは、各疾患のページをご覧ください。

前立腺がんに対する放射線治療

腫瘍放射線科と連携し、2021年5月より低・中リスクの前立腺がんを対象に、サイバーナイフによる定位照射を開始しました。現在は、症例に応じてホルモン療法を併用することで、高リスク症例にも対応しています。
サイバーナイフによる定位照射は通常5回の照射で治療を行うため、治療期間を短くできることが特徴です。遠方にお住まいの方や通院が難しい方では、照射期間中の入院についても相談できます。治療件数は年々増加しており、2025年には97件を実施しました。

一方で、すべての前立腺がんにサイバーナイフが適しているわけではありません。病変の広がりや部位、前立腺周囲への進展の有無、全身状態、通院方法、患者さんのご希望などを踏まえ、腫瘍放射線科と相談しながら治療方法を検討します。サイバーナイフが適さない場合には、IMRTによる20回照射を選択します。従来の38〜40回照射では約8週間を要していましたが、20回照射では約4週間で治療を行うことができ、通院負担の軽減につながります。

主な対象疾患

尿路性器悪性腫瘍

前立腺がん、腎がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、精巣がんなどの泌尿器がんに対して、診断から手術療法、放射線療法、薬物療法までを組み合わせた集学的治療を行っています。手術ではロボット支援手術、腹腔鏡手術、内視鏡手術を積極的に取り入れ、病状に応じてからだへの負担を抑えた治療を選択します。また、腫瘍放射線科と連携し、病変の制御や症状緩和を目的とした放射線治療にも対応しています。進行がんでは、化学療法、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬などによる薬物療法を行い、症状緩和や療養支援が必要な場合には、緩和医療科とも連携しながら診療を行います。
主な泌尿器悪性腫瘍 診療内容
限局性前立腺がん(転移のない前立腺がん) 年齢、全身状態、がんの悪性度や患者さんの希望を踏まえて治療方針を検討します。ロボット支援前立腺全摘除術、サイバーナイフやIMRTによる放射線治療のほか、低リスク症例ではアクティブサーベイランスも選択肢となります。
転移を有する前立腺がん 男性ホルモンの働きを抑える治療に新規ホルモン薬を組み合わせた治療を基本とします。病状や全身状態に応じて化学療法を選択することもあります。また、前立腺原発巣や骨転移に対して放射線治療を行う場合もあります。
去勢抵抗性前立腺がん ホルモン療法中に病勢の進行を認める去勢抵抗性前立腺がんでは、新規ホルモン薬、化学療法などを病状に応じて選択します。骨転移による痛みに対しては、症状緩和を目的とした放射線治療も行います。PSMA標的治療など、当院で実施していない治療が適応となる場合には、実施可能な医療機関と連携します。
限局性腎がん(転移のない腎がん) 4cm以下の小径腎がんでは、ロボット支援腎部分切除術を積極的に行っており、症例によっては7cm以下の腫瘍にも適応を検討します。部分切除が難しい場合には、腹腔鏡手術やロボット支援手術による腎摘除術を行います。
転移を有する腎がん 生検で組織型を確認し、免疫チェックポイント阻害薬を中心とした薬物療法を行います。免疫チェックポイント阻害薬同士の併用療法、または免疫チェックポイント阻害薬と分子標的薬の併用療法を選択します。
転移のない腎盂・尿管がん 画像検査や尿細胞診、尿管鏡検査による生検で診断し、ロボット支援腎尿管全摘除術を積極的に行っています。腫瘍の進行度や再発リスクに応じて、手術前後に化学療法を併用することもあります。
転移を有する腎盂・尿管がん 全身状態や腎機能、病状を踏まえ、抗体薬物複合体や免疫チェックポイント阻害薬を中心とした薬物療法を行います。症例に応じて、従来の化学療法なども検討します。
筋層非浸潤性膀胱がん 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を行い、病理結果に応じて追加治療を検討します。再発・進展リスクが高い場合には、BCG膀胱内注入療法を行いますが、悪性度が高い症例や治療抵抗性の症例では膀胱全摘除術を検討することもあります。
筋層浸潤性膀胱がん 化学療法を併用したロボット支援膀胱全摘除術を行っています。年齢や全身状態、病状によっては、放射線治療や化学療法を組み合わせた膀胱温存療法も検討します。
転移を有する膀胱がん 全身状態や腎機能を踏まえて薬物療法を行います。プラチナ製剤を用いた化学療法、免疫チェックポイント阻害薬、抗体薬物複合体などを組み合わせ、治療効果や副作用を確認しながら治療を進めます。
精巣がん 腫瘍マーカーや画像検査を行い、高位精巣摘除術により診断と治療を行います。病理結果や転移の有無に応じて、経過観察や化学療法などを選択し、進行例では化学療法を中心とした集学的治療を行います。

良性疾患・尿路感染症

尿路結石、前立腺肥大症、排尿障害、尿失禁、尿路感染症などの泌尿器疾患にも幅広く対応しています。薬物療法に加え、内視鏡手術、レーザー治療、体外衝撃波治療などを病状に応じて選択し、患者さんの症状や生活背景に合わせた診療を行います。
また、男性不妊症、精索静脈瘤、ED、LOH症候群、ジェンダーに関する診療については、リプロダクションセンターと連携して対応しています。放射線性膀胱炎に対しては、症例に応じて高圧酸素療法にも対応しています。
主な疾患 診療内容
尿路結石 腎結石、尿管結石に対して、結石の大きさや位置、症状に応じて治療方針を検討します。腎・尿管結石では入院での内視鏡的レーザー砕石術を中心に行い、症例によって体外衝撃波結石破砕術(ESWL)も選択します。膀胱結石に対しても内視鏡的レーザー治療を行っています。
前立腺肥大症 排尿困難、頻尿、残尿感、尿閉などに対して薬物療法を行い、効果が不十分な場合には光選択的前立腺蒸散術(PVP)を検討します。前立腺が大きいなどPVP以外の治療が望ましい症例では、対応可能な医療機関へ紹介することもあります。
排尿障害・過活動膀胱 頻尿、尿意切迫感、夜間頻尿、排尿困難などに対して、問診や検査を行い、原因に応じた治療を行います。生活指導や薬物療法を中心に、症状の改善を目指します。
尿失禁 腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、前立腺手術後の尿失禁などに対応しています。薬物療法や骨盤底筋訓練に加え、女性の腹圧性尿失禁には尿道スリング手術(TOT)、前立腺手術後の重症尿失禁には人工尿道括約筋植込術(AMS800)を行っています。
尿路感染症 膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎などに対して、抗菌薬治療や原因検索を行います。重症例や尿路閉塞を伴う場合には、入院治療や尿路ドレナージを行います。全身管理が必要な場合には、救命救急科とも連携しながら治療を行います。
尿路閉塞・水腎症 尿管結石や腫瘍などにより尿の流れが妨げられる場合には、尿管ステント留置や腎瘻造設などの尿路ドレナージを行い、腎機能の保護や感染の改善を図ります。

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