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10月 がんに克つ!13 子宮体がん/婦人科



【特集】がんに克つ!13 子宮体がん

日本人の2人に1人が一生のうちに一度はなるといわれている『がん』。
シリーズ「がんに克つ!」では、日本人がかかりやすいがんを中心に、その特徴・最新治療・予防法などを紹介します。

早期発見、早期治療が重要! 症状があったら受診を

子宮体ガン発症位置イメージイラスト

どのくらいの人がかかるの?
 子宮にできるがんは腟内の子宮入り口にできる子宮頸がんと、子宮奥の内膜にできる子宮体がんに分けられます。子宮体がんは子宮頸がんと異なり、若年者には少なく40代後半から多くなり、発症ピークは50~60代です。女性が一生のうちにかかる頻度は100人あたり2人くらいです。子宮頸がんと卵巣がんは1 0 0 人あたりそれぞれ1人くらいなので、子宮体がんは婦人科では最も頻度の高いがんです。ちなみに乳がんは100人当たり9人くらいです。

子宮体がんの主なリスク一覧

どのような症状があるの?
 子宮体がんの初発症状は、不正性器出血です。特に閉経後の不正性器出血は注意が必要です。症状が続いたら早めに近くの産婦人科を受診してください。ただし、不正性器出血があるからといってがんとは限りません。多くはホルモン不足による萎縮性腟炎や尿道カルンクルなど、良性疾患によることが多いです。怖がらずに産婦人科にかかることが大切です。
どのような検診をするの?
 通常の子宮がん検診で調べるのは子宮頸がんです。子宮体がんの検診は子宮内まで器具を挿入する必要があるので痛みを伴うことと、検査の感度もあまりよくないため、一般的には不正性器出血や子宮内膜の異常肥厚など、子宮体がんが疑われる方を対象に行います。

診察イメージイラスト

治療は?
 がんは「早期発見、早期治療」が治療の原則です。進行したがんは現在の医療でもなかなか治すことが難しいです。子宮体がんは早期に発見すれば、手術のみで完治でき、再発率も非常に低いです。現在、早期子宮体がんは腹腔鏡による手術が保険適用になっています。当院でも2016年4月から腹腔鏡下子宮体がん手術に取り組んでいます。開腹手術と異なり術後の痛みが少なく、リンパ節郭清*まで行っても術後3日目には退院できます。また今年4月からは子宮頸がんに対しても腹腔鏡手術が保険適用となり、当院でも取り組みを始めています。そして将来的には子宮頸がん・子宮体がん治療へのロボット手術導入を目指しています。
*郭清・・・がんがリンパ節を通って全身に転移することを防ぐために、手術の際、周囲のリンパ節を切除すること

文責:婦人科 主任医長 小林 浩治

【診療科・センター紹介】婦人科

婦人科メンバー写真

婦人科悪性腫瘍手術も低侵襲手術の時代へ

低侵襲手術は創部*縮小によって患者さんの負担を軽減して早期の社会復帰を目指す手術で、腹腔鏡下手術がその代表的なものです。以前より婦人科良性疾患(卵巣嚢腫・子宮筋腫など)に対して行っていましたが、2014年の子宮体がんに対する腹腔鏡下根治術を皮切りに、2018年から子宮頸がんに対しても行われるようになりました。当科も施設認定を受けて2016年から子宮体がん、2018年から子宮頸がんに導入しています。現状では、開腹手術と同等の効果(根治性)が得られる早期がんを対象として、安全性を確認しながら行っています。
 また、最新の低侵襲手術であるロボット(ダビンチ)支援下腹腔鏡下手術を、子宮筋腫など良性疾患に対して開始しました。子宮頸がん・子宮体がんも導入を目指しています。今後もがんを含めたすべての婦人科患者さんの早期社会復帰に向けて、最大限の努力をしていきたいと思っています。
*手術でできる創
文責:婦人科 部長 安達 博(写真 前列左端)

2018年10月号(冊子)

2018年10月号「白いまど」表紙画像

  • 表紙・特集
    がんに克つ!13 子宮体がん
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
    婦人科
  • 診療を支えるスペシャリスト
    緩和ケア認定看護師(認定がん専門相談員)

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