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12月 心臓リハビリテ ーションってなに?/循環器科


【特集】心臓リハビリテ ーションってなに?

心臓リハビリテーション(以下:心臓リハビリ)とは、心臓病の患者さんが家庭生活や社会に復帰し、心臓病の再発や再入院を予防することを目指して行うプログラムのことです。内容は運動療法(治療としての運動)の他に、病気の理解を深める学習、食事や禁煙などの生活指導・相談(カウンセリング)などがあります。以前は運動によって心臓の状態が悪くなると考えられていたため、心臓病を患ったらなるべく安静に過ごすように言われていました。しかし、適切な運動は動脈硬化の進行予防、体力向上、日常生活での息切れ軽減、再入院の予防につながることが科学的に証明され、現在では、心臓病の患者さんが心臓リハビリに参加して積極的に運動療法を行うことが推奨されています。心臓リハビリは入院中だけでなく退院後も継続する必要があります。生涯にわたって心臓リハビリをすることで、再入院の予防や体力の維持につながります。運動のやり方や強さは心機能や元の体力などによって調整が必要なため、安全性を確認しながら進めることが必要です。
当院の心臓リハビリは、医師の統括のもとに、専門の理学療法士、看護師、管理栄養士、臨床検査技師などの多職種がチームとなって、患者さん一人一人に応じた効果的なリハビリプログラムを入院中に実践してきました。2023年11月からは退院後も継続して心臓リハビリを受けていただくために、C棟1階に心臓リハビリビリテーション室を新設して、「外来心臓リハビリテーション」を開始しました。ご希望の方は、いつでも循環器科にご相談ください。

心臓リハビリの適応となる疾患

  • 急性心筋梗塞
  • 心臓リハビリの適応となる疾患
  • 狭心症
  • 慢性心不全
  • 末梢動脈閉塞性疾患
  • 開心術後/経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)後
  • 大血管疾患(大動脈解離/大動脈瘤術後など)

心臓リハビリで期待できる効果

  • 運動能力・体力の向上により、日常生活で心不全の症状(息切れなど)が軽くなる
  • 筋肉量が増えて楽に動けるようになり、心臓への負担が減る
  • 心臓の機能が良くなる
  • 血管が広がりやすくなり、身体の血液循環がよくなる
  • 動脈硬化が進みにくくなり、既にできている動脈硬化性プラーク(血管の壁のゴミ)が小さくなる
  • 血管が広がって高血圧が改善する
  • インスリンの効きが良くなって血糖値が改善する
  • 自律神経が安定して不整脈の予防になる
  • 運動を行うと仕事や家庭生活、社会生活の満足度が高くなる

【出典】日本心臓リハビリテーション学会 よくあるご質問 心臓病の基礎知識 より抜粋

文責:循環器科 藤城 奈奈

【診療科・センター紹介】循環器科 外来心臓リハビリテーション

健康寿命を延ばせるよう多職種で支えます

心血管疾患を持つ方の疾病管理は、症状の観察から生活習慣のサポートまで幅広い分野にわたり、運動も含まれます。外来心臓リハビリテーションチームは、専門性の異なる複数のスタッフが連携をとりながら患者さん一人一人の状態に合わせたリハビリを行い、再入院の予防や長期予後の改善に努めています。
実際には、疾病管理のための生活指導には看護師が関わり、栄養管理の必要な方は管理栄養士がサポートします。心肺運動負荷試験(CPX)などの医学的検査は臨床検査技師が担当し、医学的検査に基づく運動療法は理学療法士が行います。また、心臓リハビリや医学的検査を安全に行うために医師が現場に立ち会い、全体を統括します。
心血管疾患をお持ちの方は、日常生活や社会復帰をするうえで「どのくらい動いても大丈夫なの?」「どのようなことに気を付けたらいいの?」と不安を持たれるかと思います。チームには心臓リハビリテーション指導士や心不全療養指導士のスタッフがおり、患者さんの不安にお応えできる体制を整えています。なにより大事なのは退院後も心臓リハビリを途切れさせないことです。ご自分の体力に合わせた有酸素運動や筋力訓練を継続することで、「体力や筋力がついてきた」「楽に動けるようになった」といった効果が現れてきます。疾病管理のために外来心臓リハビリテーションをぜひご活用ください。


文責:リハビリテーション部 佐野 弘毅(写真前列右)

2023年12月号(冊子)

  • 表紙・特集
 心臓リハビリテ ーションってなに?
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
 循環器科 外来心臓リハビリテーション

関連リンク

  • 循環器科・心血管カテーテル治療科は、こちら
  • リハビリテーション部は、こちら(リクルートサイトに移動します)

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