12月 南海トラフ巨大地震~災害拠点病院としての当院の備え~/救急科

2025.12.01

【特集】南海トラフ大地震

~災害拠点病院としての当院の備え~

もし南海トラフ巨大地震が発生した場合、静岡県では地震や津波による大きな被害が発生する事が予想されています。そうした時に、当院は「災害拠点病院」として、また「ドクターヘリの本部」として、地域の皆さまの命を守るための大切な役割を担います。

災害拠点病院として

当院は、静岡県から指定を受けた災害拠点病院です。まずは入院されている患者さんの安全を確保します。その上で、災害現場や近隣の医療機関から搬送される方々を受け入れます。大きな災害では病院の受け入れ能力を超えることも想定されるため、県外などの医療機関に患者さんを移送する「後方搬送」を行い、できるだけ多くの方が治療を続けられるようにします。

当院では毎年「地震総合訓練」を実施し、発災直後の指揮体制の確認や職員の動きを確認しています。日頃の訓練が、いざという時に大きな力を発揮します。

ドクターヘリ本部として

過去の大きな災害では、道路が寸断されて陸路の移動や搬送が難しくなった状況が多くありました。その場合、ヘリコプターを活用することで、患者さんを安全かつ早期に搬送することができます。

当院は災害時にドクターヘリをまとめる「本部」としても活動します。普段は、当院が運用する県西部ドクターヘリと、順天堂大学附属静岡病院(伊豆の国市)の県東部ドクターヘリの2機体制で、静岡県全域をカバーしています。大きな災害が起きた際には、応援のドクターヘリが集まります。ここ数年の静岡県総合防災訓練では、当院がドクターヘリ本部としてこれらを指揮して運用する想定で、訓練の経験を重ねています。

また大きな災害の際、当院は屋上ヘリポートと格納庫を活用して、消防・防災ヘリコプターなども含めた、複数のヘリコプターの効率的な運用も可能です。
これからも私たちは、地域の皆さまが安心して暮らせるように、日々の訓練と備えを進めて参ります。
文責:救急科 部長 志賀一博
浜松市消防局合同 第24回ドクターヘリシミュレーション訓練(2025年2月)

【シゴト図鑑EX】防災委員会

災害時もこの地域に安心を

備蓄食材の払い出し訓練
災害拠点病院とは、大地震や大規模災害が発生した際に、傷病者の受け入れや搬送、医療救護チームの派遣、医療物資の管理などを通じて、地域の医療を支える中心的な役割を担う病院です。

当院はこの役割を果たすため、日頃からさまざまな訓練や勉強会を実施し、災害発生時にも迅速に対応できる体制づくりを進めています。限られた資源や厳しい状況下でも災害医療を提供できるよう、職員一人ひとりが技術や知識の向上に努めています。また、災害時に迅速に対応できるよう、医療機器や物資の管理方法の改善、緊急連絡網の確認など、細やかな準備も行っています。

また、2025 年4月に開店したファミリーマートとその運営会社との間に「災害時における物資調達に関する協定」を締結し、災害発生時おける救助に必要な物資(食料品、飲料水、日用品、医療に必要な物資等)の調達・供給を円滑に行う体制も整えることができました。
さらに、平時から行政機関や消防、他の医療機関と密に連携し、情報共有や支援体制の強化にも力を入れています。地域と病院が一体となって防災・減災に取り組むことで、万が一の災害時にも地域の皆さまに安心を届けられる体制を整えています。
文責:防災委員会 大野 利幸

No.541(2025年12月号)

みどりの通信12月号[PDF:3.8MB]