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10月 乳幼児から高齢者まで、誰でも起こりうる病気「鼠径ヘルニア(脱腸)」/ヘルニアセンター



【特集】乳幼児から高齢者まで、誰でも起こりうる病気「鼠径ヘルニア(脱腸)」

鼠径ヘルニア(脱腸)イメージイラスト

鼠径ヘルニアは俗に脱腸とも呼ばれ、お腹の壁(腹壁)が弱くなり臓器などが飛び出てしまう病気です。症状として下腹部(鼠径部)が膨らんで盛り上がっていること(膨隆)を訴える患者さんが多く、時に痛みや吐き気などを伴います。立ち上がったり力を入れたりすると膨らみ、寝ると戻ることを繰り返すのも特徴の一つです。「ただ膨らむだけ…」、「下腹部で恥ずかしいし・・・」と、受診されずに一人で不安を抱え込んでいる方も多いとされています。
鼠径ヘルニアは最も一般的な外科の病気の一つであり、乳幼児から高齢者まで年間14~15万人が手術を受けています。当院では、2020年に約450件(成人 約250件、小児 約200件)の手術実績があり、2021年7月からはヘルニアセンターとして診療しています。
ヘルニアは内科的治療(安静や内服薬、筋肉トレーニング、ヘルニアバンドなどの装具)では決して治ることはなく、手術が唯一の治療法です。放置すると、徐々に膨らみが大きくなって痛みを伴うことや、ヘルニアの大きさに関わらず嵌頓と呼ばれる腸が腐ってしまう状態になることがあります。手術を希望されなかった方の5年以上の長期経過観察では、約7割の方がヘルニア増大や痛みにより最終的に手術を要した報告があります。たとえヘルニアが小さくても、症状を伴う場合は早期の治療をおすすめします。

ヘルニア状態イメージイラスト

鼠径ヘルニア(脱腸)手術後イメージイラスト

外科的治療の基本は、手術による腹壁脆弱部の補強です。小児は縫縮による補強、成人はメッシュ(人工の網のようなもの)でヘルニアの穴をふさぐ方法が一般的です。当院では腹腔鏡手術を中心に治療を行っており、確実安全はもとより身体にかかる負担の少ない治療を目指しています。腹腔鏡手術は、小児では2~3mm、成人では5㎜の小さな穴3か所から鉗子と呼ばれる道具を用いて行います。傷が小さいことから痛みが少なく、治癒が早い、社会復帰が早いなどの特長があります。入院期間は、小児が日帰り~1泊2日、成人が1泊2日~2泊3日です。
まずはお気軽にヘルニアセンターにご相談ください。

文責:ヘルニアセンター長 宮木 祐一郎

ヘルニアセンター

ヘルニアセンターメンバー写真

当院では、腹部ヘルニア(鼠径ヘルニア・臍ヘルニアなど)に対する専門的な治療をさらに多くの方に提供するため、2021年7月に「ヘルニアセンター」を開設しました。乳幼児から高齢者まであらゆる年代に発症する腹部ヘルニアを対象に、小児外科と一般外科ヘルニア専門外来が連携して一貫した治療を行っています。また、患者さんやそのご家族と相談しながら最終的な治療方針を決定しています。
これからも、患者さんの身体にかかる負担が少なく早期回復を目指した腹腔鏡手術を中心に、安全性はもちろん専門的な治療を積極的に行っていきます。

2021年10月号(冊子)

2021年10月号「白いまど」表紙画像

  • 表紙・特集
  •  乳幼児から高齢者まで、誰でも起こりうる病気 鼠径ヘルニア(脱腸)
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
  •  ヘルニアセンター
  • 診療を支えるスペシャリスト
  •  手術関連専門臨床工学技士

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