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8月 夏と心臓病~暑さに負けない心臓の守り方~/循環器科

【特集】 夏と心臓病

~暑さに負けない心臓の守り方~
 これからの季節、やはり気をつけなければならないのは「熱中症」です。総務省消防庁の調査によれば昨年5~9月の全国における熱中症の救急搬送人員の累計は97,578人と調査開始以来最大となりました。夏は心臓にとって過酷な季節です。高温により発汗が増え、体内の水分と塩分が失われると、血液が濃くなりドロドロになり、これが心筋梗塞や脳梗塞の引き金になります。炎天下での運動は避けることはもちろんのこと、屋内にいても気づかないうちに熱中症を引き起こす可能性があるためエアコンを使って適度な温度を保ちましょう。

 多量に汗をかいた後の飲酒は要注意です。アルコールには利尿作用があり、水分補給をしたつもりでも実は逆に水分を体の外に出してしまっているため、十分な水分補給が大切です。
 それから、たとえ涼しい時間帯でも早朝起床時は水分が不足がちであることを理解し、水分補給をすることが大切です。心不全や心房細動など循環器疾患のある方、特に利尿剤を服用している方は、脱水になりやすいため注意が必要です。脱水を防ぐにはこまめな水分補給が基本ですが、経口補水液や塩分の摂取は心疾患のある方には逆効果となることもあります。医師の指導のもと、自分の病状に合った補水方法を選びましょう。私たちは飲み物以外の固形の食べ物からも十分な水分を摂取しています。食事を抜いたりすると水分摂取が少なくなるだけではなく必要な栄養を吸収できなくなるため、食事をきちんととることが大切です。

 また、睡眠不足は疲労やストレスが蓄積し心臓に負担がかかります。必要によりエアコンを使用し快適な睡眠をとりましょう。
 夏の不調は心臓からくることもあります。違和感を覚えたら早めの受診が大切です。夏の健康は、心臓へのいたわりから始まります。
写真・文責:循環器科部長 川口 由高

【部門クローズアップ】 循環器科

負担をかけない心臓治療をめざして

 高齢化社会が進み循環器疾患で苦しむ患者さんが増えています。我々は高齢の患者さんに対してはできるだけ負担のかからない侵襲度の低い治療を心がけています。

 大動脈弁狭窄症は心臓と大動脈の間にある大動脈弁の開きが悪くなる弁疾患です。高齢の患者さんに対しては大動脈弁置換術という外科的手術(胸を切って心臓を止めて新しい弁を入れ替える手術)ではなく、胸を切らないでカテーテルを使って行う侵襲度の低い経皮的大動脈弁置換術(TAVI:タビ)を行っています。循環器科医師の他、心臓血管外科医、麻酔科医、看護師、臨床工学技師、放射線技師、生理検査技師とともに多職種でハートチームカンファレンスを行い、患者さんに対して最善の治療方法を検討しています。

心房細動という不整脈があると左心耳(心臓の左心房に付着している袋状の部位)に血栓ができやすくなり、脳梗塞を発症するリスクが高まるため抗凝固剤を内服します。経皮的左心耳閉鎖術はカテーテルを使って左心耳に器具を留置して閉鎖する治療法です。長期抗凝固剤の使用を中止できる可能性があり、出血リスクの高い患者さんや塞栓症を繰り返す患者さんに行っています。
写真・文責:循環器科部長 川口 由高

【シゴト図鑑EX】 慢性心不全看護認定看護師 “心”に寄り添う看護のチカラ

 高齢化の進行に伴い、心不全を含む心疾患は年々増加しています。浜松市北西部を担う当院でも、高齢の心不全患者さんが多く、安心して療養生活を送っていただくための支援が欠かせません。

 私たちは、当院オリジナルの「心不全ファイル」を用いて、患者さん一人ひとりに合わせた生活支援を行っています。また、医師・看護師・薬剤師など多職種でのカンファレンスを実施し、入院から退院後まで切れ目のないサポートを提供しています。地域のケアマネージャーや訪問看護師とも連携し、患者さんが病気を抱えながらも「自分らしい人生」を歩めるよう、寄り添い続けるのが私たちの役割です。
文責:看護師 森谷 成美

心不全ファイル

心不全カンファレンス