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9月 聖隷浜松病院 新生児専用救急車/新生児科/新生児蘇生法(NCPR)インストラクター



【特集】聖隷浜松病院 新生児専用救急車

1977年の車両

出生する赤ちゃんの5%に蘇生が必要であることは一般的に知られていません。赤ちゃんの臓器の機能は大人と異なり、とても脆弱です。そのため、生まれたばかりの赤ちゃんの命を救うには、1分1秒を争う必要があります。
この大切な使命を担っているのが、新生児専用救急車[New Born Ambulance (NBA)]です。当院では1977年、全国に先駆けてNBAの運用を開始し、以来45年以上にわたり静岡県西部地域の新生児医療の最前線で活動を続けています。
NBAには、赤ちゃんを保温するための保育器や赤ちゃん専用の人工呼吸器をはじめ、呼吸や心拍を観察するモニター、点滴ポンプなど、多くの専門医療機器が搭載されています。これらの機器を駆使し、NICU(新生児集中治療室)で働く新生児科医師と看護師、専門ドライバーが一丸となって、赤ちゃんのもとへ駆けつけています。

NBA出動数の推移

当院は、県西部の総合周産期母子医療センターとして、NICUを21床、GCU(新生児回復室)を18床備えており、年間約250-300件の出動要請に応え、先天性疾患のある赤ちゃん、分娩中に異常が見られた赤ちゃんなどを24時間体制で受け入れています。

NBAの存在により、県西部地域のどこで出生されても、救急搬送に向かえる体制が整っています。「どの命も等しく尊い」という理念のもと、すべての赤ちゃんに高度な医療機会を提供し、私たち医療者の使命を果たすために欠かせない存在がNBAなのです。しかし、15万kmを越える走行距離、修理回数も増え老朽化が進んでいます。重要な役割を今後も継続して果たすためには、新しい車両の購入が急務となっています。そこで私たちはご寄附(クラウドファンディング)による新しいNBAの購入を計画しました。

小さな命を未来へつなぐ」という想いを胸に、地域の新生児医療を支え続けたいと考えています。これからもずっと県西部地域の赤ちゃんを守り続けられるように、地域の皆様からのご支援をお願いいたします。

文責:新生児科 部長 杉浦 弘

クラウドファンディングについて


【診療科・センター紹介】新生児科

大切な赤ちゃんを守る医療

新生児科は静岡県西部地域の総合周産期母子医療センターとして在胎22-27週の超早産の赤ちゃん、心臓や腸などの手術を必要とする赤ちゃんの周術期治療を行っている、赤ちゃんにとって最後の砦となる診療科です。普段は新生児集中治療室(NICU)で高度な集中治療の提供を行い、時には救命が必要な赤ちゃんが出生した分娩施設からの依頼を受けて、当院が所有する新生児専用救急車で駆けつけています。年間の入院数は約580例、搬送数は約280例になり、産科、心臓血管外科、小児外科、脳神経外科などと連携をしています。
出生した赤ちゃんの5%が蘇生を必要とすることは一般的には知られていませんが、県西部地域の赤ちゃんを守るために24時間体制で診療を行っています。

新生児科 部長 杉浦 弘(写真後列右から3番目)

【診療を支えるスペシャリスト】
新生児蘇生法(NCPR)インストラクター

生まれた赤ちゃんを助けます!

赤ちゃんは産声をあげることによって肺呼吸を開始します。しかし、産声をあげられない仮死状態の赤ちゃんや、呼吸が十分に機能しない赤ちゃんが出生されることがあります。そのような場合、適切な人工呼吸や心臓マッサージなどの新生児蘇生が必要になります。
新生児蘇生法インストラクターはすべての分娩に、蘇生に習熟したスタッフが立ち会うことのできるようにサポートしています。当院には医師6名、看護師2名、助産師5名のインストラクターが在籍し、定期的な講習会の開催によって院内スタッフの新生児蘇生技術の取得、維持に努めています。インストラクターの活動は、医療の質を高めるだけでなく、未来を担う命を守る大切な役割を担っています。

文責:新生児科 中島 秀幸(写真左)、杉浦 弘

2025年9月号(冊子)

  • 表紙・特集
    聖隷浜松病院 新生児専用救急車
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
    新生児科
  • 診療を支えるスペシャリスト
    新生児蘇生法(NCPR)インストラクター

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