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8月 小児・先天性心疾患のカテーテルアブレー ション/小児循環器科・成人先天性心疾患科


【特集】小児・先天性心疾患のカテーテルアブレー ション

不整脈ってどんな病気?

刺激伝導系

一般的に不整脈とは、心臓の中を通る電気の道(刺激伝導系)の異常で生じる病気で「頻拍性(ひんぱくせい)不整脈」と「徐脈性(じょみゃくせい)不整脈」があります。
頻拍性不整脈は、刺激伝導系やそれ以外の心臓の筋肉が異常に興奮して、心臓に早い電気信号を送るため脈が速くなる状態です。
徐脈性不整脈は、刺激伝導系がきちんと働かないために脈が遅くなる状態です。心臓に負担が少なければ、すぐに治療する必要はなく症状をみながら観察します。心臓に負担があると判断した場合は、ペースメーカを植込みます。

小児で多い頻脈性不整脈はなに?

小児期に起こる不整脈の多くは発作性上室性頻拍(突然脈が速くなり、それが持続する状態)で、次に心室性期外収縮があります。
①発作性上室性頻拍
ほとんどの場合は房室結節リエントリー性頻拍か房室回帰性頻拍です。どちらも、心房と心室の間の電気的な回路を介して、電気信号が2つの伝導路をくるくる回ることで頻拍となります。カテーテル治療(カテーテルアブレーション)で完治が望めます。

発作性上室性頻拍

②心室性期外収縮・心室頻拍
心室性期外収縮は、洞結節より早いタイミングで心室から電気信号が出て心室が収縮するという現象です。この心室性期外収縮が3連発以上みられることを心室頻拍といいます。ほとんどの場合は治療介入の必要はありませんが、なかには経過観察や精査が必要な場合があるので注意が必要です。

先天性心疾患での不整脈とは?

生まれつきの心臓構造異常を先天性心疾患といいます。新生児・小児期に見つかって、こどものときから手術が必要なものもありますが、大人になってから見つかるものもあります。また、こどものときに手術を受けて、“もう治った”と思っていて、大人になってから症状が出てくる場合も
あります。生まれつきの構造異常のため心臓に負担がかかっている場合、大人になってからさまざまな不整脈が起こってきます。

頻拍性不整脈に対する治療

治療は大きく分けて、お薬の内服とカテーテルアブレーションがあります。お薬の内服は薬剤で不整脈を抑える方法です。不整脈の原因が解決しているわけではないので、内服を続ける必要があります。一方のカテーテルアブレーションは、成人では一般に行う治療法で、小児や先天性心
疾患をもつ患者さんでも積極的に行うようになってきました。「カテーテル」という細い管を心臓の中に挿入し、頻拍の原因となっている組織を焼灼(焼くこと)するため完治が望めます。先天性心疾患のカテーテルアブレーションは、コンピュータ(3Dマッピングシステム)を使って複雑な構造をした心臓の位置情報を正確に把握できるため、安全で効果的な治療ができます。
文責:小児循環器科・成人先天性心疾患科 主任医長 宮﨑 文

【診療科・センター紹介】小児循環器科・成人先天性心疾患科

こどもから大人まで先天性心疾患の患者さんを一生涯サポートします!

当科は生まれつきの心臓病(先天性心疾患)や小児期に発症する不整脈、川崎病の後遺症、心筋症などの後天性の心臓、血管の病気についての診断、治療をしています。医療の進歩により多くの心臓病を持ったお子さんが成人期まで到達することが可能になってきており、それらの患者さんは成人先天性心疾患外来で継続して診療しています。疾患によっては出生前や成人になって初めて発見される場合もあり、胎児から成人まで幅広い年齢層の患者さんの診療にあたっています。
心臓病を持ったお子さんや成人期に至った先天性心疾患の患者さんなど、さまざまな年齢層の患者さんが最適な時期に治療を受けられるように心臓血管外科をはじめ内科や産婦人科など多くの診療科と連携して、一生涯元気に暮らせるようにサポートしています。

文責:小児循環器科 部長 中嶌 八隅(写真前列左)

2023年8月号(冊子)

  • 表紙・特集
 小児・先天性心疾患のカテーテルアブレー ション 
  • インフォメーション
  • 診療科・センター紹介
 小児循環器科・成人先天性心疾患科 
    • 診療を支えるスペシャリスト
     臨床検査技師(生理検査) 

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