3月 がんに克つ！24 膵臓がん
【特集】がんに克つ！膵臓がん
膵臓の働きは？
膵臓は肝臓の下にある約15～18cmの横長な臓器で、その機能は大きく二つに分けられます。一つ目が膵液分泌、そして二つ目がホルモン分泌です。膵液は食事中に含まれる栄養分の消化吸収を助けます。ホルモンは血液の中に分泌され、体内のさまざまなバランスを維持します。中でもインスリンが有名で、血糖をコントロールしてくれます。
膵臓がんってどんな病気？
膵臓がんは膵臓に発生するがんで、非常に悪性度が高く、他の臓器に転移しやすいのが特徴です。しかも症状がほとんど出ず、各種検査でも見つけにくいため、早期発見が非常に難しいと言われています。症状は腹痛、腹部膨満、黄疸(おうだん)、血糖の上昇（糖尿病の急激な悪化）などが挙げられますが、症状が出現した時にはすでに進行していることも多いため、人間ドックなどを定期的に受けておくことが重要です。
2019年のがん死亡数の統計で膵臓がんは女性で3位、男性で4位、男女合計で4位となっています。2016年の統計では女性で3位、男性で5位でしたので、徐々に増加傾向にあることが分かります。
2019年のがん死亡数の統計で膵臓がんは女性で3位、男性で4位、男女合計で4位となっています。2016年の統計では女性で3位、男性で5位でしたので、徐々に増加傾向にあることが分かります。
出典：人口動態統計 がん死亡データ
どんな治療をするの？
膵臓がんの治療の基本は手術です。
しかし、手術のみでは高率に再発を来すため、最近では化学療法（抗がん剤治療）と手術を組み合わせる集学的治療が主流となっています。がんの進行度に応じた術前化学療法を約2か月（がんの状態によって期間は若干異なります）行った後に手術を行います。さらに手術後にも化学療法を追加（術後補助化学療法）します。
こうした治療は一つの診療科では完遂できません。当院でも消化器内科、肝胆膵外科、化学療法室が連携して治療にあたっています。
しかし、手術のみでは高率に再発を来すため、最近では化学療法（抗がん剤治療）と手術を組み合わせる集学的治療が主流となっています。がんの進行度に応じた術前化学療法を約2か月（がんの状態によって期間は若干異なります）行った後に手術を行います。さらに手術後にも化学療法を追加（術後補助化学療法）します。
こうした治療は一つの診療科では完遂できません。当院でも消化器内科、肝胆膵外科、化学療法室が連携して治療にあたっています。
危険因子はなに？
膵臓がんの危険因子は糖尿病、肥満、喫煙、慢性膵炎、膵管内乳頭状粘液性腫瘍、遺伝性膵炎、家族歴などが挙げられます。家族歴に関しては、親、兄弟姉妹、子どもなどの第一度近親者に2人以上の膵がん患者が発生した場合と定義されています。これらの危険因子を有する方は、かかりつけ医や人間ドックなどで定期的に検査を受けることが推奨されています。
文責：肝胆膵外科 部長 山本 博崇
文責：肝胆膵外科 部長 山本 博崇
【診療科・センター紹介】肝胆膵外科
患者さん一人一人に合った治療を目指して
肝胆膵外科では肝臓、胆嚢、胆管、膵臓、十二指腸、脾臓の良性疾患（胆石症、膵炎、肝嚢胞など）や悪性疾患（肝臓がん、膵臓がん、胆管がん、十二指腸がん、胆嚢がんなど）に対する治療を行っています。
この領域のがんは悪性度が高く、手術による患者さんの負担も大きいのが特徴です。消化器内科と連携し、手術、抗がん剤、放射線治療を組み合わせた集学的治療を行うことにより根治性の向上を目指すとともに、積極的に腹腔鏡手術を取り入れることにより、患者さんの負担軽減に努めています。
良性疾患に対しては大半の症例で腹腔鏡手術を行っており、特に胆石症に関しては単孔式腹腔鏡手術を導入することにより、整容性にも配慮しています。
さまざまな治療の選択肢を備え、患者さん一人一人の病状や年齢・全身状態・社会環境に合った治療が提供できるよう、心がけています。
肝胆膵外科では肝臓、胆嚢、胆管、膵臓、十二指腸、脾臓の良性疾患（胆石症、膵炎、肝嚢胞など）や悪性疾患（肝臓がん、膵臓がん、胆管がん、十二指腸がん、胆嚢がんなど）に対する治療を行っています。
この領域のがんは悪性度が高く、手術による患者さんの負担も大きいのが特徴です。消化器内科と連携し、手術、抗がん剤、放射線治療を組み合わせた集学的治療を行うことにより根治性の向上を目指すとともに、積極的に腹腔鏡手術を取り入れることにより、患者さんの負担軽減に努めています。
良性疾患に対しては大半の症例で腹腔鏡手術を行っており、特に胆石症に関しては単孔式腹腔鏡手術を導入することにより、整容性にも配慮しています。
さまざまな治療の選択肢を備え、患者さん一人一人の病状や年齢・全身状態・社会環境に合った治療が提供できるよう、心がけています。
| Acute Care Surgery ～重症患者救命のために～ |
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| 数年前から普及してきたAcute Care Surgeryは、「外傷外科」、「救急外科」、「外科的集中治療」の3つを専門とする新しい診療領域です。具体的には交通事故などによる内臓損傷や、大腸穿孔による腹膜炎 などの重症の患者さんに対応しています。当院では肝胆膵外科の医師2名が日本Acute Care Surgery学会認定外科医でもあり、肝胆膵外科領域と並行してこのAcute CareSurgeryにも力を入れています。 重症の患者さんを救命するためには、数多くの診療科や医療スタッフの迅速な連携が不可欠です。特に重症外傷では、救急搬送から手術までの時間が予後を決定すると言っても過言ではありません。救急科や医療スタッフとともに院内システムを構築することで、より多くの重症の患者さんの救命を目指しています。こうした取り組みを通して、浜松市の外傷救急医療に微力ながら貢献したいと考えています。 |
文責：肝胆膵外科 部長 山本 博崇（写真前列左）
2022年3月号（冊子）
- 表紙・特集
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- 診療科・センター紹介
肝胆膵外科
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