行政指導に基づく健康診断には、どのような種類がありますか?また、その根拠も教えてください。
行政指導に基づく健康診断の種類、通達などの根拠
米杉などの製剤、加工作業など
米杉などの製剤、加工などの作業に常時従事させる労働者に対し、雇入れ時、配置替え時およびその後、秋季、冬季に、必要な健康診断を行うことが奨励されています。(昭和45年1月7日基発第2号「米杉などによる気管支ぜん息の予防について」)
チェンソー取扱い業務
チェンソーを使用する労働者に対し、雇入れの際、当該業務への配置替えの際および6月以内ごとに1回、定期に必要な健康診断を行うことが奨励されています。
(昭和45年2月28日基発第134号「チェンソー使用に伴う振動障害の予防について」、昭和50年10月20日基発第610号「チェンソー取扱い業務に係る健康管理の推進について」、昭和50年10月20日基発第609号「振動工具の取扱い業務に係る特殊健康診断の実施手技について」)
(昭和45年2月28日基発第134号「チェンソー使用に伴う振動障害の予防について」、昭和50年10月20日基発第610号「チェンソー取扱い業務に係る健康管理の推進について」、昭和50年10月20日基発第609号「振動工具の取扱い業務に係る特殊健康診断の実施手技について」)
チェンソー以外の振動工具取扱い業務
チェンソー以外の振動工具取扱い業務に常時従事する者について、雇入れの際、当該業務への配置替えの際および1年以内ごとに1回(冬期、業務によっては2回)、定期に必要な健康診断を行うことが奨励されています。
(昭和49年1月28日基発第45号「振動工具(チェンソーなどを除く)の取扱いなどの業務に係る特殊健康診断について」)
(昭和49年1月28日基発第45号「振動工具(チェンソーなどを除く)の取扱いなどの業務に係る特殊健康診断について」)
引金付工具を使用する作業
引金付工具を使用する作業に従事する労働者に対し、雇入れの際、当該業務への配置替えの際およびその後6月以内ごとに1回、定期に、必要な健康診断を行うことが奨励されています。
(昭和50年2月19日基発第94号「引き金付き工具による手指障害などの予防について」)
(昭和50年2月19日基発第94号「引き金付き工具による手指障害などの予防について」)
学校給食の業務
学校給食の業務に従事する労働者に対する健康診断については、労働安全衛生規則に定める健康診断項目に加え、その労働者の従事する業務の内容に応じ、必要な健康診断を行うことが奨励されています。(平成6年4月21日基発257「学校給食事業における労働災害の防止について」別添1「学校給食事業における安全衛生管理要項」)
レーザー業務
レーザー業務従事者については、雇い入れまたは配置替えの際に視力検査に併せて前眼部(角膜、水晶体)検査を行うことが奨励されています。
(昭和61年1月27日基発第39号「レーザー光線による障害の防止対策について」別紙「レーザー光線による障害防止対策要綱」)
(昭和61年1月27日基発第39号「レーザー光線による障害の防止対策について」別紙「レーザー光線による障害防止対策要綱」)
半導体製造工程における業務
労働安全衛生関係法令および通達で定める健康診断の対象とされていません。有害な物質についても、その人体に及ぼす作用、ばく露を受けた労働者の自覚症状などに着目した特別の健康診断項目を行うことが奨励されています。
また、これらの有害な物質が漏えいした場合、関係労働者が汚染され、またはそれらを吸入した時は、緊急に特別の健康診断を実施することとされています。
(昭和63年2月18日基発第82号「半導体製造工程における安全衛生対策指針」第9)
また、これらの有害な物質が漏えいした場合、関係労働者が汚染され、またはそれらを吸入した時は、緊急に特別の健康診断を実施することとされています。
(昭和63年2月18日基発第82号「半導体製造工程における安全衛生対策指針」第9)
騒音作業
騒音作業に常時従事する労働者に対し、その雇入れの際または当該業務への配置替えの際およびその後6月以内ごとに1回、定期に、聴力検査ほかの健康診断を行うことが奨励されています。
(平成4年10月1日基発第546号「騒音障害防止のためのガイドライン」6(1)~(3))
(平成4年10月1日基発第546号「騒音障害防止のためのガイドライン」6(1)~(3))
腰部に著しい負担のかかる作業
重量物取扱い作業、介護作業など腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事する労働者に対し、当該作業に配置する際(再配置する場合を含む)およびその後6月以内ごとに1回、定期に、腰痛の健康診断を実施することが奨励されています。
(平成6年9月6日基発第547号「職場における腰痛予防対策指針」4(1)、(2))
(平成6年9月6日基発第547号「職場における腰痛予防対策指針」4(1)、(2))
VDT作業
VDT作業に常時従事する労働者に対し、当該作業に配置する際(再配置する場合を含む)およびその後1年以内ごとに1回、定期に、その作業区分(A、B、C)に応じ、眼科学的検査、筋骨格系に関する検査などの健康診断を行うことが奨励されています。なお、これらの検査は、一般定期健康診断を実施する際に、併せて実施して差し支えありません。
(平成14年4月5日基発第0405001号「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」)
(平成14年4月5日基発第0405001号「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」)
行政指導による健康診断の対象業務
対象業務 | |
1 | 紫外線・赤外線にさらされる業務 |
2 | 著しい騒音を発する屋内作業場などにおける騒音作業(騒音作業健康診断) |
3 | マンガン化合物(塩基性酸化マンガンに限る)を取扱う業務、またはそのガス、蒸気もしくは粉じんを発散する場所における業務 |
4 | 黄りんを取扱う業務、またはりんの化合物のガス、蒸気もしくは粉じんを発散する場所における業務 |
5 | 有機りん剤を取扱う業務、またはそのガス、蒸気もしくは粉じんを発散する場所における業務 |
6 | 亜硫酸ガスを発散する場所における業務 |
7 | 二硫化炭素を取扱う業務、またはそのガスを発散する場所における業務(有機溶剤業務に係るものを除く) |
8 | ベンゼンのニトロアミド化合物を取扱う業務、またはそれらのガス、蒸気もしくは粉じんを発散する場所における業務 |
9 | 脂肪族の塩化、または臭化化合物(有機溶剤として法規に規定されているものを除く。)を取扱う業務、またはそれらのガス、蒸気もしくは粉じんを発散する場所における業務 |
10 | 砒素化合物(アルシンまたは砒化ガリウムに限る。)を取扱う業務、またはそのガス、蒸気もしくは粉じんを発散する場所における業務 |
11 | フェニル水銀化合物を取扱う業務、またはそのガス、蒸気もしくは粉じんを発散する場所における業務 |
12 | アルキル水銀化合物(アルキル基がメチル基またはエチル基であるものを除く。)を取扱う業務、またはそのガス、蒸気若しくは粉じんを発散する場所における業務 |
13 | クロルナフタリンを取扱う業務、またはそのガス、蒸気もしくは粉じんを発散する場所における業務 |
14 | 沃素を取扱う業務、またはそのガス、蒸気もしくは粉じんを発散する場所における業務 |
15 | 米杉、ネズコ、リョウブまたはラワンの粉じんなどを発散する場所における業務 |
16 | 超音波溶着機を取扱う業務 |
17 | メチレンジフェニルイソシアネート(MDI)を取扱う業務、またはそのガス、蒸気もしくは粉じんを発散する場所における業務 |
18 | フェザーミルなど飼肥料製造工程における業務 |
19 | クロルプロマジンなどフェノチアジン系薬剤を取扱う業務 |
20 | キーパンチャーの業務 (上肢作業健康診断) |
21 | 都市ガス配管工事業務(一酸化炭素中毒) |
22 | 地下駐車場における業務(排ガス) |
23 | チェーンソー使用による身体に著しい振動を与える業務 (振動業務健康診断) |
24 | チェーンソー以外の振動工具(さく岩機、チッピングハンマー、スインググラインダーなど)の取扱いの業務(振動業務健康診断) |
25 | 重量物取扱い作業、介護作業等腰部に著しい負担のかかる作業 (腰痛健康診断) |
26 | 金銭登録の業務 (上肢作業健康診断) |
27 | 引金付工具を取扱う作業 (上肢作業健康診断) |
28 | VDT作業 (VDT作業健康診断) |
29 | レーザー機器を取扱う業務、またはレーザー光線にさらされるおそれのある業務 |
30 | 半導体製造工程における業務 |
31 | 学校給食における業務 (上肢・腰部健康診断) |
32 | 石綿取扱い作業など(石綿健康診断) |