グローバルナビゲーションへ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ





ホーム > 診療科・部門紹介  >  診療技術部  >  放射線課

放射線課

このページの目次


概要

放射線課は地下にある画像診断部フロアで、鉛入りの硬く、冷たいコンクリートに遮蔽された中で日々業務を遂行しております。外の天気もわからずモグラのような生活です。そういう環境下ゆえに利用者の方々には、やわらかく、暖かい応対を常に心がけて仕事をしています。スタッフは診療放射線技師18名(男性13名・女性5名)、事務職3名で構成されています。


ビジョン

ミッション(職員は何を大切に考えて仕事をするか)
    【利用者に対して安全で価値のある検査をし続ける】
                                    
ビジョン(どのような組織であるか)
   利用者にとって有益な画像情報の提供と自職場に対して誇りを持つ


教育プログラム

教育方針

利用者中心の医療を行うことを目的に、放射線技師として医療の質の向上と人間的に自立した放射線技師の育成を目指す。


チェックリストによる業務習得管理

  • 係ごと教育チェックリストやラダーを用い指導と管理を行う。

  • 学習者は、目標を達成する為に教育担当者から指導を受け日常業務を実施する。

  • 教育責任者は、学習者が教育担当者を通して、効果的な教育カリキュラムが進められているか管理する。

  • 担当役職者は、教育責任者も含めて教育プログラム全体が効果的に進められているか管理する。



人事考課表による目標管理

  • チェックリストやラダーを指標にした目標をたてて面談する。(年3回)

  • 担当役職者は各学習者と面談を行い、進捗状況を確認する。

  • 職場長は担当役職者と面談を行い、各学習者も含めた進捗状況を確認。




医療被ばく低減施設認定

レントゲン撮影やCT。マンモグラフィなどの放射線検査は病気の発見や治療方法の決定などに欠かせないものとなっています。このようなメリットがある反面、放射線が人体を通過する時、細胞のDNAを傷つけてしまうデメリットがあります。
しかし人体には修復機能や免疫機能があり適量の放射線であればDNAは回復します。薬を多量に飲むと毒になるように、放射線も1度に大量の放射線を浴びるとDNAが修復されず、細胞が癌化してしまう可能性があります。だからといって放射線量が少なすぎても診断に有用な画像を提供できなければ意味がありません。そういったバランスを保つように管理をおこなうことが重要となります。
そこで当院は、公益社団法人日本診療放射線技師会がおこなう「医療被ばく低減施設の認定事業」に賛同し、書類審査・訪問審査を受審しました。
①精度管理された装置でガイドラインに準じた被ばく線量で検査をおこなっている。
②利用者個人の被ばく線量を管理していて、要請があれば提示し、説明や相談を受けることができる。
③医療被ばく低減に関する研究報告等が行われている。
以上のようなことが称賛されて認定取得できました。
全国で70番目、静岡県内では4番目の認定施設となります。
今後も利用者が安心して放射線検査を受けていただけるよう、医療被ばく低減活動を継続していきます。



認定資格取得者数  (2023.4 現在)

検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師5名
胃がん検診専門技師5名
胃がん検診読影部門B認定2名
肺がん検診認定技師1名
X線CT認定技師2名
臨床実習指導教員4名
放射線機器管理士4名
放射線管理士4名
医療画像情報制度管理士3名
放射線被ばく相談員2名
画像手術支援認定診療放射線技師1名
災害支援認定診療放射線技師1名


一般撮影

一般撮影とは、一般的に広く知られているX線(レントゲン)撮影のことです。身体にX線を照射し、通過したX線量の差を白黒の画像として得ることができます。
一般撮影では胸部撮影、腹部撮影、骨撮影、耳鼻咽頭撮影などを行います。
当院では、FPD(Flat Panel Detector)と呼ばれる最新の撮影装置を使用しています。従来の撮影装置と比べて、被曝線量が少ないことや、より診断に適した画像が提供できることが大きな特徴です。また、画像処理作業が省かれ、検査時間が短縮されました。

一般撮影室の外観(立位撮影台)

一般撮影室の外観(臥位撮影台)


一般撮影装置操作パネル 

画像処理システム



マンモグラフィ(乳房撮影)

マンモグラフィは、乳腺組織を見やすくするために乳房を薄く広げながら圧迫して撮影します。しこりとして触れないごく早期の乳がんなど、乳房に出来る病気を見つけることが出来ます。当院では2016年3月より、「トモシンセシス」という断層撮影のできる新装置を導入いたしました。この撮影では、角度を変えて複数の方向から乳房を撮影し、乳房を1mmごと輪切りにスライスして写すことが出来ます。若年の方など乳腺の多い方は、通常のマンモグラフィを撮影しても乳腺が真っ白に写り、病気が見つけづらいことや、乳腺の重なりが病気に見えてしまうこともありました。しかし、トモシンセシス撮影で乳房を薄くスライスすることにより、病気と乳腺の重なりを分離し、より正確な診断が期待できます。さらに最新の技術により、従来の装置よりも被ばく線量が30%低減されました。出来るだけリラックスして検査を受けて頂けますよう、新装置には優しく光るイルミネーション機能を搭載し、検査室にはオルゴールの音楽を流して少しでも安らげる環境を心がけております。

マンモグラフィ装置(トモシンセシスの様子)



X線透視検査

X線の透視を用いてモニターで観察しながら検査や治療を行います。当院は、FPD(Flat Panel Detector)を搭載したデジタルX線TV装置を2台備えています。それにより被曝線量を低減化、多様な画像処理、リアルタイムでの画像表示、連続撮影が可能になり、より質の高い画像情報を提供しております。

X線TV検査(デジタルX線TV装置)


装置の外観

操作室


消化管(食道・胃・十二指腸・大腸)、泌尿器(腎臓・尿管・膀胱・尿道)、整形(脊髄腔・神経根ブロック・整復)、産婦人科(子宮・卵管)など各診療科のさまざまな検査や治療が行われます。

X線TV検査画像


血管撮影検査(多目的デジタルX線TV装置)


装置の外観

操作室


装置の構造が広い可動領域を持つCアーム型となっており、さまざまな角度から透視・撮影を行うことが可能です。当院では主に血管撮影として使用してますが、X線TV検査としても利用できます。

血管撮影検査・治療画像


頭部血管造影(右内頚動脈)

頚動脈ステント留置術


透析シャントPTA

下肢PTA


※PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty):経皮的血管形成術


骨密度検査 / 身体組成検査

当院では2016年4月より、骨密度検査を行う装置が変わり、今までと同じ骨密度検査と新しく身体組成検査ができるようになりました。

装置の外観

検査風景


骨密度検査

骨密度検査は骨密度(骨塩量)を測定する検査です。
検査することで、骨がもろくなり骨折しやすくなる「骨粗鬆症」を早期に発見することが出来ます。
当院ではDXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)のX線骨密度測定装置を導入し、検査を行っています。
DXA法による検査は他の骨密度検査と比べて、精度の高い検査方法とされています。
測定部位には腰椎、大腿骨頸部、前腕部があります。特に骨折するリスクの高い腰椎や大腿骨頸部が基本的な測定部位となります。
検査は、検査台に5分ほど仰向けに寝ていただいた状態で行います。
最新技術によりX線による被ばくが胸部レントゲン撮影 (約0.2mGy)の1/10という安全性と安心を実現しています。


測定結果レポート(腰椎+右大腿骨頚部)

測定した骨密度は、同年齢値や若年成人値と比較します。
それぞれの値と比較して自分の骨密度が何%に当たるか表示されます。
若年成人平均値 (YAM: Young Adult Mean)との比較は骨粗鬆症の診断に用いられます。YAMと比較して80%以上で正常、70~80%では骨量減少、70%以下は骨粗鬆症と診断されます。骨粗鬆症初期にはほとんど自覚症状がありません。
そのため、定期的に骨密度検査を受けることで骨粗鬆症の早期発見につながります。また自分自身の骨の健康状態を知り、食事・運動など生活改善をすることで骨粗鬆症の予防にもなります。

※骨密度測定検査を希望される方は、各診療科の担当医師にご相談ください。


身体組成検査

検査結果レポート

身体組成検査は非脂肪質量(筋肉量)、脂肪組織量、脂肪率などをDXA法で行うことで高精度な測定を行う検査です。測定は全身で行い、計算値ではなく実際値を用いて解析することが出来ます。
検査は、検査台に6分ほど仰向けに寝ていただいた状態で行います。
X線による被ばくは胸部レントゲン撮影 (約0.2mGy)の約1/500と少なく、最新技術により安全性と高精度な検査を実現しています。

測定結果では各部位の筋肉量や脂肪量の値を表示して、おなかやおしりに対しては脂肪率(%)を示します。
また測定の値から正確な体脂肪率や安静代謝率(RMR)、同年齢の体脂肪平均との比較が表示されます。
これらの結果(値)を自分自身が知ることで生活習慣病やメタボリックシンドローム、サルコペニアの予防、対策の為の食事・運動など生活改善をする助けになります。

※身体組成測定検査を希望される方は、各診療科の担当医師にご相談ください。



CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影法)

CT検査は、身体にX線を照射して通過したX線の分布を、コンピュータで処理することにより輪切りの断面として画像化する検査です。身体のあらゆる部位において内部の構造を詳細に調べることができます。また、1mm以下の幅で輪切り画像を多数積み重ねることで、任意の角度の断面像(MPR)や、血管や骨などの3次元画像(3D)を得ることも可能です。
当院では、2020年5月に64列のマルチスライスCTを導入しました。従来の装置よりも早く、細かく、少ないX線量での撮影が可能となりました。さらに最新の画像処理技術も搭載しております。
この装置1台で予約検査、当日予約外検査及び緊急検査を行っています。




大腸CT検査について

大腸CTとは

CTで得られた画像をもとに、腸のポリープなどを見つけるための検査です。撮影時には腸が拡張している必要があるため、炭酸ガスを肛門から注入します。炭酸ガスは速やかに腸管から吸収され、呼気中に排出されるため、検査後の腹満感が軽減されます。
撮影に入ってから15~20分程度で検査は終了します。



大腸CTと大腸内視鏡の違いについて

大腸CTは検査の準備(下剤)も検査自体も大腸内視鏡に比べると楽というメリットがありますが、もし大腸にポリープや腫瘍があっても、切除したり組織を採取したりすることはできないため、これらの異常が疑われる場合は後日あらためて大腸内視鏡を受けていただく必要があります。



大腸CT検査を受けることができない方

・腹部、骨盤内に金属などが入っている
・妊娠中、妊娠の可能性がある
・人工肛門にしている
・腹部にペースメーカー、如細動器が植え込まれている
・高齢(80歳以上)で体力的に検査を受けることが困難
・直近でバリウム検査を受診した


大腸CT検査の実際

①検査前日の朝から検査食を摂り、検査用の薬剤を服用します。大腸内をきれいにするため、検査当日の朝に下剤を服用します。
②検査当日、CT検査室にて細いチューブを肛門から挿入して炭酸ガスを注入して大腸を拡張します。
③CT検査では、仰向け(上向き)とうつ伏せの2つの体位で撮影を行い検査時間は20分程度です。
④CT装置で撮影した画像データをもとに解析処理をし、仮想内に大腸内視鏡像を作成し診断を行います。



健診で便潜血陽性といわれたら・・・

検査で陽性となった場合は、精密検査が必要になります。便潜血検査は、受診者1,000人中の約50人が陽性になり、その50人のうちの1~2人が大腸がんであると報告されています。ただし、大腸がんがあっても陰性と出てしまうケースもあります。結果として、便潜血検査だけでは大腸がんの発見や予防はできません。便潜血検査を大腸の健康を意識する良いきっかけにして、精密検査を受けることをおすすめします。



MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴撮像法)

MRIは、身体を強い磁気の中に置いた状態で、外部から電波を照射すると、体内の水素が反応して信号を発します。その信号を捕らえてコンピュータで解析して画像にします。
CT検査では、身体を輪切りにした画像が主ですが、MRI検査は縦、横、斜めといったあらゆる方向から撮像することができ、またX線被爆がないので、繰り返し検査することが可能です。
当院には、磁気強度1.5テスラのMRI装置が1台で脳ドック、予約検査、緊急検査を行っています。



クオリティ インディケーター(医療の質の評価)2022年度報告

様々な情報を数値化・可視化し、定期的に分析・評価することで放射線部門の技術や質の向上に役立てる事を目的とします。

①機器稼動件数


モダリティ
検査件数(/年)
設置台数
稼動件数(/台)
全国平均(/台)
CT
9471194717878
MRI
3382133823571

②造影検査率


モダリティ
造影件数(/年)
総件数(/年)
造影検査率(%)
全国平均(/台)
CT
2492947126.3%16.8%
MRI
532338215.7%9.4%

③翌診療日読影率


翌診療日読影率(/年)
総読影数(/年)
翌診療日読影率(%)
114451206094.9%

④再撮影率


モダリティ
写損数(/月)
総曝射数(/月)
再撮影率(%)
全国平均(%)
一般撮影
268142218.8%7.9%
MMG
91009.0%5.3%
ポータブル撮影
5333016.1%9.2%

⑤各学会、研究会等の発表件数


主な学会の参加数
参加人数(/年)
総技師数
学会参加数(/人)
全国平均(/人)
6180.330.15

主な学会以外の参加数
参加人数(/年)
総技師数
学会参加数(/人)
全国平均(/人)
11180.610.50

学会発表数
演題数(/年)
総技師数
学会発表数(/人)
全国平均(/人)
3180.170.11

勉強会、セミナー等の参加数
参加人数(/年)
総技師数
参加数(/人)
全国平均(/人)
139187.723.32

⑥脳血管障害における頭部CTまたはMRI検査の施行までに要した時間


モダリティ
時間(分)
全国平均(分)
CT
6.5014.32
MRI
16.0024.43

⑦検査待ち時間


モダリティ
平均待ち時間(分)
全国平均(分)
最長待ち時間(分)
全国平均(分)
一般撮影
6.06.547.031.7
マンモグラフィ
12.07.845.027.6

⑧インシデント・アクシデントレポート報告数


報告数(/年)
スタッフ数
報告数(/人)
全国平均(/人)
15180.83.3

⑨放射線業務従事者の被ばく線量


全技師の績算線量(mSv/年)
対象技師数
平均値(mSv)
全国平均(mSv/年)
30180.50.6
 
最大値(mSv)
全国平均(mSv/年)
4.85.7

⑩離職率


離職者数
在職技師数
離職率(%)
全国平均(%)
180.0%4.8

⑪有給休暇取得率


総取得日数
総付与日数
有休取得率(%)
全国平均(%)
286.566143.3%59.3%

⑫月平均時間外労働時間


1ヶ月あたりの総時間外
労働時間(時間)
技師数
月平均(時間)
全国平均(時間)
144.5188.039.11
 
1ヶ月あたり個人の
最長時間外労働時間(hr/月)
全国平均(hr/月)
29.2522.76

⑬CT検査における線量指標


撮影部位
CTDI(mGy)
DLP(mGy・cm)
DRLs2020
当院値
DRLs2020
当院値
頭部単純ルーチン
77.064.21350.01026.7
小児頭部(1~5歳未満)
40.034.1660.0578.9
胸部1相
13.09.7510.0405.7
胸部~骨盤1相
16.012.71300.0952.9
上腹部~骨盤1相
18.013.51000.0718.3
肝臓ダイナミック
17.012.22100.01669.49

※標準体格は体重50~70kg
※肝臓ダイナミックは胸部や骨盤を含まず、CTDIは全相の平均、DLPは検査全体の合計

⑭一般撮影における線量指標


撮影部位
入射表面線量(mGy)
DRLs2020・2015
当院値
頭部正面
2.501.07
頚椎
0.800.24
胸椎正面
3.001.01
胸椎側面
5.002.36
胸部正面(100kV以上)
0.300.14
腹部
2.501.95
腰椎正面
3.501.92
腰椎側面
9.005.36
骨盤
2.501.35

※標準体格は体重50~60kg


被ばく相談してみませんか!

病院に来院されるすべての方に対して、放射線検査と被ばく相談をおこなっています。
応対者は日本診療放射線技師会が認定している
「放射線被ばく相談員」が実際に受けた検査の被ばく線量を提示しながら説明いたします。

地下1階「画像診断部受付」にてお気軽にお声かけください。

※2016年4月~2023年3月までの間に50件の相談をいただきました。



放射線技師おしえてコラム


先輩の声①

放射線課 診療放射線技師(2023年入職)



先輩の声②

放射線課  診療放射線技師(2019年入職)



先輩の声③

放射線課  診療放射線技師(2015年入職)



当サイトに関するみなさまのご意見をお聞かせください

質問1:このページの情報は役に立ちましたか?

質問2:このページは見つけやすかったですか?