聖隷佐倉市民病院は、千葉県佐倉市の地域に根差した中核病院。腎臓病・脊椎脊髄疾患・がん治療における高度な医療技術に対応。
こんにちは。健診センター医師の楠目(くすめ)です。
先日、我が家の小学4年と6年になる子供たちと話しているとき携帯電話の話題になり、「え~!携帯がない時代はどうやって友達と連絡してたの~?」と尋ねてきました。
??・・そういえばどうしてたんだっけ?(笑)
思い返してみると、私が大学生の頃は携帯電話はおろか、やっとポケットベルが普及し始めた時期でしたが、当初は画面に数字しか表示できなかったため、友達と暗号を決めて連絡を取り合っていたことを思い出しました。
それより以前の高校時代はというと、ポケベルさえ持っていなかったので友人への連絡はもっぱら自宅の電話ということになり、お互いが外出している場合には連絡がつくまで半日以上を要していました。また夜に女性友人宅に電話をする際には、向こうのお父さんが電話に出た場合に備えて何度もご挨拶のセリフを練習したり、お父さんが電話に出ないようにお祈りしながらダイヤルしたものです(笑)。そういえば一晩中かけて手紙を書いてたこともありましたね・・・。朝、冷静に読み返して真っ赤になって、手紙を丸めて捨てたことが何度あったことか(笑)。
なんだか今よりも時間の流れ方がゆっくりしていたような気がします。
今は携帯電話で誰とでもすぐに連絡をとることができ、1日に何往復もメールのやりとりができ、調べたい物は図書館ではなくパソコンの前に座れば数分で情報を手に入れることができる時代。いや、もうすでに携帯電話1台あれば世界中の誰とでも、どんな情報にも簡単にアクセスできるようになってきています。
最近妻が「ラインはじめたからあなたもラインに登録して。」と言ってきています。ラインとは登録した者同士がメッセージなどをリアルタイムに交換できるアプリケーションで、メールのような送受信の操作が不要で、世界中どこにいてもまるで互いにすぐそばにいるかのように文字や音声での会話が楽しめる便利なものだそうです。
でも私はこの妻の要望を今のところ拒否しています。確かにいろいろ連絡も取りやすくなり便利だとは思います。
でも高校生の頃、どきどきしながら郵便ポストの投函口に手紙を差し入れ、「手紙をつかんだこの指を離すと、この手紙はあの人のところに届けられてしまう。本当にそれでいいのか?」と自問自答しながら覚悟を決めて投函したあの頃の気持ちは、何度もメールを読み返して確認し、送信ボタンを押す時の気持ちに似ていると思います。その送信ボタンさえ存在しないとすれば、手紙を受け取る相手がどんな気持ちでこの手紙を読んでくれるかを想像しながら丁寧に言葉を選び、一文字一文字大切に書いていたあの頃の想いそのものがなくなってしまうようで、なんだかさみしい気持ちがします。
インターネット上の特に匿名掲示板には、他人の気持ちを考えない暴力的で侮辱的な言葉の断片が、投げ捨てられるようにあふれています。
相手の立場に立って自分が発する言葉に責任を持つ。
それがメールの送信ボタンの役割ではないかと私は考えています。
最近のテクノロジーに対する、単なる私の懐古主義的な偏見なんでしょうかね・・・・。
5月31日
“三浦雄一郎さん(80)が世界最高峰エベレスト(8,848M)登頂成功”のニュース感動ですね。75歳に登頂した時より今回のほうが体力が充実していたとの事。本当にすごいですね。ちなみに、女性最高齢記録者も日本人の渡辺玉枝さん(73)だそうです。
実は、私も日本人に生まれたからには、一度くらい富士山に登りたいと思い、50歳から山登りを始めました。(富士山も世界遺産に決まりますね。山登りブームはますます高まりそうです。)全くの初心者だったので、低い山から徐々に標高を上げていき、登頂に成功。感激しました。その後、すっかりはまってしまい、毎年春から夏山に向け準備し、日本の1位から5位の山に登りました。
昨年は、年末から長い休暇を戴いてエベレストベースキャンプ(5,300M)に行ってきました。あんなところまで登れるのかと思いますが、ゆっくりでも一歩一歩進めていれば必ず到達するのです。達成感も、途中の景色、風もすばらしいですよ。
今年も夏はどこに登ろうかと思いつつ、準備をすすめています。
5月30日 保健師F