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10月 一生よく見える目」を つくる! /眼科



【特集】「一生よく見える目」を
つくる! 加齢黄斑変性を防いで、生涯、視力を失わないためには

加齢黄斑変性チェックシート(アムスラーチャート)

片目をかくしてチェックしてみましょう
30cmほどはなして、片目で黒い点を見てください。線がゆがんだり、真ん中が暗く見えたりしていませんか?
平均寿命が延びて人生100年時代と言われます。しかし、重要なのは健康寿命で、なかでも視力を失えば人生の晩節は非常につらくなります。
「一生よく見える目」でいるためには、日頃から自分の目に関心をもち、異常があれば適切に対処することです。眼の老化と言えば老眼を思い浮かべますが、片目を手で塞いで、片目ずつ見え方をチェックしてみてください。もし、ものがゆがむ、真ん中が暗い、あるいは隅々まではっきり見えなければ、それは単なる老眼ではなく、視力を失いかねない病気のサインかもしれません。

高齢者の眼の病気で多いのは白内障、緑内障ですが、最近、増加しているのが加齢黄斑変性です。50歳以上の日本人の50~60人に1人が加齢黄斑変性を患っていると推定され、2023年の世界の患者数は2億人を超えるといわれます。
加齢黄斑変性は視力に大切な網膜の真ん中が壊れる病気で、見たいところが見えないため、QOL(生活の質)が大きく低下します。なかでも日本人に多い滲出型加齢黄斑変性は比較的進行が早く、反対の目が見えているからと、先延ばししているうちに悪くなります。一昔前はよい治療法がありませんでしたが、2004年にレーザー光線と特殊な薬を組み合わせた光線力学療法、2009年からは血管内皮増殖因子阻害剤治療(抗VEGF治療)が登場し、視力改善も望めるようになりました。とは言え、進行してしまうと改善は不可能なので、早期治療が重要です。また、加齢黄斑変性の最大の要因は老化ですので、一旦、発症すると生涯に渡って病気をコントロールしていかねばなりません。一生付き合う覚悟で、我慢強く治療を続けましょう。
加齢黄斑変性を予防するには、食生活改善、生活の中のさまざまな光(テレビ、スマートフォン、照明など)との上手な付き合い、禁煙、血圧や動脈硬化の管理などが重要です。いずれもちょっとした気遣いでできることなので、ぜひ、正しい知識をもって毎日を過ごしましょう。

文責:眼科 部長 尾花 明

眼科

Happiness through better vision,your eye our focus.
-楽しい人生のために、皆さんの目を守ります-

地域の方々の「一生よく見える目」を守るために2つの連携を大切にしています。1つは当科のスタッフ間の連携です。近年の眼科学の目覚ましい進歩により、どの疾患も高いレベルの診療が要求され、眼科医には高い専門性が必要です。当科は専門分野の異なる複数の医師が互いに連携しながら皆さんの診療にあたります。初診の方は、紹介状をご持参のうえ、一般外来を受診してください。その上で必要に応じて専門外来(黄斑外来、緑内障外来、斜視・弱視外来、ロービジョン外来など)で治療を行います。また、手術は医師の専門性を生かして取り組んでいます。2つ目は他の医療機関との連携です。当科では手術など高度な技術と設備を要する診療を手掛け、治療によって病気が落ち着いた方はかかりつけ医で診ていただきます。適切な病診連携により、ハイレベルで効率的な地域医療が可能になり、患者さん、当科スタッフ、地域の医療施設の3者の相互理解と協力で医療が成り立ちます。これからも2つの連携で皆さんの目を守っていきたいと思っています。

文責:眼科 部長 尾花 明(写真後列右から2番目)

2022年10月号(冊子)

特集「一生よく見える目」をつくる!
加齢黄斑変性を防いで、生涯、視力を失わないためには
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