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5月 小児外科で「ダビンチ」を用いたロボット支援下手術を導入/小児外科


【特集】小児外科で「ダビンチ」を用いたロボット支援下手術を導入

「ダビンチ手術」、「ロボット支援下手術」って聞いたことがありますか?体に小さな穴を数個開けて、ダビンチという手術支援ロボットを使って遠隔操作で行う手術です。遠隔操作といっても、術者は同じ手術室の中にいます。1cmほどの穴を体にいくつか開けて、そこから鉗子(長い棒の先にハサミやピンセットなどがついている器具)を挿入します。その後、術者はコックピットのようなところに座って、画面を見ながら手術を行います。これを使うと視野を拡大でき、体の中に挿入されている鉗子が手のような細かい動きをするので、従来の腹腔鏡手術よりも細かな操作が可能となります。すでに成人の領域(泌尿器科・消化器外科・産婦人科・呼吸器外科・大腸肛門科など)では広くダビンチを用いたロボット支援下手術が行われています。しかし小児の領域では体が小さいため、体の中に鉗子を入れて操作するのが難しいということで、なかなか導入されていませんでしたが、2022年12月から当院、小児外科でもロボット支援下手術を開始しました。
小児外科でロボット支援下手術を行っている病院は、日本でも数施設です。小児外科領域のロボット支援下手術の適応疾患は、今のところ腎盂尿管移行部狭窄、縦隔(左右の肺の間)腫瘍、胆道(肝臓が産生する胆汁の通る管)拡張症です。比較的まれな病気しかありませんが、今後適応疾患が拡大されていくことと思われます。

腎盂尿管移行部狭窄のダビンチによる手術では、腎盂(腎臓の一部で、腎臓が作ったおしっこが流れるところ)と尿管(腎臓と膀胱をつなぐおしっこが流れる管)の間が先天的に狭い病気に対して、体に1cmほどの穴を4ヶ所開けて、狭い尿管を切除し、通常の尿管と腎盂を吻合(つなぐこと)します。ダビンチを使用すると非常に細かく丁寧に吻合することができます。メリットが多いものの、まだ症例が少ないためダビンチを用いた手術が優れているというデータは報告されていません。しかし、近い将来、ロボット支援下手術の方が優れているというデータが報告されると考えられています。
今後も子どもにやさしい手術であるロボット支援下手術を積極的に取り入れながら、年齢や体重に応じて、お子さん一人一人に合った治療法を提供していきたいと考えています。
文責:小児外科 部長 田中 圭一朗

【診療科・センター紹介】小児外科

子どもにやさしい治療
当科は新生児から原則15歳以下の手術を担当する診療科です。対象疾患は、鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)、陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)をはじめとして、臍(へそ)ヘルニア、停留精巣、包茎など一般的な疾患が多いですが、悪性腫瘍や肺疾患などの手術も行います。さらに、キャリーオーバーと言われる15歳以上の重症心身障害児も対象です。また便秘や吐き戻しなどの内科治療も行います。さらに胎児診断や胎児治療に関わることもあり、対象疾患は多岐に及びます。
当科の特徴として、傷が小さく、術後の痛みが少ない鏡視下手術を積極的に取り入れています。腹腔鏡・胸腔鏡・膀胱鏡さらにはロボット支援下手術(ダビンチ)も行っています。子どもにやさしい治療を心がけています。心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

文責:小児外科 部長 田中 圭一朗(写真前列右から2番目)

2023年5月号(冊子)

  • 表紙・特集
 小児外科で「ダビンチ」を用いたロボット支援下手術を導入
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
 小児外科 
  • 診療を支えるスペシャリスト
 ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)

関連リンク

  • 手術支援ロボット ダビンチXiは、こちら

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