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病理診断科

病理診断科の特徴

 病理標本作製の技術は、18世紀半ばからほぼ200年を経て最高の域に達し、この技術発展とともに病理学体系が確立されたといっても過言ではありません。しかし、近年、この技術力が著しく低下していると感じています。当科ではまず第一に、診断に供しうる完璧で美しい病理標本を作製することに重きを置いています。しかしながら、旧態依然ではなく、新しい病理診断技術を院内化し、現代の医療に即するようにも努めています。
 また、新薬開発や医療技術革新が日進月歩に進む中、医療における情報共有が十分でなかったり、施された医療の検証が疎かになっていることも否めません。当院では、他科とのカンファレンスを通じて、医療間のコミュニケーションを図り、新しい知識を共有する努力をしています。剖検と C.P.C. 開催は、診断・治療の経過を自ら振り返り、その結果を前向きに活用する引き金となっています。C.P.C.の結果は、ご遺族にも報告し共有しております。

その他 院内対応検査

1. 近隣の施設から紹介例の剖検については、当院地域連携室から C.P.C の案内と C.P.C.後のレポートを関係各位に
 配布することになりました

2. 免疫組織化学 IHC は、院内で91項目を実施しており、ルーチンの IHC の結果は日を経ずして報告が可能です

3. HER2 遺伝子の dual ISH も院内で実施し、カウントし結果を報告しております

4. 腎・皮膚生検の蛍光抗体法も院内で実施しております。膠原病リウマチ内科からの依頼が多いです

5. 遺伝子検査は、項目数は少ないですが、RASの遺伝子変異や UGT1A1遺伝子多型を調べ報告しています

組織診・細胞診の年度別件数の推移と10年間の歩み

・2014年度から、外部に委託していた病理標本作成を院内実施に
 切り替えた。VIP/ミクロトーム/染色機器/クライオスタットなど
 諸々の設備は、2013年度下半期から整備された
・2015年までには、蛍光顕微鏡を備え、凍結切片連続薄切などの
 技術を習得し、腎・皮膚生検の蛍光抗体法を院内でルーチン化
 している
・2016年には、ベンチマーク ULTRA を導入し免疫組織化学を
 院内化した。現在、使用抗体は91項目で、ルーチンの染色は
 直ちに対応できる状態である
・IHC の外注には、3,500円/1枚スライドの費用が掛かるが、
 院内化により2,000円/1枚スライドに抑えられている
・2021年度からはベンチマーク ULTRAで、HER2 遺伝子のISH
 を実施している
・2018年度末、遺伝子検査の一部院内化した
・細胞診は、2016年からLBCを導入した

術中迅速・蛍光抗体

術中迅速は、乳腺の部分切除術時のセンチネルリンパ節と乳頭側断端の検体が多い

蛍光抗体法は、2019年度を持って腎臓内科が閉鎖され件数は減少しているが昨年度からは人員の確保ができ、増えつつある

アイデンシー による遺伝子検査

・2019年度からアークレイ社アイデンシーを導入
・コンパニオン診断としてRAS, EGFRを測定開始
・EGFR は、2022年度から肺癌関連遺伝子多項目同時検査が
 始まり、検査終了
・現在、RASのみ。RASの遺伝子検査項目は、KRAS, NRAS, BRAF
 が含まれる
・脳外から IDH1/2 の依頼が年間数件ある
・precision medicine
 1)抗癌剤イリノテカンによる副作用を予測するためUGT1A1
  遺伝子多型を調べる。遺伝子多型 *6と *28の組み合わせに
  より副作用の強弱を予測し、イリノテカンの投与量を調整
  する。
 2)血栓症の治療や予防のために投与するワーファリンの体内で
  の代謝に関与するCYP2C9遺伝子多型を調べる。遺伝子多型 *1
  と *3の組み合わせで血中濃度が変わるので投与量を抑える
  ことができる。
 3)抗血小板薬クロピドグレルはプロドラッグである。
  すなわち、体内(肝)においてCYP2C19により代謝を受けて
  活性体になり、薬物効果が発揮される。
  CYP2C19遺伝子多型 *2と *3 がホモで有する患者は、
  肝での代謝力が低いため、クロピドグレルの活性化が
  低下する(poor metabolizer)。CYP2C19遺伝子多型を
  調べることで、クロピドグレルの投与効果を予測できる。

免疫組織化学および遺伝子検査の使用機器

2023年 カンファレンスと剖検の実績

スタッフ紹介

                  (国家資格取得年)
・医師(1978年):末松 直美
         死体解剖資格、日本病理学会評議員
         日本病理学会病理専門医、
         日本臨床細胞学会細胞診専門医、
         ICD、難病指定医
・臨床検査技師(2010年)
        二級病理検査士、細胞検査士    
        認定病理検査技師
・臨床検査技師(2019年)
        二級病理検査士
・臨床検査技師(2021年)
・臨床検査技師(2023年)
・医師事務作業補助者 2名    


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