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6月 呼吸器外科があつかう悪性腫瘍/手術室看護師



【特集】呼吸器外科があつかう悪性腫瘍

呼吸器外科とは?

私たちは肺、気管、気管支、胸膜、横隔膜、縦隔の疾患を扱う外科医です。この中でイメージしにくいのは、胸膜と縦隔でしょうか?おおまかに言うと、胸膜は肺を覆っている薄い膜、縦隔は左右の肺の間を隔てている部分です。そして、呼吸器外科領域で代表的な悪性腫瘍は、肺、胸膜、前縦隔(縦隔の前側)に発生します。

人間の臓器位置イメージイラスト

肺の悪性腫瘍=「肺がん」は治らない?

呼吸器外科が携わる病気の大部分が肺の悪性腫瘍、つまり肺がんです。「自分はタバコを吸わないから大丈夫!」と思っていませんか?実は近年、喫煙歴がない女性の肺がんが増えています。また、肺がんは日本における部位別がんの死亡率第1位の悪名高い疾患です。しかし、早期に発見して適切に手術すれば長期生存(根治)が可能ですので、極端におそれる必要はありません。早期の肺がんは無症状でレントゲンには写りにくく、CTで見つかることがほとんどです。CTを組み合わせた検診の重要性がおわかりいただけると思います。
2019年がんによる死亡数が多い部位
1位 2位 3位 4位 5位
男性 大腸 膵臓 肝臓
女性 大腸 膵臓 乳房
男女計 大腸 膵臓 肝臓
出典:厚生労働省 人口動態統計

アスベストと悪性胸膜中皮腫

胸膜に生じる悪性腫瘍の代表が悪性胸膜中皮腫です。稀な疾患ですが、仕事などでアスベスト(石綿)を扱っていた方に多く発症します。外科手術に化学療法、放射線療法を組み合わせた治療が必要になりますが、残念ながら治療成績は良くありません。建築物解体、水道管工事、断熱材を扱う仕事をされていた方は要注意ですので、検診をしっかり受けてください。

がんのようでがんでない

前縦隔には、胸腺というリンパ球の成熟を担う臓器があります。ここには胸腺腫という良性腫瘍や、胸腺がんが稀に発生します。胸腺腫は良性腫瘍ですが、局所再発や遠隔転移をする特徴があり、悪性腫瘍と同等の扱いをする必要があります。胸腺腫・胸腺がんどちらも手術を行えますが、術前にどちらか区別することは困難で、手術で切除して確定診断がつくことがほとんどです。

進歩する内視鏡手術

手術支援ロボット(ダビンチ)イメージイラスト

当院では肺の部分的な切除や、前縦隔腫瘍に対する完全内視鏡手術の実績があります。今後は肺がん根治術に対する完全内視鏡手術や「手術支援ロボット(ダビンチ)」の導入を進め、さらに患者さんのからだにやさしい手術に取り組んでまいります。

文責:呼吸器外科 医長 飯塚 修平

【診療を支えるスペシャリスト】手術室看護師

手術治療を縁の下で支えています!

手術室看護師メンバー写真

手術室では老若男女、頭から足の先まで全身の手術を行っています。手術室看護師は、手術中に手術器具を医師へ渡す役割やその準備、手術が安全かつ円滑に進むように部屋の環境を整える業務などをしています。全身麻酔下の患者さんの代弁者となり、手術と患者さんの両方を支える役割を担っています。
また、現在、術中麻酔管理の特定看護師が2名活動しており、医師の考える治療方針と周術期2看護の橋渡しや、看護師のスキルアップの役割も担っています。
日々進歩する医療に対応し、専門知識を得ながら医療に携われることを誇りに思っています。今後も周術期に携わる多職種がチームとして同じ方向を向き、患者さんが安心して治療を受けることができるよう取組んでまいります。

文責:中央手術室 鈴木 麻里菜(写真後列右から3番目)・杉浦 定世

2021年6月号(冊子)

2021年6月号「白いまど」表紙画像

  • 表紙・特集
    呼吸器外科があつかう悪性腫瘍
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
    呼吸器外科
  • 診療を支えるスペシャリスト
    手術室看護師

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