外科 実績
2024年度実績
コロナ禍から回復し、2024年度の手術件数は別表のごとくで、2023年度から30件程度増加している。腹腔鏡手術の割合も増え、手術時間や合併症の比率は減ってきた。
ところで、近年、切除不能の肝細胞癌(HCC)の治療法は免疫チェックポイント阻害剤を用いた免疫療法がファーストチョイスとなっている。そこで、手術治療においても免疫療法で、直接効果に関わっている細胞障害性T細胞と、それに抑制性に働くと考えられている制御性T細胞(Treg)が、他の臨床病理学的因子とともに予後に関連しているかどうかを、当院倫理委員会での承認のもと再評価した。その結果、当院HCC切除63例の術後5年生存率および生存期間中央値は、それぞれ50.4%および63.7か月であった。切除標本で腫瘍内部へのCTL浸潤の高い群は低い群に比べ全生存率(OS)が有意に良好であった(p=0.011)。また、Treg浸潤の高い群は低い群に比べ無再発生存率(DFS)が有意に不良であった(p=0.017)。単変量解析で予後に有意に関連した因子は、他に病期、脈管浸潤があったが、それらと共に多変量解析で予後との関連を検討したところ、CTL浸潤の程度は独立したOSの予後因子となった(p=0.011)。さらに、CTLとTregの浸潤の程度の組み合わせにより、生存率曲線は層別化され、CTL高浸潤かつTreg低浸潤群は、CTL低浸潤かつTreg高浸潤群と比較して、OS(p<0.0001)およびDFS(p=0.0004)が有意に良好であった。当院の解析では、手術治療においてもCTLおよびTregの腫瘍浸潤の程度がHCCの予後に関連していることが明らかとなった。
ところで、近年、切除不能の肝細胞癌(HCC)の治療法は免疫チェックポイント阻害剤を用いた免疫療法がファーストチョイスとなっている。そこで、手術治療においても免疫療法で、直接効果に関わっている細胞障害性T細胞と、それに抑制性に働くと考えられている制御性T細胞(Treg)が、他の臨床病理学的因子とともに予後に関連しているかどうかを、当院倫理委員会での承認のもと再評価した。その結果、当院HCC切除63例の術後5年生存率および生存期間中央値は、それぞれ50.4%および63.7か月であった。切除標本で腫瘍内部へのCTL浸潤の高い群は低い群に比べ全生存率(OS)が有意に良好であった(p=0.011)。また、Treg浸潤の高い群は低い群に比べ無再発生存率(DFS)が有意に不良であった(p=0.017)。単変量解析で予後に有意に関連した因子は、他に病期、脈管浸潤があったが、それらと共に多変量解析で予後との関連を検討したところ、CTL浸潤の程度は独立したOSの予後因子となった(p=0.011)。さらに、CTLとTregの浸潤の程度の組み合わせにより、生存率曲線は層別化され、CTL高浸潤かつTreg低浸潤群は、CTL低浸潤かつTreg高浸潤群と比較して、OS(p<0.0001)およびDFS(p=0.0004)が有意に良好であった。当院の解析では、手術治療においてもCTLおよびTregの腫瘍浸潤の程度がHCCの予後に関連していることが明らかとなった。
食道
手術 | 直視下(開腹・開胸) | 鏡視下(腹腔鏡・内視鏡) |
---|---|---|
食道噴門形成術 | ― | ― |
食道切除再建術(食道癌手術) | ― | ― |
食道(ESD) | ― | 3 |
胃
手術 | 直視下(開腹・開胸) | 鏡視下(腹腔鏡・内視鏡) |
---|---|---|
胃腸吻合術 | 2 | ― |
胃局所切除術 | ― | 1 |
幽門側胃切除術 | 6 | 8 |
胃全摘術 | 7 | ― |
噴門側胃切除術 | 3 | ― |
胃(ESD) | ― | 7 |
小腸・結腸
手術 | 直視下(開腹・開胸) | 鏡視下(腹腔鏡・内視鏡) |
---|---|---|
虫垂切除術 | ― | 27 |
腸瘻造設・閉鎖術(腸管切除なし) | 7 | 3 |
腸瘻造設・閉鎖術(腸管切除あり) | 6 | 2 |
回盲部切除術 | 4 | 12 |
S状結腸切除術 | 1 | 10 |
結腸右半切除術 | 4 | 6 |
結腸左半切除術 | 2 | 2 |
横行結腸切除術 | 1 | 3 |
結腸部分切除術 | 2 | ― |
小腸切術 | ― | 1 |
腸閉塞手術 | 9 | 5 |
直腸・肛門
手術 | 直視下(開腹・開胸) | 鏡視下(腹腔鏡・内視鏡) |
---|---|---|
痔核手術 | 3 | ― |
痔瘻根治術 | 1 | ― |
高位前方切除術 | 1 | 1 |
Hartmann手術 | 4 | ― |
低位前方切除術 | ― | 12 |
直腸切断術 | ― | ― |
経肛門的腫瘍切除 | 1 | ― |
肝臓
手術 | 直視下(開腹・開胸) | 鏡視下(腹腔鏡・内視鏡) |
---|---|---|
肝部分切除術 | 5 | ― |
肝外側区域切除術 | 1 | ― |
肝区域切除術(外側区域を除く) | ― | ― |
肝2区域切除術(葉切除含む) | 1 | ― |
肝3区域切除術 | ― | ― |
系統的亜区域切除術 | ― | ― |
胆道
手術 | 直視下(開腹・開胸) | 鏡視下(腹腔鏡・内視鏡) |
---|---|---|
胆嚢摘出術 | 1 | 59 |
胆管切開切石術 | ― | ― |
胆道バイパス術 | 2 | ― |
胆嚢悪性腫瘍手術 | 3 | ― |
胆管悪性腫瘍手術(PD) | 1 | ― |
膵臓
手術 | 直視下(開腹・開胸) | 鏡視下(腹腔鏡・内視鏡) |
---|---|---|
膵体尾部切除術(良性) | ― | ― |
膵体尾部切除術(悪性) | 2 | ― |
膵頭十二指腸切除術 | 2 | ― |
膵全摘 | 1 | ― |
脾臓
手術 | 直視下(開腹・開胸) | 鏡視下(腹腔鏡・内視鏡) |
---|---|---|
脾摘出術 | ― | ― |
その他
手術 | 直視下(開腹・開胸) | 鏡視下(腹腔鏡・内視鏡) |
---|---|---|
鼠径ヘルニア手術 | 121 | 2 |
大腿ヘルニア手術 | 2 | ― |
腹壁ヘルニア手術 | 2 | 1 |
急性汎発性腹膜炎手術 | 2 | 1 |
その他の消化管手術 | 4 | 4 |
その他の肝胆膵手術 | ― | 1 |
その他体幹など | 1 | ― |
合計
手術 | 直視下(開腹・開胸) | 鏡視下(腹腔鏡・内視鏡) |
---|---|---|
合計 | 215 | 171 |